5有限集合での個数の見方
A,B を有限集合とする。有限集合の個数について、部分集合 C\subseteq B なら |C|\le |B| であり、|C|=|B| なら C=B である。これは B の元を一列に並べたとき、C がそのうちの一部だけを選ぶこと、同じ個数を選ぶには全部を選ぶ必要があることによる。
data/lecture/math/discrete-math/cardinality-and-countability.lecture.n.md
また、|A|=|B| であることは、A と B の元をそれぞれ同じ長さの列に並べ、同じ位置どうしを対応させる全単射が存在することと同値である。逆に、全単射は重複も余りもなく元を対応させるので、両集合の個数は等しい。
単射 f:A\to B が存在するなら、f は A と像 f(A) の間の全単射である。したがって
|A|=|f(A)|\le |B|
である。
全射 f:A\to B が存在するなら、各 b\in B の逆像
f^{-1}(\{b\})=\{a\in A\mid f(a)=b\}
は空でない。これらの逆像は互いに交わらず、その和集合は A である。B=\varnothing のときは写像 A\to B が存在することから A=\varnothing であり、結論は直ちに従う。B\ne\varnothing のとき、A は |B| 個の空でない部分に分かれ、|A|\ge |B| となる。
特に |A|=|B| なら、単射 f:A\to B について |f(A)|=|B| であり、f(A)\subseteq B だから f(A)=B、すなわち f は全射である。逆に f が全射なら、A を |B| 個の空でない逆像に分け、その個数の合計が |A|=|B| になる。したがって各逆像の元はちょうど 1 個であり、f は単射である。
よって、同じ個数の有限集合の間では、単射性と全射性は同値である。この結論では「有限」と「|A|=|B|」の両方を使っている。