2用語と定義
多項式 とは、a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots+a_0 のように、x の非負の整数乗だけで作られる式である。
最初は 1 変数の多項式で考えるが、同じ考え方は複数の変数にも広がる。たとえば
2x^2y+3xy^2-y+1
は x,y の多項式である。多変数の多項式は、
c\,x_1^{a_1}x_2^{a_2}\cdots x_m^{a_m}
の形の単項式を有限個足したものである。ここで a_1,\ldots,a_m は非負の整数である。後の同次関数と同次式では、この多変数の多項式を使う。
根 または 解 とは、P(\alpha)=0 を満たす数 \alpha のことである。
因数 とは、ある多項式を割り切る式である。P(x)=(x-\alpha)Q(x) と書けるなら、x-\alpha は因数である。
5厳密な説明
5.11. 根と因数の対応
P(\alpha)=0
なら、P(x) は x-\alpha で割り切れる。したがって
\boxed{P(\alpha)=0 \ \Rightarrow\ P(x)=(x-\alpha)Q(x)}
である。
たとえば P(x)=x^2-5x+6 では
P(2)=0,\qquad P(3)=0
なので
P(x)=(x-2)(x-3)
と因数分解できる。
5.22. 係数と解のつながり
二次式
ax^2+bx+c
が
a(x-\alpha)(x-\beta)
と書けるとする。これを展開すると
a(x-\alpha)(x-\beta)=a\left(x^2-(\alpha+\beta)x+\alpha\beta\right)
である。したがって係数比較により
\boxed{\alpha+\beta=-\frac{b}{a}},\qquad \boxed{\alpha\beta=\frac{c}{a}}
を得る。
5.33. 別の説明
対称式の立場から見ると、ここで見えているのは個々の解そのものではなく、\alpha+\beta と \alpha\beta である。つまり係数は、解を 1 つずつ記録しているのではなく、入れ替えに依存しない量を記録している。
7最終形
多項式では、まず
\boxed{P(\alpha)=0 \ \Rightarrow\ x-\alpha \text{ が因数になる}}
が出発点である。
二次式 ax^2+bx+c の解を \alpha,\beta とすると
\boxed{\alpha+\beta=-\frac{b}{a}},\qquad \boxed{\alpha\beta=\frac{c}{a}}
である。