特性曲線法
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導入
このページの核心は、一階 PDE を適切な曲線に沿って制限すると、ODE として処理できる場合があることである。
用語と定義
特性曲線 は、PDE の微分方向に沿って進む曲線であり、その上で偏微分方程式が ODE に還元される。
方針
たとえば
u_t+c u_x=0
では、曲線 x-ct=\text{constant} に沿って u が保存される。解法の目的は、偏微分を曲線方向の全微分へ変換することである。
曲線に沿う理由
一次 PDE では、u_x と u_t が一次結合として現れる。この形は、平面 x,t 上の曲線に沿う全微分
\frac{d}{ds}u(x(s),t(s))=u_x x'(s)+u_t t'(s)
と同じ構造を持つ。したがって、PDE の係数と x'(s),t'(s) を対応させれば、偏微分の問題を曲線上の ODE へ変換できる。
具体例
u_t+2u_x=0,\quad u(x,0)=g(x) では、特性曲線は x-2t=\xi である。したがって
u(x,t)=g(x-2t)
となる。初期形状が速度 2 で右方向へ移動する。
連鎖律からの導出
曲線 (x(s),t(s)) に沿って u(x(s),t(s)) を微分すると、
\frac{d}{ds}u(x(s),t(s))=u_xx'(s)+u_tt'(s)
である。x'(s)=c,\ t'(s)=1 と選択すれば、右辺は cu_x+u_t になる。したがって u_t+cu_x=0 は、特性曲線に沿って u が一定であることを意味する。
変係数の例
u_t+xu_x=0 では、特性曲線は x'=x,\ t'=1 を満たす。したがって x(t)=Ce^t であり、xe^{-t} が保存される。初期条件 u(x,0)=g(x) なら、u(x,t)=g(xe^{-t}) となる。
非線形保存則への接続
u_t+f(u)_x=0 は u_t+f'(u)u_x=0 と書ける。値 u ごとに速度 f'(u) が異なるため、特性曲線が交差する可能性がある。その場合、古典解は破綻し、弱解や entropy 条件が必要になる。
特性ファンの配置
定係数の transport 方程式では、特性曲線は平行な直線群である。変係数や非線形では、初期線から出る曲線群が開いたり交差したりする。この配置が解の滑らかさと一意性を左右する。
不適用の例
二階 PDE では、一階の方向微分を ODE へ変換する構造が直接には成立しない。たとえば熱方程式 u_t=\kappa u_{xx} は拡散を含むため、単一の曲線に沿って値が保存される問題ではない。
どこまで成り立つか
非線形の保存則では、特性曲線が交差し、古典解が破綻することがある。この場合は弱解や衝撃波の理論が必要になる。