7証明補足:剰余類の分割とラグランジュの定理
H\le G とする。左剰余類 aH と bH は、交わらないか、完全に一致する。
まず左剰余類全体が G を覆うことを確認する。任意の g\in G について、単位元 e\in H だから g=ge\in gH である。
証明する。aH\cap bH\ne\varnothing とし、x\in aH\cap bH を取る。すると x=ah_1=bh_2 となる h_1,h_2\in H が存在する。ここから
b^{-1}a=h_2h_1^{-1}\in H
である。任意の ah\in aH について、
ah=b(b^{-1}a)h
であり、(b^{-1}a)h\in H だから ah\in bH である。よって aH\subseteq bH である。同じ議論で bH\subseteq aH も従うので aH=bH である。
また、写像
H\to aH,
\qquad
h\mapsto ah
は全単射である。全射は aH の定義から従う。単射は、ah_1=ah_2 なら左から a^{-1} を掛けて h_1=h_2 となることから従う。ここでは a^{-1} が存在すること、つまり G が群であることを使っている。
したがって、有限群 G では、G は同じ大きさの左剰余類に分割される。左剰余類の個数を [G:H] とすれば
|G|=[G:H]|H|
である。これがラグランジュの定理 である。