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ボーア模型の基本md 560f991
lecture/physics/modern/ボーア模型の基本-講義.n.md
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ボーア模型の基本
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導入
この講義で最重要なのは、ボーア模型は「どの軌道でもよい」のではなく、特定の軌道だけが許される、と仮定して線スペクトルを説明する模型だと捉えることです。
原子の電子が古典力学どおりに自由な軌道を取れるなら、原子は連続スペクトルを出しそうです。ところが実際には離散的な線スペクトルが現れます。ボーア模型は、この事実を最小限の仮定で説明しようとした模型です。
用語と定義
量子条件 とは、電子の角運動量が
mvr=n\hbar \qquad (n=1,2,3,\dots)
を満たす、という条件です。
エネルギー準位 とは、電子が取れる離散的なエネルギーの値です。
方針
まず、水素原子で電子が受ける力を円運動の式で書きます。そのあとボーアの量子条件を加えて、軌道半径とエネルギーが飛び飛びになることを見ます。
直感的な説明
ボーア模型の発想は、「電子はどんな軌道でも回れるわけではない」と割り切ることです。弦の振動で定常波だけが残るのと少し似ていて、原子の中でも許された状態だけが安定に存在すると考えます。
この見方を取ると、電子が高い準位から低い準位へ移るとき、その差だけのエネルギーを光として出す、という線スペクトルの説明が自然につながります。
厳密な説明
1. 円運動の式
水素原子では、電子に働くクーロン力が向心力になります。したがって
\frac{mv^2}{r}=\frac{k e^2}{r^2}
です。
2. ボーアの量子条件
さらに
mvr=n\hbar
を課します。これによって許される軌道が離散化されます。
3. 軌道半径とエネルギー
この 2 つの式を組み合わせると、半径は
r_n \propto n^2
となり、エネルギーは
E_n \propto -\frac{1}{n^2}
となります。つまり、軌道もエネルギーも連続ではありません。
4. 線スペクトル
準位 m から n へ遷移するとき、
h\nu=E_m-E_n
です。これが水素原子の線スペクトルを与えます。
見分け方
- 水素原子、ボーア模型、線スペクトルが出たら、まず準位が離散的だと考えます。
- 半径や速さを問うなら、円運動の式と量子条件を連立します。
- 出る光の振動数や波長を問うなら、準位差と h\nu を結びます。
最終形
\boxed{\frac{mv^2}{r}=\frac{k e^2}{r^2}}
\boxed{mvr=n\hbar}
\boxed{h\nu=E_m-E_n}
一言でいうと
- ボーア模型は、許された軌道だけを認めることで、原子の線スペクトルを説明する模型です。