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剰余類・正規部分群・商群 基本演習md 65754ed
exercise/math/abstract-algebra/cosets-normal-subgroups-and-quotient-groups.exercise.n.md
剰余類・正規部分群・商群 基本演習
mathabstract-algebragroup-theoryexercise
2取り組む順序
「剰余類とラグランジュの定理」の後は問題1・2・4と、剰余類による分割の証明演習に取り組める。「正規部分群と商群」の後に問題3へ進む。このページの prerequisites は全問題に取り組むための最終到達点を表す。
4問題1:剰余類を求める
(\mathbb Z/6\mathbb Z,+) の部分群 H=\{[0],[3]\} について、[1]+H を求めよ。
4.1解答
[1]+H=\{[1]+[0],[1]+[3]\}=\{[1],[4]\}
である。
4.2解説
剰余類は、部分群全体を一つの元でずらした集合である。
5問題2:ラグランジュの定理を使う
位数 12 の有限群に、位数 5 の部分群は存在しうるか。
5.1解答
存在しない。ラグランジュの定理により、部分群の位数は群の位数を割り切る必要がある。しかし 5 は 12 を割り切らない。
5.2解説
ラグランジュの定理は存在可能性を絞る定理である。割り切ることは必要条件であり、十分条件ではない。
6問題3:商群を作れる条件
部分群 N\le G について、剰余類の積 (aN)(bN)=abN が代表元によらず定まるための必要十分条件を述べ、両方向を証明せよ。
6.1解答
N が正規部分群であることが必要十分である。
まず N\trianglelefteq G とし、aN=a'N、bN=b'N とする。ある n_1,n_2\in N によって a'=an_1、b'=bn_2 と書けるので、
a'b'=an_1bn_2=ab(b^{-1}n_1b)n_2
である。正規性より (b^{-1}n_1b)n_2\in N だから、a'b'N=abN である。
逆に積が代表元によらず定まるとする。任意の g\in G、n\in N について (gn)N=gN なので、g^{-1}N を掛けた結果も等しく、
gng^{-1}N=((gn)N)(g^{-1}N)=(gN)(g^{-1}N)=N
である。したがって gng^{-1}\in N であり、N\trianglelefteq G である。
6.2解説
正規性は積が代表元によらず定まることを保証し、逆にその代表元独立性から共役 gng^{-1} が N に残ることを導ける。
7証明演習:剰余類による分割
7.1問題
H\le G の左剰余類が G を分割することを証明せよ。
7.2解答
単位元 e\in H なので、任意の g\in G は g=ge\in gH であり、左剰余類の合併で G は覆われる。もし aH\cap bH\ne\varnothing なら、ある x について x=ah_1=bh_2 である。すると b^{-1}a=h_2h_1^{-1}\in H である。任意の ah\in aH について
ah=b(b^{-1}a)h\in bH
なので aH\subseteq bH である。同じ議論で bH\subseteq aH も従い、aH=bH となる。よって交わる二つの類は一致する。
7.3解説
剰余類は集合としてはいつも分割を作るが、積を入れて群にするには正規性が必要である。
8問題4:ラグランジュの定理から元の位数へ
有限群 G の元 g について、g の位数が |G| を割り切ることを証明せよ。さらに、|G|=p が素数なら G が巡回群であることを示せ。
8.1解答
g が生成する \langle g\rangle は G の部分群であり、g の位数は |\langle g\rangle| である。ラグランジュの定理をこの部分群に適用すると、
|\langle g\rangle|\mid |G|
を得る。
|G|=p が素数なら、単位元でない g\in G を取る。g の位数は 1 ではなく p を割り切るので、p である。したがって |\langle g\rangle|=|G| であり、\langle g\rangle=G となる。よって G は巡回群である。