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Laplacian と物理応用md d8d0a7e
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Laplacian と物理応用ぶつりおうよう

date2026-07-15document_iddoc_ed20f0ae09615c4bc0a22c581572f5b3descriptionLaplacian とベクトル解析の恒等式を、熱伝導・波動・ポテンシャル論への接続として整理する。prerequisites勾配・発散・回転 / Green・Gauss・Stokes の定理type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/vector-calculus/vector-calculus-portal.lecture.n.md / data/lecture/math/vector-calculus/green-gauss-and-stokes-theorems.lecture.n.md / data/lecture/math/partial-differential-equations/heat-wave-and-laplace-equations.lecture.n.md / data/lecture/physics/waves/wave-equation-basics.lecture.n.md
mathvector-calculuslaplacianlecture

1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、Laplacian が局所平均きょくしょへいきんからの偏差へんさ特徴とくちょうづけ、拡散かくさん波動はどう・ポテンシャルを記述きじゅつする中心的ちゅうしんてき演算子えんざんしであることを説明せつめいする。

2用語ようご定義ていぎ

ΩRn開集合かいしゅうごうとする。LaplacianLaplacian は、fC2(Ω) であるスカラーたいして

Δf=·f

定義ていぎされる二階線形微分演算子にかいせんけいびぶんえんざんしである。Rn直交座標ちょっこうざひょうでは

Δf=i=1n2fxi2

となる。以下いかでは Euclidean 空間くうかんのスカラー Laplacian をあつかう。前講義ぜんこうぎでは Gauss の発散定理はっさんていりから、Δu体積積分たいせきせきぶん勾配こうばい u外向そとむ境界流束きょうかいりゅうそくひとしいことを確認かくにんした。この講義こうぎでは、その局所的きょくしょてき意味いみ平均値へいきんちとの関係かんけいから解説かいせつする。

3方針ほうしん

Laplacian は、一点いってんあたいと、そのてんかこ小球面しょうきゅうめんでの平均へいきんとの偏差へんさ主要項しゅようこうあたえる。この関係かんけいを Taylor 展開てんかい導出どうしゅつしてから、熱方程式ねつほうていしき波動方程式はどうほうていしき・Laplace 方程式ほうていしき・Poisson 方程式ほうていしき接続せつぞくする。

4局所平均きょくしょへいきんからの

fC2(Ω)xΩ とし、x中心ちゅうしんとする半径はんけい r閉球へいきゅうΩふくまれるとする。その境界球面きょうかいきゅうめんBr(x)き、球面積きゅうめんせき正規化せいきかした球面平均きゅうめんへいきん

Mrf(x)=1|Br(x)|Br(x)fdS

定義ていぎする。r0 で Taylor 展開てんかいすると、

Mrf(x)=f(x)+r22nΔf(x)+o(r2)

る。ここで o(r2) は、r0o(r2)/r20たす剰余項じょうよこうあらわす。一次いちじこう二階偏導関数行列にかいへんびぶんかんすうぎょうれつ Hessian の非対角項ひたいかくこう球面上きゅうめんじょう対称性たいしょうせい平均へいきんが 0 になり、対角項たいかくこうだけが Laplacian としてのこる。

したがって Δf(x)>0 なら、主要項しゅようこう剰余項じょうよこう支配しはいする十分小じゅうぶんちいさい rたいして、周囲しゅうい平均へいきん中心ちゅうしんあたいよりたかい。Δf(x)<0 ならぎゃくである。ただし、一点いってんΔf(x)=0 というだけでは、有限半径ゆうげんはんけい平均へいきんf(x)ひとしいとはかぎらない。

一次元いちじげんでは、Laplacian は二階微分にかいびぶんそのものであり、グラフの局所的きょくしょてき凹凸おうとつ特徴とくちょうづける。高次元こうじげんでは、たがいに直交ちょっこうする方向ほうこう二階変化にかいへんか合計ごうけいする。

Δf=0BR(x)_近傍きんぼう成立せいりつするとする。球面平均きゅうめんへいきん単位球面たんいきゅうめん Sn-1 じょう積分せきぶんとして微分びぶんし、Gauss の発散定理はっさんていり適用てきようすると、0<r<R

ddrMrf(x)=1|Sn-1|rn-1Br(x)f·ndS=1|Sn-1|rn-1Br(x)ΔfdV=0

となる。したがって Mrf(x)r依存いぞんせず、r0Mrf(x)f(x) であるため、すべての 0<r<R において Mrf(x)=f(x)成立せいりつする。これが調和関数ちょうわかんすう平均値性質へいきんちせいしつである。

