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剰余の定理と因数定理md 3731e54
lecture/math/algebra/remainder-and-factor-theorems.lecture.n.md
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剰余の定理と因数定理
mathalgebrapolynomialfactor-theoremlecture
1導入
この講義では、多項式の関数値に注目し、割り算の余りと代入が結びつくことを説明する。
たとえば P(x) を x-a で割った余りを知りたいとする。このとき、長い割り算をする前に x=a を入れてみる。理由は、x=a では x-a=0 になり、商に掛かった部分が消えるからである。
この発想が剰余の定理であり、その特別な場合が因数定理である。
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2用語と定義
2.1剰余
多項式 P(x) を x-a で割るとは、
P(x)=(x-a)Q(x)+r
と書くことである。ここで Q(x) は商、r は余りである。x-a は 1 次なので、余りは定数になる。
2.2根と因数
P(a)=0 を満たす a を P の根という。また、P(x)=(x-a)Q(x) と書けるとき、x-a は P(x) の因数である。
3なぜ x=a を代入するのか
割り算の形
P(x)=(x-a)Q(x)+r
を見ると、x=a を入れたとき
P(a)=(a-a)Q(a)+r=r
となる。つまり x=a は、商の部分を消して余りだけを残す値である。
このため、x-a で割る問題では x=a を代入する方針が自然に出る。
4定理 1:剰余の定理
4.1仮定
P(x) を多項式とし、P(x) を x-a で割った余りを r とする。
4.2結論
\boxed{r=P(a)}
である。
4.3証明
多項式の割り算により、
P(x)=(x-a)Q(x)+r
と書ける。ここで Q(x) は多項式、r は定数である。
両辺に x=a を代入すると、
P(a)=(a-a)Q(a)+r=r
である。したがって r=P(a) である。□
5定理 2:因数定理
5.1仮定
P(x) を多項式とする。
5.2結論
\boxed{x-a\text{ が }P(x)\text{ の因数}}
\quad\Longleftrightarrow\quad
\boxed{P(a)=0}
である。
5.3証明
まず、x-a が P(x) の因数なら、
P(x)=(x-a)Q(x)
と書ける。x=a を代入すると
P(a)=(a-a)Q(a)=0
である。
逆に、P(a)=0 とする。剰余の定理より、P(x) を x-a で割った余りは P(a) である。したがって余りは 0 であり、
P(x)=(x-a)Q(x)
と書ける。よって x-a は P(x) の因数である。□
6例:P(x)=x^3-4x^2+x+6
x-2 が因数かを調べるには、P(2) を計算する。
P(2)=8-16+2+6=0
したがって因数定理より、x-2 は因数である。
さらに割り算をすると、
P(x)=(x-2)(x^2-2x-3)=(x-2)(x-3)(x+1)
である。
7見分け方
| 見た形 | 方針 | 理由 |
| x-a で割る | x=a を代入 | x-a が 0 になり余りだけ残る |
| P(a)=0 が分かる | x-a を因数にする | 因数定理 |
| 因数分解したい | まず根の候補を試す | 根は一次因数を与える |
8一言でいうと
x-a で割る余りは、x=a を入れた値である。だから P(a)=0 は、x-a が因数であることと同じである。