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相平面と安定性md d863683
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相平面そうへいめん安定性あんていせい

date2026-07-16document_iddoc_efefa171f5e771f785078c00a5185d6ddescription相平面と安定性を、平衡点・線型化・固有値分類から二次元連立系の局所挙動を判定する方法として整理する。prerequisites対角化・Jordan 形と連立系 / 線型化と固有値判定の入口 / 固有値と固有ベクトルtype講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/differential-equations/diagonalization-jordan-form-and-systems.lecture.n.md / data/lecture/math/differential-equations/linearization-and-eigenvalue-stability.lecture.n.md / data/exercise/math/differential-equations/systems-and-stability.exercise.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/eigenvalues-and-eigenvectors.lecture.n.md
mathdifferential-equationsstabilitylecture

1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、二次元にじげん連立系れんりつけい相平面そうへいめん表現ひょうげんし、平衡点へいこうてん周囲しゅうい軌道きどう固有値こゆうち分類ぶんるいする。

相平面そうへいめんphase planeとは、時刻じこくではなく状態じょうたい (x,y)座標ざひょうにした平面へいめんである。ひとつのかい (x(t),y(t))えがぞうを、時間じかんきをもつ軌道きどうorbitという。各点かくてん速度そくど F(x,y)対応たいおうさせたベクトルと、その軌道族きどうぞくをまとめたものが相図そうずphase portraitである。

2標準形ひょうじゅんけい

x=Ax

または非線型系ひせんけいけい x=F(x)あつかう。非線型系ひせんけいけいでは、まず平衡点へいこうてんもとめ、その近傍きんぼうで Jacobian による線型化せんけいかおこなう。

3実二次元線型系じつにじげんせんけいけい分類表ぶんるいひょう

このひょう双曲型そうきょくがた非零純虚共役対ひれいじゅんきょきょうやくついをまとめる。0 を固有値こゆうちにもつ場合ばあい表外ひょうがい境界例きょうかいれいであり、あとで Jordan 構造こうぞうまで確認かくにんする。

以下いかひょうx=Ax という正確せいかく線型系せんけいけい分類ぶんるいである。結節点けっせつてん固有方向こゆうほうこう沿って接近せっきんまたは離脱りだつするかた鞍点あんてん接近方向せっきんほうこう離脱方向りだつほうこうをともにもつかた焦点しょうてん回転かいてんしながら接近せっきんまたは離脱りだつするかた中心ちゅうしん閉軌道へいきどう平衡点へいこうてんかこかたである。

固有値こゆうちかた安定性あんていせい
λ1,λ2<0実数じっすう安定結節点あんていけっせつてん大域漸近安定たいいきぜんきんあんてい
λ1,λ2>0実数じっすう不安定結節点ふあんていけっせつてん不安定ふあんてい
符号ふごうことなる実数じっすう鞍点あんてん不安定ふあんてい
α±iβ,β0,α<0安定焦点あんていしょうてん大域漸近安定たいいきぜんきんあんてい
α±iβ,β0,α>0不安定焦点ふあんていしょうてん不安定ふあんてい
±iβ,β0中心ちゅうしんLyapunov 安定あんていだが非吸引的ひきゅういんてき

実固有値じつこゆうち重複ちょうふくするときは、固有空間こゆうくうかん次元じげん、すなわち Jordan ブロックを確認かくにんする。たとえば -I(-110-1) はともに大域漸近安定たいいきぜんきんあんていだが、前者ぜんしゃはすべての方向ほうこう固有方向こゆうほうこうであり、後者こうしゃ軌道きどうには te-tあらわれる。実部じつぶが 0 からはなれていれば Jordan 構造こうぞうおも軌道形状きどうけいじょう変化へんかさせるが、虚軸上きょじくじょうでは Jordan ブロックのおおきさが Lyapunov 安定性あんていせいそのものも決定けっていする。

0 が固有値こゆうちなら kerA{0} であり、原点げんてん孤立こりつせず、kerA 全体ぜんたい平衡点集合へいこうてんしゅうごうをなす。さらに、0 にぞくする Jordan ブロックのおおきさが 2 以上いじょうなら、t多項式たこうしきとして増大ぞうだいする非有界方向ひゆうかいほうこうあらわれる。

4固有値こゆうちによる分類ぶんるい根拠こんきょ

行列指数関数ぎょうれつしすうかんすうは、固有値こゆうち実部じつぶにより指数成長しすうせいちょうまたは指数減衰しすうげんすいしょうじさせる。複素固有値ふくそこゆうち虚部きょぶ回転成分かいてんせいぶんしょうじさせる。ただし軌道形状きどうけいじょう図示ずしするには、固有方向こゆうほうこうと Jordan 構造こうぞう必要ひつようである。

