markdown
確率分布の基本md f7bc692
lecture/math/statistics/確率分布の基本-講義.n.md
Download as PDF
確率分布の基本
mathstatisticsprobabilityhighschoolundergraduatelecture
導入
この講義で最重要なのは、確率変数では個々の結果をばらばらに見るのではなく、「どの値をどれくらいの確率で取るか」という表として見ることです。
確率の講義では事象の確率を計算しますが、統計や確率論では「値がどう散らばるか」そのものを見たいことがよくあります。そこで確率変数の値と確率をまとめたものが確率分布です。
用語と定義
確率変数 とは、試行の結果に数を対応させたものです。
確率分布 とは、確率変数が各値を取る確率を並べたものです。
方針
まず確率変数を作り、その値が何を意味するかを確認します。そのあと、各値に確率を対応させて分布を作り、最後にそこから期待値や分散を読み取ります。
直感的な説明
確率分布は、「この試行ではどんな値が出やすいか」を地図のように表したものです。たとえば、さいころの出目なら 1 から 6 が同じ確率で並びますし、コインを 3 回投げたときの表の枚数なら 0,1,2,3 が同じ重みではありません。
期待値だけを見ると平均しか分かりませんが、分布を見ると「どの値のまわりに集まりやすいか」「左右にどう広がるか」が見えてきます。
厳密な説明
1. 分布を作る
確率変数 X が x_1,\dots,x_n を取るとき、
P(X=x_1),\dots,P(X=x_n)
を並べたものが分布です。このとき
P(X=x_i)\ge 0, \qquad \sum_i P(X=x_i)=1
を満たします。
2. 具体例
コインを 3 回投げ、表の枚数を X とすると、
P(X=0)=\frac18,\quad P(X=1)=\frac38,\quad P(X=2)=\frac38,\quad P(X=3)=\frac18
です。
この分布は、真ん中の 1,2 枚が出やすく、0,3 枚は出にくいことを表しています。
3. 期待値と分散
分布が分かれば、
E[X]=\sum x_i P(X=x_i)
で期待値を、さらに
\mathrm{Var}(X)=\sum (x_i-E[X])^2 P(X=x_i)
で分散を求められます。
別の見方
確率分布は、確率の問題を表に直したものと見てもよいです。すると、期待値はその表の重みつき平均になり、分散はその表の広がりを測る量になります。
見分け方
- 何を確率変数にするかが曖昧なら、まず「最終的に数として何を数えたいか」を決めます。
- 期待値や分散を問われたら、いきなり計算するより先に分布を表へ整理すると見通しがよくなります。
- 二項分布のような名前がまだ出てこなくても、値と確率を丁寧に並べれば十分に解ける問題は多いです。
最終形
\boxed{\sum_i P(X=x_i)=1}
\boxed{E[X]=\sum x_i P(X=x_i)}
\boxed{\mathrm{Var}(X)=\sum (x_i-E[X])^2 P(X=x_i)}
一言でいうと
- 確率分布は、確率変数がどの値をどれくらい取りやすいかをまとめた地図です。