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同値関係と合同式 基本演習md da1f389
exercise/math/abstract-algebra/equivalence-relations-and-congruences.exercise.n.md
同値関係と合同式 基本演習
mathabstract-algebraexercise
2取り組む順序
「同値関係と剰余類」の後は問題1と、後半の証明演習の小問1〜4に取り組める。「合同式と mod 演算」の後に問題2・3、最初の証明演習、および後半の小問5・6へ進む。このページの prerequisites は全問題に取り組むための最終到達点を表す。
4問題1:剰余類を書く
[2]_5 を集合として書け。
4.1解答
[2]_5=\{2+5k\mid k\in\mathbb Z\}
である。
4.2解説
剰余類は一つの整数ではなく、同じ余りを持つ整数全体の集合である。
5問題2:合同式を判定する
37\equiv 12\pmod 5 は成立するか。
5.1解答
37-12=25 であり、5\mid25 なので成立する。
5.2解説
合同式は余りの比較としても読めるが、定義は n\mid(a-b) である。
6問題3:逆元を求める
\mathbb Z/11\mathbb Z で [4] の乗法逆元を求めよ。
6.1解答
4\cdot3=12\equiv1\pmod{11} なので、逆元は [3] である。
6.2解説
逆元を探す前に、\gcd(4,11)=1 であるため逆元が存在することが分かる。ここでは実際に掛け算で確認した。
7証明演習:合同式が加法と乗法で保存されること
7.1問題
n を正の整数とする。a\equiv b\pmod n、c\equiv d\pmod n なら、a+c\equiv b+d\pmod n、ac\equiv bd\pmod n であることを証明せよ。
7.2解答
a\equiv b\pmod n は n\mid(a-b)、c\equiv d\pmod n は n\mid(c-d) という意味である。
(a+c)-(b+d)=(a-b)+(c-d)
なので n\mid((a+c)-(b+d)) である。よって a+c\equiv b+d\pmod n である。
また、
ac-bd=c(a-b)+b(c-d)
であり、右辺は n で割り切れる二つの項の和である。したがって ac\equiv bd\pmod n である。
7.3解説
ここでは n による除算ではなく、n が差を割り切ることを使っている。この保存性が、代表元を変えても剰余類の和と積が変わらないこと、すなわち well-definedness を保証する。
8証明演習:同値関係から well-definedness まで
n\ge2 を固定し、整数 a,b に対して a\sim b\Longleftrightarrow n\mid(a-b) と定める。
- \sim が反射性・対称性・推移性を満たすことを示せ。
- a\sim b と [a]=[b] が同値であることを示せ。
- F([a])=a という規則が \mathbb Z/n\mathbb Z から \mathbb Z への写像を定めないことを、二つの代表元を使って示せ。
- [a]=[a']、[b]=[b'] なら [a+b]=[a'+b'] かつ [ab]=[a'b'] であることを示せ。
- (\mathbb Z/n\mathbb Z,+) が群であることを、閉包性、結合法則、単位元、逆元を明示して示せ。
- 2\cdot1\equiv2\cdot4\pmod6 だが 1\not\equiv4\pmod6 であることを確認せよ。また、ca\equiv cb\pmod n かつ \gcd(c,n)=1 なら a\equiv b\pmod n であることを示せ。
8.1解答
- a-a=0 かつ n\mid0 なので反射的である。n\mid(a-b) なら b-a=-(a-b) より n\mid(b-a) なので対称的である。n\mid(a-b) かつ n\mid(b-c) なら a-c=(a-b)+(b-c) より n\mid(a-c) なので推移的である。
- a\sim b とする。x\in[a] なら x\sim a\sim b なので x\in[b] である。逆に x\in[b] なら、対称性より b\sim a であり、x\sim b\sim a から x\in[a] である。よって [a]=[b] である。逆に [a]=[b] なら、a\in[a]=[b] だから a\sim b である。
- [0]=[n] だが、代表元を 0 と選べば F([0])=0、n と選べば F([n])=n となる。同じ剰余類から異なる値が出るので、この規則は well-defined でない。
- n\mid(a-a')、n\mid(b-b') である。(a+b)-(a'+b')=(a-a')+(b-b') と ab-a'b'=a(b-b')+b'(a-a') はともに n の倍数なので、求める二つの類の等式を得る。
- 閉包性は [a]+[b]=[a+b]\in\mathbb Z/n\mathbb Z から従う。結合法則は ([a]+[b])+[c]=[(a+b)+c]=[a+(b+c)]=[a]+([b]+[c]) である。[0] が単位元で、[a] の逆元は [-a] である。したがって群である。
- 2\equiv8\pmod6 なので最初の合同式は成立するが、6 は 1-4=-3 を割らない。\gcd(c,n)=1 なら [c] は逆元を持つので、[c][a]=[c][b] の両辺に [c]^{-1} を掛けて [a]=[b] を得る。