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線型作用素とは何かmd 406292c
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線型作用素せんけいさようそlinear operatorとはなに

date2026-07-14document_iddoc_590d15ef851aa7698a138004013bc18edescription線型作用素とは何かを、写像・線型性・恒等作用素・零作用素・和・定数倍・合成から証明つきで導入する講義である。prerequisitesベクトル空間 / 写像 / 線型結合type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/linear-operator/linear-operators-portal.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-operator/linear-operator-equation-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/linear-maps-and-matrices.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/vector-spaces-and-bases.lecture.n.md
mathlinear-operatorlinear-maplecture

1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、作用素さようそoperatorを「名前なまえのついた計算手順けいさんてじゅん」ではなく、「ある空間くうかんげんを、べつ空間くうかんげんおく写像しゃぞう」としてむことを説明せつめいする。

微分びぶん積分せきぶんれつのシフト、行列ぎょうれつによる変換へんかんことなる。しかし、どれも

L:VW

という写像しゃぞうとしてあつかえる。とくに、ざん定数倍ていすうばいたもつものが線型作用素せんけいさようそlinear operatorである。

2定義ていぎ

KたいfieldV,WK うえベクトル空間くうかんvector spaceとする。

作用素さようそoperatorとは、この講義こうぎではひろ

L:VW

という写像しゃぞうをいう。V=W のように、おな空間くうかん自分自身じぶんじしんおく場合ばあいに「作用素さようそ」という言葉ことばとくによく使つかう。

線型作用素せんけいさようそlinear operatorとは、任意にんいx1,x2V任意にんいα,βK について

L(αx1+βx2)=αLx1+βLx2

たす写像しゃぞう L:VW である。

ここで LxL(x)おな意味いみである。行列ぎょうれつのように作用さようさせるかたをしているだけで、写像しゃぞうとしての意味いみL(x)わらない。

3方針ほうしん

作用素さようそたら、まずつぎ確認かくにんする。

  1. 入力にゅうりょく空間くうかん Vなにか。
  2. 出力しゅつりょく空間くうかん Wなにか。
  3. L(αx+βz)=αLx+βLz成立せいりつするか。

この順序じゅんじょ固定こていする理由りゆうは、線型性せんけいせいが「しきかたち」だけではなく、定義域ていぎいき終域しゅういきにも依存いぞんするからである。たとえば微分作用素びぶんさようそは、微分びぶんできる関数かんすう入力にゅうりょくにしなければ定義ていぎできない。

4命題めいだい 1:恒等作用素こうとうさようそidentity operator零作用素れいさようそzero operator線型せんけいである

4.1主張しゅちょう

V じょう恒等作用素こうとうさようそidentity operator I:VV

Ix=x

定義ていぎする。このとき I線型せんけいである。

また、V から W への零作用素れいさようそzero operator 0:VW

0(x)=0W

定義ていぎする。このとき 0線型せんけいである。

4.2証明しょうめい

x1,x2Vα,βK とする。恒等作用素こうとうさようそについては

I(αx1+βx2)=αx1+βx2=αIx1+βIx2

である。したがって I線型せんけいである。

零作用素れいさようそについては

0(αx1+βx2)=0W

である。一方いっぽうW はベクトル空間くうかんなので

α0W+β0W=0W

である。したがって

0(αx1+βx2)=α0(x1)+β0(x2)

であり、0線型せんけいである。

5命題めいだい 2:線型作用素せんけいさようそlinear operator定数倍ていすうばい線型せんけいである

5.1主張しゅちょう

S,T:VW線型作用素せんけいさようそlinear operatorで、a,bK とする。このとき

aS+bT:VW,(aS+bT)(x)=aSx+bTx

線型作用素せんけいさようそlinear operatorである。

5.2証明しょうめい

x1,x2Vα,βK とする。S,T線型性せんけいせいより

\begin{aligned} (aS+bT)(\alpha x_1+\beta x_2) &=aS(\alpha x_1+\beta x_2)+bT(\alpha x_1+\beta x_2)\\ &=a(\alpha Sx_1+\beta Sx_2)+b(\alpha Tx_1+\beta Tx_2)\\ &=\alpha(aSx_1+bTx_1)+\beta(aSx_2+bTx_2)\\ &=\alpha(aS+bT)(x_1)+\beta(aS+bT)(x_2). \end{aligned}

したがって aS+bT線型せんけいである。

ここで STおな定義域ていぎいき Vおな終域しゅういき W必要ひつようがある。SxTxすには、どちらも Wげんでなければならない。

6命題めいだい 3:線型作用素せんけいさようそlinear operator合成ごうせい線型せんけいである

6.1主張しゅちょう

A:UVB:VW線型作用素せんけいさようそlinear operatorなら、合成ごうせい

BA:UW,(BA)(u)=B(Au)

線型作用素せんけいさようそlinear operatorである。

6.2証明しょうめい

u1,u2Uα,βK とする。まず A線型性せんけいせいから

A(αu1+βu2)=αAu1+βAu2

である。これに B作用さようさせ、B線型性せんけいせい使つかうと

\begin{aligned} (B\circ A)(\alpha u_1+\beta u_2) &=B(A(\alpha u_1+\beta u_2))\\ &=B(\alpha Au_1+\beta Au_2)\\ &=\alpha B(Au_1)+\beta B(Au_2)\\ &=\alpha(B\circ A)(u_1)+\beta(B\circ A)(u_2). \end{aligned}

したがって BA線型せんけいである。

合成ごうせいでは順序じゅんじょ注意ちゅういする。BA は「さきAつぎB」である。また、A出力しゅつりょくB入力にゅうりょくとして使つかえるように、A:UVB:VW というかたっている必要ひつようがある。

7れい微分作用素びぶんさようそ差分作用素さぶんさようそ

たとえば、微分作用素びぶんさようそ

D:C1[a,b]C[a,b],Df=f

線型せんけいである。実際じっさい

D(αf+βg)=(αf+βg)=αf+βg=αDf+βDg

である。

また、れつ a=(an)たいするシフト作用素さようそshift operator E

(Ea)n=an+1

定義ていぎすると、E線型せんけいである。さらに I線型せんけいなので、命題めいだい 2 により

Δ=E-I

線型せんけいである。これが差分作用素さぶんさようそdifference operatorである。

8どこまで成立せいりつするか

このページの命題めいだいは、有限次元ゆうげんじげんかぎらず、任意にんいのベクトル空間くうかん成立せいりつする。ただし、微分作用素びぶんさようそ積分作用素せきぶんさようそのような関数空間上かんすうくうかんじょう作用素さようそでは、どの関数空間かんすうくうかん定義域ていぎいき終域しゅういきにするかを明示めいじする必要ひつようがある。

9つぎむページ

線型作用素せんけいさようそ方程式ほうていしき Lx=yあつかうには、かくkernelぞうimage導入どうにゅうする。

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10一言ひとことでいうと

線型作用素せんけいさようそlinear operatorとは、線型結合せんけいけつごうたも写像しゃぞうである。定数倍ていすうばい合成ごうせいじるため、複雑ふくざつ作用素さようそ基本的きほんてき作用素さようそからてられる。

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