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ジューコフスキー変換-講義md 03c101e
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ジューコフスキー変換へんかん-講義こうぎ

date2026-07-14document_iddoc_9d85a61abcddc6aece637094a1acb9fddescriptionジューコフスキー変換を、円と翼型の外部領域を往復する写像として説明し、臨界点が非退化条件の下で尖点を生む理由まで導出する講義である。prerequisites複素解析の入口 / 複素数と複素平面 / テイラー展開とマクローリン展開type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/analysis/introduction-to-complex-analysis.lecture.n.md / data/lecture/math/analysis/complex-integration-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/algebra/complex-numbers-and-complex-plane.lecture.n.md / data/lecture/math/analysis/analysis-portal.lecture.n.md
mathanalysiscomplex-analysisundergraduatelecture

1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、ジューコフスキー変換へんかん公式こうしきとして暗記あんきするのでなく、えん外部がいぶというきやすい領域りょういきを、翼型よくがた外部がいぶという工学的こうがくてき重要じゅうよう領域りょういきうつすための写像しゃぞうとして理解りかいすることにある。

複素解析ふくそかいせきでは、複雑ふくざつ領域りょういきをそのままあつかうのではなく、逆写像ぎゃくしゃぞう標準領域ひょうじゅんりょういきうつし、そこで計算けいさんした結果けっかもと領域りょういきもど発想はっそう重要じゅうようである。ジューコフスキー変換へんかん Jえん外部がいぶ D翼型よくがた外部がいぶ Ω=J(D)うつすなら、J-1Ω から Dもどって計算けいさんし、Jとおして結果けっか解釈かいしゃくする。この往復おうふく幾何きか流体力学りゅうたいりきがく接続せつぞくする代表例だいひょうれいである。

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2用語ようご定義ていぎ

ジューコフスキー変換へんかんとは、典型的てんけいてきには

J(z)=z+1z

定義ていぎされる複素関数ふくそかんすうである。文献ぶんけんによっては

ζ=12(z+1z)

もちいる。係数けいすう 12全体ぜんたい拡大縮小かくだいしゅくしょうえるだけであり、写像しゃぞう本質ほんしつ同一どういつである。

等角写像とうかくしゃぞうConformal map とは、局所的きょくしょてき角度かくどたも写像しゃぞうである。正則せいそくかつ導関数どうかんすうが 0 でないてんでは、複素関数ふくそかんすう等角写像とうかくしゃぞうとして作用さようする。

3方針ほうしん

考察こうさつする順序じゅんじょつぎとおりである。

  1. J(z)=z+1zえんをどう変形へんけいするかを計算けいさんする
  2. 導関数どうかんすう J(z) から、等角性とうかくせいこわれるてん確認かくにんする
  3. 中心ちゅうしんをずらしたえん臨界点りんかいてんとおすとき、どの非退化条件ひたいかじょうけん通常つうじょう尖点せんてん発生はっせいするかを局所展開きょくしょてんかい確認かくにんする
  4. 円柱えんちゅうまわりのながれを翼型よくがたまわりのながれへうつ構造こうぞう整理せいりする

4直感的ちょっかんてき説明せつめい

z1zかたちは、てん z と、その反転はんてん 1z同時どうじ参照さんしょうするかたちである。半径はんけい rえんz=reiθあらわすと、1z=1re-iθ であるから、半径はんけい情報じょうほう角度かくど情報じょうほう反対向はんたいむきにざる。

この混合こんごうにより、円周えんしゅう楕円だえんうつる。単位円たんいえんだけは特別とくべつで、上下方向じょうげほうこう成分せいぶん相殺そうさいされ、実軸じつじく線分せんぶんつぶれる。

さらに中心ちゅうしん適切てきせつにずらしたえん使つかうと、ぞう楕円だえんから非対称ひたいしょうかたち変化へんかする。そのえんz=1とおり、あとべる非退化条件ひたいかじょうけんたすと、導関数どうかんすうが 0 になるてん境界きょうかい二枝にしおな接線方向せっせんほうこう到達とうたつし、ぞう通常つうじょう尖点せんてんあらわれる。これがつばさ後縁こうえん表現ひょうげんする数学的すうがくてき機構きこうである。

5厳密げんみつ説明せつめい

5.11. えん楕円だえんうつ計算けいさん

z=reiθく。ただし r>0 とする。このとき

J(z)=reiθ+1re-iθ

である。オイラーの公式こうしきから eiθ=cosθ+isinθe-iθ=cosθ-isinθ なので、

J(z)=(r+1r)cosθ+i(r-1r)sinθ

となる。ぞう実部じつぶx虚部きょぶyけば、

x=(r+1r)cosθ,y=(r-1r)sinθ

である。したがって r1 では

x2(r+1r)2+y2(r-1r)2=1

る。これは楕円だえん方程式ほうていしきである。

r=1 のときは y=0 となり、x=2cosθ であるから、単位円たんいえん実軸じつじく線分せんぶん [-2,2]うつる。

5.22. 等角性とうかくせいこわれるてん

J導関数どうかんすう

J(z)=1-1z2

である。したがって

J(z)=0z2=1z=±1

となる。z=0 では J そのものが定義ていぎされないため、除外じょがいする。結論けつろんとして、z=0,±1けた領域りょういきでは、J局所的きょくしょてき等角写像とうかくしゃぞうとして作用さようする。

