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テイラー展開てんかいとマクローリン展開てんかい

date2026-07-14document_iddoc_1314151ad1c35417a3d0d50c1fd7a1cadescriptionテイラー展開を「局所的な微分情報から関数を再構成する」視点で導出し、ラグランジュ剰余項・収束半径・主要公式一覧・極限計算への応用を整理する。prerequisites微分法の基本 / 極限と連続 / 無限級数の基本type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/calculus/differentiation-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/calculus/limits-and-continuity.lecture.n.md / data/lecture/math/analysis/introduction-to-fourier-transform.lecture.n.md
mathanalysiscalculusseriesundergraduatelecture

1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、ある 1 てんでの局所的きょくしょてき微分情報びぶんじょうほうから関数かんすう再構成さいこうせいするテイラー展開てんかい方法ほうほうと、その成立条件せいりつじょうけん説明せつめいする。

公式こうしき暗記あんきとしてあつかうと「なぜ係数けいすうf(k)(a)/k! なのか」「どこで収束しゅうそくするのか」が不明瞭ふめいりょうになる。係数けいすうまりかた局所的きょくしょてき線形近似せんけいきんじff(a)+f(a)(x-a))を高次こうじ組織的そしきてき拡張かくちょうした結果けっかであり、収束しゅうそく別途べっと半径はんけい議論ぎろん必要ひつよう独立どくりつした問題もんだいである。

2用語ようご定義ていぎ

2.1テイラー多項式たこうしきテイラー級数きゅうすうTaylor series

fx=aちかくで n かい微分びぶん可能かのうなとき、

Tn(x)=k=0nf(k)(a)k!(x-a)k

fa まわりの n までのテイラー多項式たこうしきTaylor polynomialという。faちかくで無限回むげんかい微分可能びぶんかのうなら、微分係数びぶんけいすうから

k=0f(k)(a)k!(x-a)k

というテイラー級数きゅうすうTaylor seriesさだまる。a=0場合ばあいをマクローリン多項式たこうしき・マクローリン級数きゅうすうという。

注意ちゅうい:テイラー級数きゅうすう微分係数びぶんけいすうから形式的けいしきてきさだまるが、その級数きゅうすう収束しゅうそくするとはかぎらず、収束しゅうそくしても f(x)一致いっちするとはかぎらない。一致いっちしめしてはじめて

f(x)=k=0f(k)(a)k!(x-a)k

fa まわりのテイラー展開てんかいとして使つかえる。

3方針ほうしん

  1. 係数けいすう ck=f(k)(a)/k!導出どうしゅつ微分びぶんk かいして x=a代入だいにゅう
  2. ラグランジュ剰余項じょうよこう近似誤差きんじごさ定量ていりょう評価ひょうか
  3. 収束半径しゅうそくはんけい計算けいさん(ダランベール判定法はんていほうとコーシー・アダマールの公式こうしき

4厳密げんみつ説明せつめい

4.11. 係数けいすうまりかた

多項式たこうしき Pn(x)=k=0nck(x-a)kfわせたいとする。x=aPn(j)(a)=f(j)(a)j=0,1,,n)を要求ようきゅうすると:

Pn(j)(x)=j!·cj+(次数1[PARSE ERROR: Undefined("RBrace")])

なので x=a代入だいにゅうして j!·cj=f(j)(a)、したがって

cj=f(j)(a)j!

この cjかた一意いちいであり、「a での局所的きょくしょてき微分びぶん情報じょうほうから係数けいすう完全かんぜんさだまる」ことをしめしている。

4.22. ラグランジュ剰余項じょうよこう

I端点たんてん a,x閉区間へいくかんとする。fIn かい連続微分可能れんぞくびぶんかのうで、I内部ないぶn+1 かい導関数どうかんすうつとき、axあいだのある ξ存在そんざいして:

f(x)=k=0nf(k)(a)k!(x-a)k+f(n+1)(ξ)(n+1)!(x-a)n+1Rn(x)

成立せいりつする。fかく n についてこの仮定かていたし、固定こていした xRn(x)0しめられれば、Tn(x)f(x) となり、そのてんでテイラー級数きゅうすうf(x)一致いっちする。

使つかかたaxあいだ|f(n+1)(t)|[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]M となる上界じょうかい M があれば、|Rn(x)|[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]M|x-a|n+1/(n+1)!評価ひょうかできる。れいえば exx[0,1] での n 次近似じきんじ誤差ごさe/((n+1)!)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]3/(n+1)!

