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線型化と固有値判定の入口md 81037ec
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線型化せんけいか固有値判定こゆうちはんてい入口いりぐち

date2026-07-16document_iddoc_c561416d348dc4ede6fc98da2fc7fd43description非線型連立系を平衡点の近傍で線型化し、Jacobian の固有値で局所安定性を判定する入口である。prerequisites対角化・Jordan 形と連立系 / 固有値と固有ベクトル / 接平面・連鎖律・Jacobiantype講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/differential-equations/diagonalization-jordan-form-and-systems.lecture.n.md / data/lecture/math/differential-equations/phase-planes-and-stability.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/eigenvalues-and-eigenvectors.lecture.n.md / data/lecture/math/multivariable-calculus/tangent-planes-chain-rule-and-jacobian.lecture.n.md
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1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、非線型系ひせんけいけい平衡点へいこうてん近傍きんぼう一次近似いちじきんじ抽出ちゅうしゅつし、られた線型系せんけいけい固有値こゆうちから局所安定性きょくしょあんていせい判定はんていする。

2標準形ひょうじゅんけい

対象たいしょう

x=F(x)

である。平衡点へいこうてん x*F(x*)=0たすてんである。

本講義ほんこうぎでは F平衡点へいこうてん近傍きんぼうC1 きゅうである場合ばあいあつかう。したがって局所的きょくしょてきかい存在そんざい一意性いちいせい成立せいりつし、初期値しょきちからさだまるかいひとつの記号きごうあらわせる。

3安定性あんていせい定義ていぎ

時刻じこく t0固定こていし、そこからはじまるかいx(t;t0,x0)く。自律系じりつけいなので、以下いか性質せいしつt0えらかた依存いぞんしない。また、以下いか指定していする近傍きんぼう各初期値かくしょきちについて、かいがすべての t[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]t0存在そんざいすることも条件じょうけんふくめる。

平衡点へいこうてん x*Lyapunov 安定あんていLyapunov stableであるとは、任意にんいε>0たいしてある δ>0存在そんざいし、

x0-x*<δx(t;t0,x0)-x*<ε(t[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]t0)

となることである。これは「十分近じゅうぶんちかくから出発しゅっぱつしたかいが、そのあとちかくにとどまる」という条件じょうけんであり、x*収束しゅうそくすることまでは要求ようきゅうしない。

平衡点へいこうてん局所吸引的きょくしょきゅういんてきlocally attractiveであるとは、ある r>0存在そんざいし、

x0-x*<rx(t;t0,x0)x*(t)

となることである。Lyapunov 安定あんていかつ局所吸引的きょくしょきゅういんてきである平衡点へいこうてん局所漸近安定きょくしょぜんきんあんていlocally asymptotically stableという。不安定ふあんていとは Lyapunov 安定あんていでないことである。

さらに、Lyapunov 安定あんていであり、すべての初期値しょきちからのかいまえきに大域存在たいいきそんざいして x*収束しゅうそくするとき、大域漸近安定たいいきぜんきんあんていglobally asymptotically stableという。

Jordan 講義こうぎ確認かくにんしたとおり、線型系せんけいけいでは虚軸上きょじくじょう固有値こゆうちぞくする Jordan ブロックのおおきさがかい有界性ゆうかいせい決定けっていする。つぎに、この線型系せんけいけい判定はんてい非線型系ひせんけいけい平衡点近傍へいこうてんきんぼう適用てきようする。

4線型近似せんけいきんじ意義いぎ

非線型系ひせんけいけい厳密げんみつくことは困難こんなんである。しかし平衡点へいこうてん近傍きんぼうでは Taylor 展開てんかい一次項いちじこう支配的しはいてきになる。変数へんすう u=x-x*くと、

u=Au+r(u),A=DF(x*),r(u)u0(u0)

である。ここで DF(x*) は Jacobian 行列ぎょうれつである。C1 きゅうからしたがうのは、剰余じょうよ r(u)一次項いちじこうくらべて無視むしできるといううえ極限きょくげんである。O(u2) まで主張しゅちょうするには、さらにつよなめらかさが必要ひつようである。

Jacobian 行列ぎょうれつは、非線型写像ひせんけいしゃぞう F 全体ぜんたい線型写像せんけいしゃぞう同一視どういつしするものではない。平衡点へいこうてん x*固定こていしたとき、増分ぞうぶん u作用さようする線型写像せんけいしゃぞう

uDF(x*)u

抽出ちゅうしゅつするための行列ぎょうれつである。

data/lecture/math/multivariable-calculus/tangent-planes-chain-rule-and-jacobian.lecture.n.md

5固有値判定こゆうちはんてい

ここで適用てきようする定理ていりは、非線型系ひせんけいけい線型系せんけいけい完全かんぜん同一視どういつしする規則きそくではない。平衡点へいこうてん近傍きんぼうで、線型化せんけいか安定性あんていせいただしく判定はんていするための定理ていりである。

