4逆元がある条件
剰余類 [a] が乗法逆元を持つとは、ある [x] が存在して
[a][x]=[1]
となることである。これは
ax\equiv 1\pmod n
と同じである。
この合同式が解を持つための必要十分条件は
\gcd(a,n)=1
である。実際、ax\equiv1\pmod n なら ax-1=kn となる整数 k がある。a と n の公約数は ax-kn=1 も割るので、\gcd(a,n)=1 である。逆に \gcd(a,n)=1 なら、ベズーの等式により整数 x,y が存在して
ax+ny=1
となる。したがって ax\equiv1\pmod n であり、[x] が [a] の逆元になる。
この条件は代表元にもよらない。a'=a+kn なら、a と n の公約数は a' も割り、a' と n の公約数は a=a'-kn も割る。したがって \gcd(a,n)=\gcd(a',n) である。
data/lecture/math/algebra/euclidean-algorithm-and-linear-diophantine-equations.lecture.n.md
ここでは文字で割り算をするのではなく、最大公約数が 1 であることから逆元の存在を示している。したがって、割る操作を行う場面では、逆元が存在する条件を先に確認する必要がある。