5代表例だいひょうれい

以下いかでは、均質きんしつ等方とうほう定係数ていけいすうもっと単純たんじゅん古典こてんモデルと十分滑じゅうぶんなめらかな古典解こてんかいかんがえる。熱方程式ねつほうていしきでは空間くうかんについて C2時間じかんについて C1波動方程式はどうほうていしきでは空間くうかん時間じかんについて C2、Laplace・Poisson 方程式ほうていしきでは空間くうかんについて C2仮定かていする。

熱拡散率ねつかくさんりつ κ>0熱方程式ねつほうていしき

ut=κΔu

であり、温度おんど周囲しゅういとのならすように変化へんかすることをあらわす。

Laplace 方程式ほうていしき

Δu=0

は、内部ないぶみなもとのない平衡状態へいこうじょうたいあらわす。このかい調和関数ちょうわかんすうである。

方程式ほうていしきLaplacian の役割やくわり
熱方程式ねつほうていしき ut=κΔu周囲しゅういとのならして温度おんど拡散かくさんさせる
波動方程式はどうほうていしき utt=c2Δu空間的くうかんてき張力ちょうりょくがりを加速度かそくど変換へんかんする
Poisson 方程式ほうていしき -Δu=fここではこの符号規約ふごうきやく採用さいようし、みなもと f からポテンシャルを決定けっていする
Laplace 方程式ほうていしき Δu=0みなもとのない平衡へいこうあらわ

6調和関数ちょうわかんすうれい

u(x,y)=x2-y2 では uxx=2uyy=-2 であるため、Δu=0 である。このような関数かんすう調和関数ちょうわかんすうという。この関数かんすうは、その定義域内ていぎいきない閉包へいほうふくまれるすべてのきゅう平均値性質へいきんちせいしつたす。

べつれいとして u(x,y)=logx2+y2 は、原点げんてんのぞ領域りょういき調和ちょうわである。ただし原点げんてん特異点とくいてんがあるため、領域りょういき指定していせずに全平面ぜんへいめん調和関数ちょうわかんすうとしてあつかってはならない。このれいは Green 関数かんすう基本解きほんかいへの入口いりぐちになる。

7座標系ざひょうけいによるしき変化へんか

二次元にじげん直交座標ちょっこうざひょうでは Δf=fxx+fyy である。r>0極座標きょくざひょうでは

Δf=frr+1rfr+1r2fθθ

となる。このしきx=rcosθy=rsinθ連鎖律れんさりつ適用てきようし、fxx+fyy整理せいりして導出どうしゅつできる。r=0 では極座標きょくざひょうそのものが特異とくいなので、この表示ひょうじをそのまま代入だいにゅうしない。おなじ Euclidean Laplacian でも座標表示ざひょうひょうじ変化へんかし、1/r などのこう座標変換ざひょうへんかん結果けっかとしてあらわれる。

8単位たんい確認かくにん

熱方程式ねつほうていしきu単位たんいKながさの単位たんいm とすると、Δu単位たんいK/m2 である。κ単位たんいm2/s なら、κΔuK/s となり、ut一致いっちする。

9混同こんどうしやすいてん

scalar Laplacian はスカラー作用さようする。R3直交座標ちょっこうざひょうでは、C2 きゅうベクトル F の vector Laplacian を各成分かくせいぶんへスカラー Laplacian を作用さようさせて定義ていぎでき、

ΔF=(·F)-×(×F)

成立せいりつする。右辺うへん各成分かくせいぶん展開てんかいすると混合偏微分こんごうへんびぶんこう相殺そうさいし、ΔFi だけがのこる。曲線座標きょくせんざひょうで「表示成分ひょうじせいぶん単純たんじゅん二階微分にかいびぶんする」だけでは、基底きてい変化へんかとすためおな演算子えんざんしにならない。

10どこまで成立せいりつするか

ここであつかったのは Euclidean 空間くうかんの Laplacian と均質きんしつ等方とうほう定係数ていけいすうモデルである。不均質ふきんしつまたは異方的いほうてき媒質ばいしつでは、たとえば ·(A(x)u) のような可変係数演算子かへんけいすうえんざんしあらわれる。一般いっぱんの Riemann 多様体たようたいでは計量けいりょうからさだまる Laplace--Beltrami 演算子えんざんしもちいる。また、平均値性質へいきんちせいしつ一点いってんΔf=0 からではなく、きゅうふく領域りょういきでの調和性ちょうわせいからられる。

11関連かんれんリンク

data/lecture/math/partial-differential-equations/heat-wave-and-laplace-equations.lecture.n.md data/lecture/math/vector-calculus/green-gauss-and-stokes-theorems.lecture.n.md data/lecture/math/vector-calculus/vector-calculus-portal.lecture.n.md data/lecture/physics/waves/wave-equation-basics.lecture.n.md
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