5.1まず線型系せんけいけい完全かんぜん判定はんていする

u=Au原点げんてんについては、Jordan 講義こうぎ時間発展じかんはってんからつぎしたがう。

  • すべての固有値こゆうちReλ<0たすことと、原点げんてん大域漸近安定たいいきぜんきんあんていであることは同値どうちである。
  • すべての固有値こゆうちReλ[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]0たし、虚軸上きょじくじょう固有値こゆうちぞくする Jordan ブロックがすべておおきさ 1 であることと、原点げんてんが Lyapunov 安定あんていであることは同値どうちである。
  • Reλ>0固有値こゆうちがあるか、虚軸上きょじくじょうおおきさ 2 以上いじょうの Jordan ブロックがあれば、原点げんてん不安定ふあんていである。

これは線型系せんけいけいそのものの完全かんぜん判定はんていである。つぎ定理ていりは、この判定はんていのうち符号ふごう境界きょうかいからはなれた部分ぶぶん非線型系ひせんけいけいうつす。

5.2線型化定理せんけいかていりかたち

右辺うへん F平衡点へいこうてん x*近傍きんぼうC1 きゅうであり、Jacobian 行列ぎょうれつ

A=DF(x*)

固有値こゆうち虚軸上きょじくじょう存在そんざいしないとする。このような平衡点へいこうてん双曲型そうきょくがたhyperbolicという。

この仮定かていのもとで、A固有値こゆうち実部じつぶがすべてなら、平衡点へいこうてん局所漸近安定きょくしょぜんきんあんていである。A実部じつぶせい固有値こゆうちふくむなら、平衡点へいこうてん不安定ふあんていである。

Aせい実部じつぶをもつ固有値こゆうちふくむなら、ほかに虚軸上きょじくじょう固有値こゆうちがあっても不安定ふあんてい判定はんていできる。せい実部じつぶをもつ固有値こゆうちがなく、実部じつぶ 0 の固有値こゆうちふく場合ばあいは、線型化せんけいかだけでは原則げんそくとして判定はんていできない。この境界例きょうかいれいでは剰余項じょうよこう本質ほんしつになる。

本講義ほんこうぎでは定理ていり厳密げんみつ証明しょうめいまではあつかわない。適用範囲てきようはんいは、平衡点へいこうてん局所的きょくしょてき安定あんてい不安定ふあんてい判定はんていである。

6具体例ぐたいれい 1:Jacobian を実際じっさい計算けいさんする

\begin{cases} x'=x(1-x-y),\\ y'=y(2-x-y) \end{cases}

平衡点へいこうてん確認かくにんすると、(0,0),(1,0),(0,2)られる。右辺うへんF1=x(1-x-y),F2=y(2-x-y) とおくと、Jacobian は

J(x,y)=(1-2x-y-x-y2-x-2y)

である。(1,0) では

J(1,0)=(-1-101)

となり、固有値こゆうち-1,1 である。せい固有値こゆうちふくむため、(1,0)不安定ふあんていである。線型化せんけいかは、平衡点へいこうてん近傍きんぼう一方向いちほうこうには接近せっきんし、別方向べつほうこうには離脱りだつする構造こうぞう抽出ちゅうしゅつしている。

7具体例ぐたいれい 2:線型化せんけいかだけで判定不能はんていふのう場合ばあい

x=x2

では x=0平衡点へいこうてんである。Jacobian に相当そうとうする導関数どうかんすう2x であり、x=0 では 0 となる。固有値こゆうち実部じつぶが 0 であるため、線型化せんけいか安定性あんていせい判定はんていしない。

しかし x(t)=x0/(1-x0(t-t0)) なので、x0>0 では有限時間ゆうげんじかん発散はっさんし、x=0 は Lyapunov 不安定ふあんていである。一方いっぽうx=-x3x=0おな線型化せんけいか u=0 をもつが、x(t)絶対値ぜったいち単調たんちょう減少げんしょうして 0 に収束しゅうそくするため、原点げんてん局所漸近安定きょくしょぜんきんあんていである。おな線型化せんけいかからぎゃく結論けつろんしょうじることが、境界例きょうかいれい剰余項じょうよこう調しらべる必要ひつようしめす。

8判定表はんていひょう

ここでは任意次元にんいじげん非線型系ひせんけいけいたいする結論けつろんだけをまとめる。結節点けっせつてん焦点しょうてん鞍点あんてんという二次元にじげん幾何分類きかぶんるいつぎ相平面そうへいめん講義こうぎあつかう。

Jacobian の固有値こゆうち非線型平衡点ひせんけいへいこうてん結論けつろん
実部じつぶがすべて局所漸近安定きょくしょぜんきんあんてい
せい実部じつぶを 1 つでもふく不安定ふあんてい
せい実部じつぶふくまず、実部じつぶ 0 をふく剰余項じょうよこう解析かいせき必要ひつよう

9適用範囲てきようはんい限界げんかい

線型化せんけいか平衡点へいこうてん近傍きんぼうでの局所理論きょくしょりろんである。遠方えんぽう挙動きょどう周期軌道しゅうききどう大域安定性たいいきあんていせいべつ解析かいせき必要ひつようとする。

また、線型化せんけいか有効ゆうこうであることは、非線型項ひせんけいこう無視むししてよいことを無条件むじょうけん意味いみしない。双曲型そうきょくがたでない平衡点へいこうてんでは、もと方程式ほうていしき保存量ほぞんりょう直接ちょくせつ解析かいせきする必要ひつようがある。

10まえ講義こうぎ

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11つぎ講義こうぎ

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12関連かんれんリンク

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