4.11. なぜ余りへ落としてよいか
a = bq + r のとき、a と b の共通約数 d は r = a - bq も割るので d は b と r の共通約数でもある。逆も同様に成立するので
\gcd(a, b) = \gcd(b, r)
余りへ落としても共通約数の集合が変わらない—これが互除法の核心である。
4.33. 拡張互除法:\gcd を ax+by の形へ
ステップ 2 から逆向きに代入する:
6 = 30 - 24 \times 1
ステップ 1 より 24 = 84 - 30 \times 2 を代入:
6 = 30 - (84 - 30 \times 2) = 3 \times 30 - 84 = (-1) \times 84 + 3 \times 30
したがって x = -1, y = 3 が一つの解である。
4.44. 一次不定方程式の可解条件
ax + by = c が整数解を持つための必要十分条件:
\gcd(a, b) \mid c
証明(必要条件):d = \gcd(a, b) とすると a = da', b = db' なので ax + by = d(a'x + b'y) は必ず d の倍数。
証明(十分条件):c = dk かつ d = ax_0 + by_0 なら c = a(kx_0) + b(ky_0)。
一般解:一つの解 (x_0, y_0) があれば全解は
x = x_0 + \frac{b}{d} t, \quad y = y_0 - \frac{a}{d} t \qquad (t \in \mathbb{Z})
この式が全解を与えることを両方向から確認する。まず、この式を左辺へ代入すると、t を含む部分は
a\frac{b}{d}t-b\frac{a}{d}t=0
と相殺する。したがって、すべての t\in\mathbb Z について元の方程式を満たす。
逆に、(x,y) を任意の解とする。(x_0,y_0) も解なので、差を取ると
a(x-x_0)+b(y-y_0)=0
である。a=da'、b=db'、\gcd(a',b')=1 と書けば、a'(x-x_0)=-b'(y-y_0) である。互いに素であることから b'\mid(x-x_0) なので、ある t\in\mathbb Z により x-x_0=b't=(b/d)t と書ける。これを差の式へ戻すと y-y_0=-a't=-(a/d)t を得る。よって任意の解が上の形に含まれ、これが全解である。