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中国語誤りタグ体系-定石集
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中国語誤りタグ体系-定石集
1. 使う場面
- 中国語の発音・作文・翻訳で、何が主問題かを短時間で判定したい場面
- 添削結果を記録するときに、誤りの種類を統一したい場面
- 同じ誤りを反復しているのに、発音・文法・文字の問題が混線して原因が見えなくなる場面
2. 見分け方
| 症状 | 付けるタグ | 最初に確認すること |
| 声調が違う、ピンインが崩れる | TON | 意味を変える声調差か、変調・軽声の規則か |
| 語順、助詞、補語、アスペクトが崩れる | GRM | 主語・動詞・目的語の配置と、了/着/过 の役割は適切か |
| 字の意味や形を取り違える | CHR | 日中同形異義語か、簡体字と繁体字の混同か |
| 名詞を数えるときの量詞が不自然 | MEA | その名詞に専用の量詞があるか |
| 語の結び付きが不自然 | COL | その動詞と名詞、形容詞と名詞の搭配は自然か |
| 話し言葉と書き言葉が混ざる | REG | 場面は会話か、説明文か、書面か |
優先順位は TON > GRM > CHR > MEA > COL > REG とする。複数タグが候補に見える場合でも、まず上位タグから点検する。
3. 使う基準
TON
- 対象: 声調、変調、軽声、ピンイン
- 典型症状:
[买/mǎi] と [卖/mài] の混同
- 判断: 意味が変わる発音差なら、まず TON として処理する
GRM
- 対象: 語順、否定、疑問、アスペクト、補語、把 / 被 構文
- 典型症状: 日本語の助詞構造をそのまま投影する
- 判断: 語の順番そのものが文法関係を担うかを確認する
CHR
- 対象: 日中同形異義語、簡体字、繁体字
- 典型症状:
[娘/niáng] を日本語の「むすめ」と誤認する
- 判断: 漢字が読めることと、中国語で正しいことを同一視しない
MEA
- 対象:
个 本 张 条 只 などの量詞
- 典型症状:
[一/yì][个/gè][书/shū]
- 判断: 汎用量詞
个 で済ませたくなる箇所を重点的に確認する
COL
- 対象: 搭配、固定表現
- 典型症状:
[做/zuò][决定/juédìng] を別の不自然な動詞へ置換する
- 判断: 語彙が正しくても、結合が自然かどうかを別に確認する
REG
- 対象: 口語、書面語、場面適合
- 典型症状: 説明文で過度に口語的な言い回しを用いる
- 判断: 意味が通るかではなく、その場面で許容される語気かを確認する
4. 解き方の手順
- 誤り箇所を 1 箇所ずつ切り出す
- 意味が変わる重大誤りかどうかを先に判定する
- TON → GRM → CHR → MEA → COL → REG の順で照合する
- 主要タグを 1 個 決定し、必要なら補助メモを添える
- 修正前と修正後を 1 行で記録する
5. 判別と注意点
TON と CHR の切り分け
- 字を誤って選んだ結果として発音も変わる場合は、まず CHR を主問題とする
- 同じ字を使っているのに声調だけが崩れる場合は TON とする
GRM と MEA の切り分け
- 量詞の誤りが主因なら MEA とする
- 数量表現全体の語順や構文が崩れているなら GRM を先に処理する
6. 落とし穴
- 声調を軽微な誤りとして後回しにする:意味差を生む場合は最優先である
- 全部を文法誤りとして扱う:文字や量詞や搭配の問題が埋没する
- 漢字が読めることを正答と見なす:日中同形異義語を見落とす
- REG を最後まで検討しない:会話文と書面文の混同が残る