条件付き確率と独立
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導入
この講義で最重要なのは、条件付き確率は「追加情報で標本空間を絞った後の確率」であり、独立はその絞り込みで確率が変わらないことだと見ることです。
条件付き確率の問題では、公式だけを覚えていると分母と分子を機械的に入れ替えてしまいやすいです。まず「いま何が分かったのか」を言葉で固定することが大切です。
用語と定義
条件付確率 は、P(B)\neq 0 のとき
P(A\mid B)=\frac{P(A\cap B)}{P(B)}
で定義されます。
独立 とは
P(A\cap B)=P(A)P(B)
が成り立つことです。
方針
条件付き確率では、まず「B が起こったと分かった後、世界がどう狭まるか」を考えます。その狭まった世界の中で A がどれくらい起こるかを数えます。
独立では、B が分かっても A の起こりやすさが変わらないかを見ます。
直感的な説明
条件付き確率は、世界を切り取り直す操作です。たとえば「赤玉が出た」と分かったら、最初の全体ではなく、「赤玉が出た場合だけ」の中で考えます。
独立は、その切り取り直しをしても確率が動かない状態です。
厳密な説明
1. 条件付き確率の意味
P(A\mid B)=\frac{P(A\cap B)}{P(B)}
では、分母 P(B) が「見直した後の全体」、分子 P(A\cap B) が「その中で A も満たす部分」です。
したがって、この公式は丸暗記するより、「全体が B に変わる」と読むべきです。
2. 独立の意味
独立とは
P(A\mid B)=P(A)
と同じ意味です。ただし、演習では
P(A\cap B)=P(A)P(B)
の形で使うことが多いです。
3. 掛け算の意味
P(A\cap B)=P(B)\,P(A\mid B)
です。これは「まず B が起こり、その後の世界で A が起こる」と読めます。
具体例
1 組 52 枚の中から 2 枚を順番に取り出すとき、1 枚目が赤である事象を A、2 枚目が赤である事象を B とします。
1 枚目が赤と分かった後では、残り 51 枚のうち赤は 25 枚です。したがって
P(B\mid A)=\frac{25}{51}
です。
もし独立なら P(B\mid A)=P(B)=\frac12 のはずですが、ここでは
\frac{25}{51}\neq \frac12
です。したがって A と B は独立ではありません。
別の見方
条件付き確率は、「後から分かった情報で母集団を絞り込む」と見てもよいです。この見方に立つと、統計やベイズの話にもつながりやすくなります。
見分け方
- 「B だと分かったとき」「B のもとで」が見えたら条件付き確率を考える
- 順番に取る試行や戻さない抽出では、独立を疑わず依存を考える
- 独立かどうかを聞かれたら、P(A\cap B)=P(A)P(B) か P(A\mid B)=P(A) を確認する
どこまで成り立つか
等確率の数で押せる問題では場合の数で処理できますが、連続量や複雑な分布では別の扱いが必要です。ただし「情報で全体を絞る」という核心は変わりません。
最終形
\boxed{P(A\mid B)=\frac{P(A\cap B)}{P(B)}}
\boxed{P(A\cap B)=P(B)\,P(A\mid B)}
\boxed{A,B\text{ が独立 } \Longleftrightarrow P(A\cap B)=P(A)P(B)}