7計算補足:\mathbb Z/n\mathbb Z で [k] が生成する部分群
n\ge1、k\in\mathbb Z とする。有限群やその部分群の位数とは、その元の個数である。加法群 (\mathbb Z/n\mathbb Z,+) で [k] が生成する部分群の元は
[0],[k],[2k],[3k],\dots
である。この列が初めて [0] に戻る正の整数 m は、n\mid mk を満たす最小の m である。d=\gcd(n,k)、n=dn'、k=dk' と書くと \gcd(n',k')=1 であり、
n\mid mk\quad\Longleftrightarrow\quad n'\mid mk'\quad\Longleftrightarrow\quad n'\mid m
となる。最後の同値を確認する。\gcd(n',k')=1 なので、ベズーの等式 un'+vk'=1 を満たす整数 u,v がある。n'\mid mk' なら m=mun'+mvk' の右辺の両項を n' が割るので、n'\mid m である。逆向きは明らかである。したがって最小の m は n'=n/d である。
さらに、0\le i<j<m で [ik]=[jk] なら [(j-i)k]=[0] となり、0<j-i<m が m の最小性に矛盾する。よって [0],[k],\ldots,[(m-1)k] は相異なる。[mk]=[0] なのでその後は周期 m で繰り返す。したがって
|\langle[k]\rangle|=\frac{n}{d}
である。
たとえば \mathbb Z/12\mathbb Z で [8] を考えると、\gcd(12,8)=4 なので生成される部分群の位数は 12/4=3 である。実際、
\langle[8]\rangle=\{[0],[8],[4]\}
である。