transport 方程式と保存則
mathpartial-differential-equationstransportconservation-lawlecture
導入
このページの核心は、transport 方程式を量が流れに沿って移動する式として確認し、保存則への入口を作ることである。
基本形
u_t+c u_x=0
は一定速度 c で形状が移動する transport 方程式である。特性曲線 x-ct=\text{constant} に沿って u は保存される。
初期条件を u(x,0)=g(x) とすると、解は
u(x,t)=g(x-ct)
である。正の c なら波形は右へ速度 c で移動する。熱方程式のように形が滑らかに崩れるのではなく、初期形状が平行移動することが特徴である。
保存則
保存則 は、
u_t+f(u)_x=0
の形を持つ PDE である。これは量の時間変化が流束の空間変化で決定されることを表す。
積分形から PDE へ
区間 [a,b] に含まれる量を \int_a^b u(x,t)\,dx とする。保存される量の変化は、端点から出入りする流束で決定されるため、
\frac{d}{dt}\int_a^b u(x,t)\,dx=f(u(a,t))-f(u(b,t))
となる。これを局所化すると u_t+f(u)_x=0 を得る。
有限伝播速度
transport 方程式では、初期分布の情報が特性曲線に沿って移動する。この性質は熱方程式の拡散と対照的である。不連続初期値がある場合は、不連続も特性に沿って伝播する。
非線形保存則と特性の交差
u_t+f(u)_x=0 は u_t+f'(u)u_x=0 と書ける。値 u により特性速度 f'(u) が変化するため、大きい値と小さい値が異なる速度で進む。特性が交差すると古典解は破綻し、衝撃波を含む弱解が必要になる。
不連続が速度 s で移動し、左状態を u_L、右状態を u_R とすると、Rankine--Hugoniot 条件は
s=\frac{f(u_L)-f(u_R)}{u_L-u_R}
である。この条件は保存量の収支から導かれる。ただし物理的に許容される弱解を選ぶには、entropy 条件も必要である。
どこまで成り立つか
非線形保存則では、特性曲線が交差し、衝撃波が発生することがある。その場合は弱解とエントロピー条件が必要になる。