5.33. 臨界点りんかいてん通常つうじょう尖点せんてん条件じょうけん

z=1とおる 4 かい連続微分可能れんぞくびぶんかのう境界曲線きょうかいきょくせん実数じっすう tγ(t)あらわし、γ(0)=1a=γ(0)0 とする。このとき

γ(t)=1+at+γ'(0)2t2+O(t3)

である。一方いっぽうz=1+εけば

J(1+ε)=2+ε2-ε3+O(ε4)

なので、代入だいにゅうして

J(γ(t))=2+At2+Bt3+O(t4),
A=a2,B=aγ'(0)-a3

る。A0 なので像曲線ぞうきょくせん一次速度いちじそくどは 0 になり、t>0 がわt<0 がわおな接線方向せっせんほうこう到達とうたつする。しかし、これだけでは通常つうじょう尖点せんてんになるとはかぎらない。

AB複素平面ふくそへいめんことなる実方向じつほうこうく、すなわち

Im(A_B)0

のとき、平行移動へいこういどう回転かいてん拡大縮小かくだいしゅくしょうあと局所形きょくしょけい

x=t2+O(t3),y=ct3+O(t4)(c0)

となる。これが通常つうじょう半三次尖点はんさんじせんてんsemicubical cuspである。同値どうち非退化条件ひたいかじょうけん

Im(γ'(0)γ(0)-γ(0))0

である。

中心ちゅうしん cえんが 1 をとおるとき、γ(t)=c+(1-c)eitける。この場合ばあいB/A=ic なので、Rec0 なら 1 のぞう通常つうじょう尖点せんてんしょうじる。たいして単位円たんいえんでは c=0 であり、

J(eit)=2cost=2-t2+t412+O(t6)

となる。三次さんじ横方向成分よこほうこうせいぶんがなく、単位円たんいえん全体ぜんたい線分せんぶん [-2,2]かさなってつぶれる。したがって「えん臨界点りんかいてんとおる」ことはとがりをつく機構きこうだが、通常つうじょう尖点せんてん保証ほしょうするには非退化条件ひたいかじょうけん必要ひつようである。

5.44. 大域的たいいきてきには 1 たい 1 でない

J には

J(z)=J(1z)

という対称性たいしょうせいがある。したがって、全平面ぜんへいめんから 0のぞいた領域りょういきで 1 たい 1 にはならない。

実際じっさいz,u0たいして

J(z)=J(u)(z-u)(zu-1)=0

なので、ことなる 2 てんおなぞうつのは u=1/z のときにかぎる。したがって、制限せいげんする領域りょういき Dことなる逆数対ぎゃくすうついふくまないことを確認かくにんしなければならない。

たとえば D={|z|>1} では 1/zD なので J単射たんしゃであり、J:DC[-2,2]正則せいそく逆写像ぎゃくしゃぞう等角写像とうかくしゃぞうになる。逆写像ぎゃくしゃぞうもとめると

w=z+1zz2-wz+1=0

なので、

z=w±w2-42

る。|z|>1対応たいおうするのは、無限遠むげんえんz(w)w となる

z(w)=w+w2-42

えだである。平方根へいほうこんC[-2,2] でこの漸近条件ぜんきんじょうけんたすようにえらぶ。中心ちゅうしんをずらしたえん外部がいぶ使つか場合ばあいには単射性たんしゃせい自動的じどうてきではない。対象領域たいしょうりょういきことなる逆数対ぎゃくすうついがないことと、境界きょうかい臨界点りんかいてん以外いがいぞうかさならないことを別途べっと確認かくにんする。

6具体例ぐたいれい

えん |z|=2かんがえる。このとき r=2 なので、

x=52cosθ,y=32sinθ

である。したがってぞう

x2(5/2)2+y2(3/2)2=1

という楕円だえんになる。半径はんけいが 1 からはなれるほど、縦方向たてほうこうつぶれがよわまり、楕円だえんとしてのあつみがす。

7べつ観点かんてん

7.1幾何的きかてき観点かんてん

ジューコフスキー変換へんかんは、えん放射線ほうしゃせんからなる極座標きょくざひょう曲線族きょくせんぞくを、楕円だえん双曲線そうきょくせん曲線族きょくせんぞくうつ変換へんかんとして理解りかいできる。この観点かんてんでは、しき z+1z図形ずけいえる装置そうちである。

