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干渉と回折md 980cf2d
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干渉と回折
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導入
この講義で最重要なのは、干渉も回折も、波の重ね合わせとして見ると 1 つの枠組みで理解できることです。
用語と定義
干渉 とは、波が重なって強め合い・弱め合いを起こす現象です。
回折 とは、波が障害物の端を回り込んだり、狭い隙間を通ると広がったりする現象です。
直感的な説明
山と山が重なると大きくなり、山と谷が重なると打ち消し合います。これが干渉です。回折は、波が直進だけでなく横へも広がる性質を見せています。
干渉と回折は別の現象に見えますが、どちらも波の重ね合わせから出てきます。干渉は「複数の経路の差」を見る現象で、回折は「波長と障害物や隙間の大きさの比較」を見る現象だと整理すると混乱しにくいです。
厳密な説明
1. 強め合いと弱め合い
同じ振幅、同じ角振動数の 2 つの波を
y_1=A\cos\omega t,\qquad y_2=A\cos(\omega t+\delta)
とします。和積公式を使うと
y_1+y_2=2A\cos\frac{\delta}{2}\cos\left(\omega t+\frac{\delta}{2}\right)
です。したがって合成後の振幅は
2A\left|\cos\frac{\delta}{2}\right|
となります。
位相差 \delta は経路差 \Delta l に対して
\delta=2\pi\frac{\Delta l}{\lambda}
なので、
\Delta l=m\lambda
で強め合い、
\Delta l=\left(m+\frac12\right)\lambda
で弱め合います。
2. 二重スリット
ヤングの実験では
d\sin\theta=m\lambda
が明線の条件です。
これは、2 つのスリットから観測点までの距離差が
\Delta l=d\sin\theta
になることから出ます。遠方や小角の近似では \sin\theta \approx x/L として
x_m \approx \frac{m\lambda L}{d}
とも書けます。
3. 回折
回折は「波が横へも広がる性質」とだけ言ってもよいのですが、もう 1 段丁寧に言うと、開口の各点から出る二次波の重ね合わせの結果です。
隙間が波長と同程度に狭いほど、広がりは無視できません。
波長に比べて隙間が十分大きければ、波はほぼ直進します。したがって、「どれくらい広がるか」は波長と開口の大きさの比で決まると考えるとよいです。
別の見方
高校物理での見方
経路差を \lambda と比べて、明暗や広がりの条件を判定する見方です。まずこれで問題が解けることが大切です。
波面による見方
ホイヘンスの原理から見ると、干渉も回折も「二次波がどう重なるか」の問題になります。こちらの見方だと、光学とのつながりが自然に見えます。
見分け方
- 縞、明暗、経路差が出たら干渉です。
- 隙間や障害物の端で広がるなら回折です。
- 干渉では経路差を \lambda と比べ、回折では隙間や障害物の大きさを \lambda と比べます。
どこまで成り立つか
ヤングの実験で使った
\Delta l=d\sin\theta
や
x_m \approx \frac{m\lambda L}{d}
は、観測点が十分遠いことや小角であることを使っています。また、干渉がきれいに見えるには、同じ振動数で位相関係が安定した光源や波源が必要です。
最終形
\boxed{\Delta l=m\lambda \Rightarrow \text{強め合い}}
\boxed{\Delta l=\left(m+\frac12\right)\lambda \Rightarrow \text{弱め合い}}
一言でいうと
- 干渉では経路差を、回折では広がりやすさを見ます。