Green 関数の入口
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導入
このページの核心は、線形 PDE の解を、点源に対する応答の重ね合わせとして構成することである。
用語と定義
Green 関数 は、演算子 L に対して L G=\delta を満たす基本応答である。ここで \delta は点源を表すデルタ関数である。
方針
線形性により、一般の入力は点源の連続的な重ね合わせとして扱える。Green 関数が既知なら、解は畳み込みや積分で表現される。
注意
Green 関数は方程式だけでなく、領域と境界条件に依存する。同じ微分演算子であっても、境界条件が異なれば Green 関数も異なる。
一次元 Poisson 問題
区間 0<x<1 で
-u''(x)=f(x),\qquad u(0)=u(1)=0
を考える。Green 関数 G(x,\xi) は、x=\xi で傾きが跳び、境界で 0 になる折線として構成される。解は
G(x,\xi)=
\begin{cases}
x(1-\xi), & 0\le x\le \xi,\\
\xi(1-x), & \xi\le x\le 1
\end{cases}G(x,\xi)=
\begin{cases}
x(1-\xi), & 0\le x\le \xi,\\
\xi(1-x), & \xi\le x\le 1
\end{cases}
である。この式は、x=0,1 で 0 になり、x=\xi で連続であり、傾きの跳びにより -G_{xx}=\delta(x-\xi) を表す。右辺 f を点源の重ね合わせと解釈すると、
u(x)=\int_0^1 G(x,\xi)f(\xi)\,d\xi
で表現される。これは各点 \xi の点源への応答を重ね合わせる式である。
Green 関数の式を導出する
x\ne \xi では点源がないため、-G_{xx}=0 である。したがって G は x<\xi と x>\xi の両側で一次関数になる。境界条件 G(0,\xi)=G(1,\xi)=0 を満たすように
G(x,\xi)=
\begin{cases}
Ax, & 0\le x\le \xi,\\
C(1-x), & \xi\le x\le 1
\end{cases}G(x,\xi)=
\begin{cases}
Ax, & 0\le x\le \xi,\\
C(1-x), & \xi\le x\le 1
\end{cases}
と置く。x=\xi で連続であるため
A\xi=C(1-\xi)
が必要である。さらに -G_{xx}=\delta(x-\xi) を \xi-\varepsilon から \xi+\varepsilon まで積分すると
-G_x(\xi+,\xi)+G_x(\xi-,\xi)=1
を得る。ここで G_x(\xi-,\xi)=A、G_x(\xi+,\xi)=-C だから
A+C=1
である。連続条件と跳躍条件を連立して解くと
A=1-\xi,\qquad C=\xi
となる。よって
G(x,\xi)=
\begin{cases}
x(1-\xi), & 0\le x\le \xi,\\
\xi(1-x), & \xi\le x\le 1
\end{cases}G(x,\xi)=
\begin{cases}
x(1-\xi), & 0\le x\le \xi,\\
\xi(1-x), & \xi\le x\le 1
\end{cases}
が導出される。
具体例: 一定荷重
f(\xi)=1 の場合、解は
u(x)=\int_0^1G(x,\xi)\,d\xi=\frac{x(1-x)}{2}
である。これは -u''=1、u(0)=u(1)=0 を満たす。直接積分でも同じ解を得るが、Green 関数を使用すると任意の右辺 f に対して同一の核を再利用できる。
図式としての畳み込み
全空間で平行移動対称性がある場合、Green 関数は G(x-\xi) の形になり、解は畳み込み G*f で表現される。境界がある場合は、x と \xi を別々に扱う G(x,\xi) が必要である。この差が fundamental solution と Green 関数の実用上の相違である。
fundamental solution との相違
基本解 は全空間での点源応答である。Green 関数は領域と境界条件を反映した点源応答である。したがって Green 関数の方が境界値問題に適合する。