7.2複素関数的ふくそかんすうてき観点かんてん

J(z)=0 となるてんでは、正則写像せいそくしゃぞう局所的きょくしょてき回転かいてん拡大かくだいとして作用さようするという性質せいしつ破綻はたんする。この破綻はたん境界きょうかい配置はいちすることで、なめらかなえんからとがった境界きょうかい生成せいせいできる。

7.3流体力学りゅうたいりきがくへの接続せつぞく

二次元にじげん非圧縮ひあっしゅく非粘性ひねんせいうずなしのながれでは、速度そくどポテンシャルと流線関数りゅうせんかんすうわせた複素ふくそポテンシャルをもちいることができる。このとき、円柱えんちゅうまわりの既知きちながれを、等角写像とうかくしゃぞう翼型よくがたまわりのながれへうつ戦略せんりゃく成立せいりつする。

えん外部領域がいぶりょういき D複素ふくそポテンシャルを F(z)翼型外部よくがたがいぶΩ=J(D) とする。J:DΩ単射たんしゃ逆写像ぎゃくしゃぞうえらべるとき、翼型面よくがためんてん w におけるポテンシャルは

W(w)=F(J-1(w))

である。つまり、J-1きやすいえん外部がいぶもどり、そこでもとめたかいJぞうとして解釈かいしゃくする。複素速度ふくそそくど対応たいおうする導関数どうかんすうは、w=J(z)たいして連鎖律れんさりつより

W(w)=F(z)J(z)

となる。後縁こうえん対応たいおうする z=1 では J(1)=0 なので、速度そくど有限ゆうげんたもつには F(z)おな程度ていどで 0 になって分母ぶんぼ零点れいてん相殺そうさいする条件じょうけん必要ひつようになる。これは循環じゅんかんえらぶクッタ条件じょうけんへつながるが、ここでは写像しゃぞうだけではながれの境界条件きょうかいじょうけんまで自動的じどうてきまらないことを確認かくにんする。

ただし、現実げんじつ流体りゅうたいには粘性ねんせい剥離はくり存在そんざいする。ジューコフスキー変換へんかん理想流体りそうりゅうたい解析的かいせきてき模型もけいとして強力きょうりょくであるが、実験じっけん数値流体すうちりゅうたい代替だいたいそのものではない。

8判定法はんていほう

  • えん外部がいぶ線分せんぶんった平面へいめん楕円だえん翼型よくがた同時どうじあらわれる問題もんだいでは、ジューコフスキー変換へんかん候補こうほにする。
  • 境界きょうかいするどてんつくりたい問題もんだいでは、導関数どうかんすうが 0 になる臨界点りんかいてん境界きょうかいくだけでなく、局所展開きょくしょてんかい非退化条件ひたいかじょうけん境界像きょうかいぞう大域単射性たいいきたんしゃせい確認かくにんする。
  • 全平面ぜんへいめんで 1 たい 1 の写像しゃぞう必要ひつよう問題もんだいでは、そのまま使用しようできない。領域りょういき制限せいげんえだ選択せんたく確認かくにんする。

9どこまで成立せいりつするか

変換へんかん J(z)=z+1zz=0のぞ領域りょういき正則せいそくである。しかし、z=±1 では導関数どうかんすうが 0 になるため、等角性とうかくせい成立せいりつしない。また、大域的たいいきてきには z1z同一視どういつしする性質せいしつがあるため、領域りょういき制限せいげんしないと逆写像ぎゃくしゃぞう一価いっかえらべない。

流体力学りゅうたいりきがく使用しようする場合ばあいも、非圧縮ひあっしゅく非粘性ひねんせいうずなしという理想化りそうか前提ぜんていである。粘性ねんせい乱流らんりゅう主要しゅようあつか場合ばあいには、この模型もけいだけでは不足ふそくする。

10最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]J(z)=z+1z
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]J(z)=1-1z2,J(±1)=0
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]z=reiθJ(z)=(r+1r)cosθ+i(r-1r)sinθ
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]z,u0(J(z)=J(u)z=uまたはzu=1)
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")][PARSE ERROR: Undefined("Command(\"substack\")")]J:DΩは単射[PARSE ERROR: NewLine]zD,w=J(z)W(w)=F(J-1(w)),W(w)=F(z)J(z)

11一言ひとことでいうと

ジューコフスキー変換へんかんとは、大域単射性たいいきたんしゃせい確保かくほした円外部えんがいぶ翼型外部よくがたがいぶ往復おうふくし、臨界点りんかいてん境界きょうかいくときは非退化条件ひたいかじょうけん確認かくにんして翼型よくがた尖点せんてん生成せいせいする複素解析ふくそかいせき道具どうぐである。

12関連かんれんリンク

data/lecture/math/analysis/introduction-to-complex-analysis.lecture.n.md data/lecture/math/analysis/complex-integration-basics.lecture.n.md data/lecture/math/algebra/complex-numbers-and-complex-plane.lecture.n.md data/lecture/math/analysis/analysis-portal.lecture.n.md
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