対称式
導入
対称式で最重要なのは、文字を入れ替えても変わらない量だけを主役にすると、式の整理が一気に楽になることです。
用語と定義
対称式 とは、変数を入れ替えても値が変わらない式です。
2 変数では、f(x,y)=f(y,x) なら f は対称式です。
基本対称式 は、2 変数では x+y と xy です。
方針
対称式では、文字の名前に依存しない量へ書き換えます。2 変数なら、その代表が x+y と xy です。
直感的な説明
1. なぜ和と積を見るのか
x と y を交換しても、x+y と xy は変わりません。つまり、この 2 つは「どちらを 1 番目の解と呼ぶか」に左右されない量です。
2. いろいろな見方
式を整理するための基準として使う
係数に現れるのは、解そのものではなく和と積
複雑な式を s=x+y,\ p=xy に置き換えると短くなる
厳密な説明
1. 対称式の確認
x+y は交換すると
y+x=x+y
です。また xy は
yx=xy
です。したがって、どちらも対称式です。
一方で x-y は交換すると
y-x=-(x-y)
となるので、一般には対称式ではありません。
2. 基本対称式で書き直す
たとえば
x^2+y^2=(x+y)^2-2xy
です。ここで s=x+y,\ p=xy とおけば
x^2+y^2=s^2-2p
となります。同様に
x^3+y^3=(x+y)^3-3xy(x+y)=s^3-3ps
です。
3. 方程式とのつながり
x,\ y を
t^2-St+P=0
の 2 つの解とします。すると
t^2-St+P=(t-x)(t-y)
であり、展開すると
t^2-(x+y)t+xy
です。したがって
S=x+y,\qquad P=xy
を得ます。
4. 別の説明
多項式の立場では、解を入れ替えても同じ方程式です。だから係数が記録しているのも、入れ替えで変わらない情報です。ここで対称式が自然に現れます。
どこまで成り立つか
2 変数では x+y と xy が主役ですが、3 変数、4 変数と増えると基本対称式も増えます。
最終形
2 変数では
\boxed{s=x+y,\qquad p=xy}
を作るのが基本です。
たとえば
\boxed{x^2+y^2=s^2-2p},\qquad \boxed{x^3+y^3=s^3-3ps}
です。
一言でいうと
- 入れ替えても変わらない量を先に見ます。
- 2 変数なら、まず x+y と xy です。
- 対称式は、多項式の係数と解をつなぐ言葉です。