コンデンサー
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1導入
この講義では、コンデンサーを「電荷を蓄える箱」ではなく、電場とエネルギーを蓄える装置として解説する。
2 枚の導体板に正負の電荷を分けて置くと、板の間に電場ができる。この電場を作るには仕事が必要であり、その仕事がコンデンサーのエネルギーとして蓄えられる。
2用語と定義
コンデンサーとは、2 つの導体に正負の電荷を蓄え、電位差を保つ装置である。
電気容量 C とは、蓄えた電荷の大きさ Q と電位差 V の比である。
\boxed{C=\frac{Q}{V}}
3方針
コンデンサーでは、電荷、電位差、電場を結ぶ。
- 電荷から面電荷密度 \sigma=Q/S を出す。
- ガウスの法則で電場 E を出す。
- 一様電場なら V=Ed を使う。
- C=Q/V に代入する。
4関係式 1:平行板コンデンサーの電気容量
極板面積 S、極板間隔 d の真空中の平行板コンデンサーでは、
\boxed{C=\varepsilon_0\frac{S}{d}}
である。
4.1証明
極板に電荷 +Q と -Q を蓄える。面電荷密度は
\sigma=\frac{Q}{S}
である。ガウスの法則より、十分広い平行板の間の電場は
E=\frac{\sigma}{\varepsilon_0}
=
\frac{Q}{\varepsilon_0S}
である。一様電場では
V=Ed
なので、
V=\frac{Qd}{\varepsilon_0S}
である。電気容量の定義 C=Q/V より、
C=\frac{Q}{Qd/(\varepsilon_0S)}
=
\varepsilon_0\frac{S}{d}
を得る。
5関係式 2:コンデンサーに蓄えられるエネルギー
電気容量 C、電位差 V、電荷 Q のコンデンサーに蓄えられるエネルギーは
\boxed{U=\frac12QV=\frac12CV^2=\frac{Q^2}{2C}}
である。
5.1証明
電荷を 0 から Q まで少しずつ運んでコンデンサーを充電する。途中でコンデンサーに電荷 q が蓄えられているとき、電位差は
V(q)=\frac{q}{C}
である。微小電荷 dq を運ぶのに必要な仕事は
dW=V(q)\,dq=\frac{q}{C}\,dq
である。したがって全仕事は
U=\int_0^Q\frac{q}{C}\,dq
=
\frac{Q^2}{2C}
である。Q=CV を使うと、
U=\frac12QV=\frac12CV^2
も得る。
6関係式 3:コンデンサーの合成容量
並列接続では
\boxed{C=C_1+C_2+\cdots}
であり、直列接続では
\boxed{\frac1C=\frac1{C_1}+\frac1{C_2}+\cdots}
である。
6.1証明
並列接続では、すべてのコンデンサーに同じ電位差 V がかかる。全電荷は
Q=Q_1+Q_2+\cdots=C_1V+C_2V+\cdots
である。したがって
Q=(C_1+C_2+\cdots)V
なので、合成容量は C=C_1+C_2+\cdots である。
直列接続では、各コンデンサーに蓄えられる電荷の大きさは同じ Q である。全電位差は
V=V_1+V_2+\cdots=\frac{Q}{C_1}+\frac{Q}{C_2}+\cdots
である。したがって
V=Q\left(\frac1{C_1}+\frac1{C_2}+\cdots\right)
である。V=Q/C と比べて
\frac1C=\frac1{C_1}+\frac1{C_2}+\cdots
を得る。
7単位の確認
電気容量の単位は
C=\frac{Q}{V}:
\frac{[\mathrm{C};\ \mathsf{IT}]}{[\mathrm{V};\ \mathsf{ML^2I^{-1}T^{-3}}]}
=
[\mathrm{F};\ \mathsf{M^{-1}L^{-2}I^2T^4}]
である。
8見分け方
- 平行板なら C=\varepsilon_0S/d。
- エネルギーなら U=\frac12CV^2。
- 並列なら容量は足す。
- 直列なら逆数を足す。
9どこまで成立するか
C=\varepsilon_0S/d は、極板が十分広く、端の電場の乱れを無視できる近似である。間に誘電体が入ると、電気容量は変わる。
10最終形
\boxed{C=\frac{Q}{V}}
\boxed{C=\varepsilon_0\frac{S}{d}}
\boxed{U=\frac12CV^2}
11一言
コンデンサーは、電荷だけでなく電場とエネルギーを蓄える。