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正規部分群と商群md afc9f5e
lecture/math/abstract-algebra/normal-subgroups-and-quotient-groups.lecture.n.md
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正規部分群せいきぶぶんぐんnormal subgroup商群しょうぐんquotient group

date2026-07-14document_iddoc_439dabe4b5d3745363a37869e69b53a5description正規部分群を、剰余類の集合に群構造を入れるための条件として説明し、商群の意味を整理する。prerequisites[剰余類/じょうよるい]とラグランジュの[定理/ていり]type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/abstract-algebra/cosets-and-lagrange-theorem.lecture.n.md / data/lecture/math/abstract-algebra/group-homomorphisms-and-isomorphisms.lecture.n.md / data/exercise/math/abstract-algebra/cosets-normal-subgroups-and-quotient-groups.exercise.n.md
mathabstract-algebragroup-theorylecture

剰余類じょうよるい集合しゅうごうつくるだけなら、任意にんい部分群ぶぶんぐんでよい。しかし、剰余類じょうよるいどうしをけてふたた剰余類じょうよるいにしたいなら、代表元だいひょうげんえらかた依存いぞんしない必要ひつようがある。この条件じょうけんたす部分群ぶぶんぐん正規部分群せいきぶぶんぐんである。

1正規部分群せいきぶぶんぐん定義ていぎ

部分群ぶぶんぐん N[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]G正規部分群せいきぶぶんぐんであるとは、任意にんいgG について

gN=Ng

成立せいりつすることである。このとき

N[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"trianglelefteq\")")]G

く。

gng-1ng による共役きょうやくconjugateという。どうあたい条件じょうけんとして、任意にんいgGnN について

gng-1N

成立せいりつすることでもよい。

ふたつの条件じょうけん同値どうちであることを確認かくにんする。gN=Ng なら、gngN=Ng なので gn=ng となる nN があり、gng-1=nN である。ぎゃく共役きょうやく条件じょうけん仮定かていすると、gn=(gng-1)gNg なので gNNg である。また g-1ngN より ng=g(g-1ng)gN なので NggN であり、gN=Ng となる。

2何故なぜ正規性せいきせい必要ひつよう

剰余類じょうよるいせき

(gN)(hN)=(gh)N

定義ていぎしたい。この定義ていぎ代表元だいひょうげんによらないためには、ghおな剰余類じょうよるいべつげんえても、結果けっかおな剰余類じょうよるいになる必要ひつようがある。

正規性せいきせいは、この代表元独立性だいひょうげんどくりつせい(well-definedness)を保証ほしょうする条件じょうけんである。

3商群しょうぐん

N[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"trianglelefteq\")")]G のとき、剰余類じょうよるい全体ぜんたい

G/N={gNgG}

は、せき

(gN)(hN)=(gh)N

によってぐんになる。代表元独立性だいひょうげんどくりつせいあと証明しょうめいする。ぐん公理こうり

((aN)(bN))(cN)=((ab)c)N=(a(bc))N=(aN)((bN)(cN)),
N(gN)=(gN)N=gN,(gN)(g-1N)=(g-1N)(gN)=N

確認かくにんできる。したがって単位元たんいげんN=eNgN逆元ぎゃくげんg-1N である。これを商群しょうぐんという。

商群しょうぐんでは、Nぞくするちがいを 0 のようにつぶしてる。つまり、Nなかうご無視むしして、のこった構造こうぞうだけを調しらべる。

4具体例ぐたいれい整数せいすう商群しょうぐん

n[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]1 とする。(Z,+) において、nZ正規部分群せいきぶぶんぐんである。何故なぜなら Z可換群かかんぐんだから、すべての部分群ぶぶんぐん正規せいきである。

商群しょうぐん

Z/nZ

は、整数せいすうnったあまりで分類ぶんるいしたぐんである。

5なにえてなに保存ほぞんするか

商群しょうぐんでは、Nなかちがいをない。わるのはげん粒度りゅうどであり、個々ここげんではなく剰余類じょうよるいげんとしてあつかう。一方いっぽうで、ぐん演算えんざん構造こうぞう代表元だいひょうげんによらずさだまるかたち保存ほぞんされる。

6証明しょうめい補足ほそく商群しょうぐん演算えんざん代表元だいひょうげんによらずさだまる条件じょうけん

N[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]G とする。剰余類じょうよるいどうしのせき

(aN)(bN)=(ab)N

定義ていぎしたい。この定義ていぎ代表元だいひょうげんえらかた依存いぞんしないためには、N正規部分群せいきぶぶんぐんnormal subgroup であることが必要ひつようである。

まず N正規せいきだとする。aN=aNbN=bN とする。このとき a=an1b=bn2 となる n1,n2N存在そんざいする。すると

ab=an1bn2=ab(b-1n1b)n2

である。N正規せいきなので b-1n1bN であり、したがって (b-1n1b)n2N である。よって abN=abN である。つまりせき代表元だいひょうげん依存いぞんしない。

ぎゃくに、このせきつね代表元だいひょうげんによらずさだまるとする。任意にんいgGnNる。ひだり剰余類じょうよるいとして (gn)N=gN なので、第一だいいち因子いんし代表元だいひょうげんg から gnえても、g-1N とのせきおなじでなければならない。したがって

(gN)(g-1N)=N,((gn)N)(g-1N)=gng-1N

おな剰余類じょうよるいになる。よって gng-1N=N、すなわち gng-1N である。任意にんいg,n について成立せいりつするので、N正規せいきである。

つまり、正規性せいきせいは「剰余類じょうよるい要素ようそとしてけても矛盾むじゅんしない」ことを保証ほしょうする条件じょうけんである。

8反例はんれい:すべての部分群ぶぶんぐん正規せいきとはかぎらない

対称群たいしょうぐん S3 で、H={e,(12)}かんがえる。これは部分群ぶぶんぐんである。しかし g=(13) とすると、

gH={(13),(13)(12)}

であり、

Hg={(13),(12)(13)}

である。ここで (13)(12)(12)(13)ことなる置換ちかんである。したがって gHHg であり、H正規部分群せいきぶぶんぐんではない。

このれいでは剰余類じょうよるい集合しゅうごうつくれるが、剰余類じょうよるいどうしのせき代表元だいひょうげんによらず定義ていぎできない。実際じっさいH=eH=(12)H だが、H·gH代表元だいひょうげん e計算けいさんすると gH(12)計算けいさんすると (12)gH となる。もし両者りょうしゃひとしければ g-1(12)g=(23)H となるが、これは H={e,(12)}矛盾むじゅんする。つまり、非可換ひかかんぐんでは正規性せいきせい確認かくにん本質的ほんしつてきである。

9まとめ

部分群ぶぶんぐん N正規せいきであることは、剰余類じょうよるいせき代表元だいひょうげんによらずさだめ、剰余類じょうよるい集合しゅうごうぐん構造こうぞうれるための必要十分条件ひつようじゅうぶんじょうけんである。商群しょうぐんは、正規部分群せいきぶぶんぐんなかちがいをつぶしてのこ構造こうぞう方法ほうほうである。

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