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一階 ODE の方法選択-総合演習md 4999754
exercise/math/differential-equations/first-order-ode-method-synthesis.exercise.n.md
一階 ODE の方法選択-総合演習
mathdifferential-equationsexercisefirst-ordermethod-selection
data/lecture/math/differential-equations/analytic-numerical-and-qualitative-ode-methods.lecture.n.md
1答え方
各問で、(1) 欲しい成果、(2) 先に確認する構造や定理、(3) 選ぶ方法、(4) その方法だけでは分からないことを答える。
2問題 1
y'=\sqrt{|y|},\qquad y(0)=0
について、初期条件から将来の値が 1 つに定まるかを知りたい。どの確認を優先すべきか。数値法を 1 回実行して得た列だけで、この問いに答えられるか。
2.1解答例
○
欲しい成果は一意性なので、標準解法や数値計算より先に、右辺の連続性と y に関する Lipschitz 性を確認する。右辺は連続だが 0 の近傍で Lipschitz ではなく、y=0 のほか、任意の a\ge0 について x\le a では 0、x\ge a では (x-a)^2/4 とする解がある。したがって解は一意でない。1 本の数値列は、他の解がないことを証明しない。
3問題 2
y'=y-y^3,\qquad y(0)=2
の t\to\infty における行先を知りたい。閉じた式を求めずに判定せよ。
3.1解答例
○
欲しい成果は長時間挙動なので、自律方程式の位相線を選ぶ。平衡解は -1,0,1 であり、y>1 では y'=y(1-y^2)<0 である。一意性により解は y=1 を横切らず、単調減少かつ 1 で下から抑えられる。極限は平衡値でなければならないので、y(t)\to1 である。位相線は収束速度の正確な値までは与えない。
4問題 3
y'=x^2+y^2,\qquad y(0)=0
の y(0.5) を近似したい。計算前と計算後に何を確認するか。
4.1解答例
○
右辺は滑らかなので、初期点の近傍に一意な局所解がある。ただし、この局所定理だけでは 0.5 まで解が存在するとは限らないため、最大存在区間と解の増大を確認する。区間が確保できれば 4 次 Runge-Kutta 法などを候補とし、刻みを半減した値との差、解の増大、数値安定性を確認する。半減比較だけは厳密誤差保証ではない。
5問題 4
y'+2y=e^{-x},\qquad y(0)=1
について、(a) 明示式が欲しい場合と、(b) 長時間で 0 へ近づくかだけを知りたい場合で、選ぶ方法を比較せよ。
5.1解答例
○
(a) は一階線型なので積分因子 e^{2x} を用いる。(e^{2x}y)'=e^x より y=e^{-x} である。(b) では、この明示式から直ちに y\to0 と確認できる。一般には、明示式が不要なら符号や評価だけで目的を達成できることもある。この例では解析解が短く、(a) の計算を (b) の検証にも利用できる。