4同型
群準同型 \varphi:G\to H が全単射であるとき、群同型という。このとき G と H は群として同じ構造を持つ。
G\cong H
と書く。
同型では、元の名前は変わる。演算表を文字通り同じ並びで保存するのではなく、行・列の見出しと各成分を \varphi で対応する元に置き換えると、二つの演算表は一致する。これは \varphi(ab)=\varphi(a)\varphi(b) そのものである。
その結果、単位元、逆元、部分群の包含関係、群の位数、および各元の位数などの群論的性質が保存される。
これらを確かめる。K\le G なら \varphi(K) は空でなく、a,b\in K に対して
\varphi(a)\varphi(b)^{-1}=\varphi(ab^{-1})\in\varphi(K)
なので、部分群判定法より \varphi(K)\le H である。逆に L\le H なら、逆像
\varphi^{-1}(L)=\{g\in G\mid\varphi(g)\in L\}
も同じ判定法で G の部分群になる。\varphi は全単射なので、K\mapsto\varphi(K) と L\mapsto\varphi^{-1}(L) は互いに逆であり、
K_1\subseteq K_2\quad\Longleftrightarrow\quad\varphi(K_1)\subseteq\varphi(K_2)
である。したがって部分群の包含関係が保存される。
また、全単射は G と H の元を一対一に対応させるので、|G|=|H| である。m\ge0 については、m=0 のときの \varphi(e_G)=e_H を出発点とし、
\varphi(g^{m+1})=\varphi(g^m g)=\varphi(g^m)\varphi(g)
を使う帰納法により \varphi(g^m)=\varphi(g)^m である。m=-n<0 なら、逆元の保存から
\varphi(g^{-n})=\varphi((g^{-1})^n)=\varphi(g^{-1})^n=\varphi(g)^{-n}
となる。したがって任意の m\in\mathbb Z について \varphi(g^m)=\varphi(g)^m であり、単射性から
g^m=e_G\quad\Longleftrightarrow\quad\varphi(g)^m=e_H
となる。よって g と \varphi(g) は、有限位数なら同じ最小の正の指数を持ち、そのような指数がなければどちらも無限位数である。