5判定手順はんていてじゅん

相平面そうへいめんでは、図示ずし先行せんこうさせず、平衡点へいこうてん線型化せんけいかさき確認かくにんする。

  1. F(x)=0き、平衡点へいこうてんもとめる。
  2. 線型系せんけいけいなら係数行列けいすうぎょうれつ A非線型系ひせんけいけいなら平衡点へいこうてんでの Jacobian 行列ぎょうれつJacobian matrix DF確認かくにんする。
  3. 固有値こゆうち実部じつぶ虚部きょぶから安定性あんていせい判定はんていし、実固有値じつこゆうちでは固有方向こゆうほうこうと Jordan 構造こうぞう複素固有値ふくそこゆうちではベクトルから回転方向かいてんほうこう確認かくにんする。
  4. 矢印やじるし時間じかんきにけ、平衡点へいこうてん接近せっきんするか離脱りだつするかを定義ていぎ照合しょうごうする。
  5. 非線型系ひせんけいけいせい実部じつぶがなく実部じつぶ 0 をふく場合ばあいは、線型化せんけいかだけで結論けつろん確定かくていしない。線型系せんけいけいそのものなら Jordan 構造こうぞうまで解析かいせきして判定はんていする。

この順序じゅんじょ採用さいようする理由りゆうは、相平面そうへいめん軌道きどう局所的きょくしょてきには線型写像せんけいしゃぞう作用さよう近似きんじされるためである。図示ずし結論けつろん代用だいようではなく、固有値判定こゆうちはんてい視覚化しかくかする補助ほじょである。

6具体例ぐたいれい 1:結節点けっせつてん鞍点あんてん

x=(-100-2)x

では固有値こゆうち-1,-2 であり、安定結節点あんていけっせつてんである。

x=(0110)x

では固有値こゆうち1,-1 であり、鞍点あんてんである。

鞍点あんてんでは、安定固有方向あんていこゆうほうこう沿って原点げんてん接近せっきんするかいもある。しかし任意にんい近傍きんぼうに、不安定固有方向ふあんていこゆうほうこう離脱りだつする初期値しょきちがあるので、平衡点へいこうてんは Lyapunov 不安定ふあんていである。

7具体例ぐたいれい 2:安定焦点あんていしょうてん

x=(-1-22-1)x

では固有値こゆうち-1±2i である。実部じつぶであるため半径はんけい指数的しすうてき減衰げんすいし、虚部きょぶ非零ひれいであるため軌道きどう回転かいてんする。てん (1,0) における速度そくど(-1,2) であり、上向うわむきの成分せいぶんをもつため、軌道きどう反時計回はんとけいまわりに回転かいてんする。したがって原点げんてん反時計回はんとけいまわりの安定焦点あんていしょうてんである。

このれいでは、固有値こゆうち実部じつぶ虚部きょぶ別々べつべつ役割やくわり担当たんとうする。実部じつぶ原点げんてん接近せっきんするかを決定けっていし、虚部きょぶ回転かいてん有無うむ決定けっていする。ただし、回転方向かいてんほうこう虚部きょぶ符号ふごうだけでは決定けっていできず、行列ぎょうれつまたはベクトルから判定はんていする。

8具体例ぐたいれい 3:非線型系ひせんけいけい線型化せんけいかする

\begin{cases} x'=x-x^2,\\ y'=-y \end{cases}

かんがえる。平衡点へいこうてん(0,0)(1,0) である。右辺うへんF(x,y)=(x-x2,-y) とおくと、

DF(x,y)=(1-2x00-1)

である。(0,0)線型化せんけいか固有値こゆうち 1,-1 をもつ鞍点あんてんなので、もと平衡点へいこうてん不安定ふあんていである。(1,0)線型化せんけいか固有値こゆうち -1,-1 をもつ安定結節点あんていけっせつてんなので、もと平衡点へいこうてん局所漸近安定きょくしょぜんきんあんていである。

このれい要点ようてんは、非線型系ひせんけいけい全域ぜんいき線型系せんけいけい同一視どういつしせず、各平衡点かくへいこうてん近傍きんぼうごとに別々べつべつ線型近似せんけいきんじ構成こうせいするてんにある。

9適用範囲てきようはんい限界げんかい

非線型系ひせんけいけいでは、線型化せんけいか平衡点近傍へいこうてんきんぼう局所情報きょくしょじょうほうである。せい実部じつぶをもつ固有値こゆうちがなく、実部じつぶ 0 をふく場合ばあいは、線型化せんけいかだけでは判定はんていできない。中心型ちゅうしんがた分類ぶんるいされる線型化せんけいかでも、非線型項ひせんけいこうにより安定あんていまたは不安定ふあんていになる場合ばあいがある。

一方いっぽう線型系せんけいけいそのものでは虚軸上きょじくじょうの Jordan ブロックまでふくめて完全かんぜん判定はんていできる。この二層にそう混同こんどうしないことが相図そうず適切てきせつ判読はんどくする要点ようてんである。

ここまで自律系じりつけい状態空間じょうたいくうかんにおける軌道きどうあつかった。つぎ講義こうぎでは解析対象かいせきたいしょう時間軸上じかんじくじょう外力応答がいりょくおうとううつし、ステップ入力にゅうりょく・インパルス入力にゅうりょくをもつ線型方程式せんけいほうていしきあつかう。これは相平面理論そうへいめんりろん直接的ちょくせつてき続編ぞくへんではなく、常微分方程式解析じょうびぶんほうていしきかいせき別系列べつけいれつへの移行いこうである。

10演習えんしゅうリンク

data/exercise/math/differential-equations/systems-and-stability.exercise.n.md

11まえ講義こうぎ

data/lecture/math/differential-equations/linearization-and-eigenvalue-stability.lecture.n.md

12つぎ講義こうぎ

data/lecture/math/differential-equations/step-functions-delta-functions-and-convolution.lecture.n.md
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