4.33. 主要しゅようなマクローリン展開てんかい

関数かんすう展開てんかい収束半径しゅうそくはんけい R実数上じっすうじょう収束範囲しゅうそくはんい
ex[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"displaystyle\")")]k=0[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")]xkk!R
sinx[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"displaystyle\")")]k=0[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")](-1)kx2k+1(2k+1)!R
cosx[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"displaystyle\")")]k=0[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")](-1)kx2k(2k)!R
ln(1+x)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"displaystyle\")")]k=1[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")](-1)k-1xkk1-1<x[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]1
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")]11-x[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"displaystyle\")")]k=0xk1|x|<1
(1+x)α, αZ[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]0[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"displaystyle\")")]k=0(αk)xk1|x|<1 ではかなら収束しゅうそく
(1+x)m, mZ[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]0[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"displaystyle\")")]k=0m(mk)xkR

係数けいすう ak十分大じゅうぶんおおきい k で 0 でなく、極限きょくげん存在そんざいするときは、ダランベール判定法はんていほうにより

R=limk|akak+1|

収束半径しゅうそくはんけいもとめられる。極限きょくげん存在そんざいしない一般いっぱん場合ばあいは、コーシー・アダマールの公式こうしき

1R=lim supk|ak|1/k

使つかう。ここで右辺うへんが 0 なら R= なら R=0 とする。

4.44. 応用おうよう極限きょくげん計算けいさん

テイラー展開てんかいlim の「0/0 がた」を処理しょりする強力きょうりょく道具どうぐである。

れい 1[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"displaystyle\")")]limx0[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")]sinx-xx3

sinx=x-[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")]x36+O(x5) より sinx-x=-[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")]x36+O(x5)、したがって極限きょくげん-1/6

れい 2[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"displaystyle\")")]limx0[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")]ex-1-xx2

ex=1+x+[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")]x22+O(x3) より分子ぶんし[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")]x22+O(x3)極限きょくげん1/2

4.55. 解析的かいせきてき関数かんすうなめらかな関数かんすう

C無限むげんかい微分びぶん可能かのう)であっても、テイラー展開てんかいもと関数かんすう一致いっちしないれい存在そんざいする:

f(x) = \begin{cases} e^{-1/x^2} & (x \neq 0) \\ 0 & (x = 0) \end{cases}

x0かえ微分びぶんすると、f(k)(x)1/x多項式たこうしきe-1/x2せきになる。x0 では指数関数しすうかんすう減衰げんすい1/|x| のどのべき増大ぞうだいよりもはやい。この事実じじつ使つかい、f(k)(0)=0k について帰納的きのうてきしめる。k=0f(0)=0 という定義ていぎそのものである。帰納段階きのうだんかいでは、h0たいする f(k)(h)うえかたちなので、

f(k+1)(0)=limh0f(k)(h)-f(k)(0)h=0

となる。したがってすべての k について f(k)(0)=0 である。0 まわりのテイラー級数きゅうすう恒等的こうとうてきに 0 だが、x0 では f(x)>0 であり、f とはどの 0 の近傍きんぼうでも一致いっちしない。

各点かくてん aたいして、ある a近傍きんぼう存在そんざいし、その近傍きんぼうa まわりのテイラー級数きゅうすう収束しゅうそくして関数かんすう一致いっちするとき、その関数かんすう解析的かいせきてきanalyticという。解析性かいせきせいは、このような局所的きょくしょてき一致いっち各点かくてん要求ようきゅうする性質せいしつである。

5見分みわかた

  • x0極限きょくげん 0/0 がた → マクローリン展開てんかい分子ぶんし分母ぶんも展開てんかい
  • x=a ちかくの挙動きょどうa まわりのテイラー展開てんかい
  • 近似誤差きんじごさ定量ていりょう評価ひょうか → ラグランジュ剰余項じょうよこう|Rn(x)|うえからおさえる
  • 無限むげんとしてかれたしき収束半径しゅうそくはんけい確認かくにん

6どこまで成立せいりつするか

テイラー展開てんかい実数じっすう解析かいせきいきえて複素解析ふくそかいせきでも成立せいりつし、複素平面ふくそへいめんでの収束半径しゅうそくはんけいは「ちか特異点とくいてんきょく分岐点ぶんきてん)までの距離きょり」でまる。多変数たへんすうでは偏微分へんびぶん使つかったテイラー展開てんかい成立せいりつし、行列ぎょうれつのテイラー展開てんかい行列指数関数ぎょうれつしすうかんすう eA=Ak/k!)が微分方程式びぶんほうていしきかいあたえる。

7最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]Tn(x)=k=0nf(k)(a)k!(x-a)k
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")][PARSE ERROR: Undefined("Command(\"substack\")")]nでTaylor公式の仮定が成立し、[PARSE ERROR: NewLine]固定したxRn(x)0f(x)=k=0f(k)(a)k!(x-a)k
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]f(x)=Tn(x)+f(n+1)(ξ)(n+1)!(x-a)n+1(ラグランジュ剰余項)
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]ex=xkk!,sinx=(-1)kx2k+1(2k+1)!,ln(1+x)=(-1)k-1xkk

8一言ひとことでいうと

テイラー展開てんかいは「1 てん局所的きょくしょてき微分びぶん情報じょうほうから関数かんすう全体ぜんたい再構成さいこうせいしようとするこころみ」であり、係数けいすう f(k)(a)/k! はその一意いちいこたえだ—ただし収束しゅうそく別問題べつもんだいであり、解析的かいせきてきでない関数かんすうでは局所情報きょくしょじょうほうだけでは関数かんすう全体ぜんたい完全かんぜん回復かいふくできない。

9関連かんれんリンク

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