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lecture/physics/mechanics/運動量と力積-講義.n.md
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運動量うんどうりょう力積りきせき

date2026-04-25description短時間相互作用では力そのものより運動量の変化を考えるという方針を軸に、力積 I=\Delta p を導出し、F-t グラフと衝突問題への接続まで整理する。prerequisites力のつり合いと運動の法則 / 保存則の導出type講義statusactiverelateddata/lecture/physics/mechanics/保存則の導出-講義.n.md / data/lecture/physics/mechanics/衝突と運動量保存-講義.n.md / data/lecture/physics/mechanics/仕事と力学的エネルギー-講義.n.md
physicsmechanicslecture

導入どうにゅう

このページの核心かくしんは、短時間たんじかん相互作用そうごさようでは、ちから瞬間しゅんかんあたいよりも運動量うんどうりょう変化量へんかりょうかんがえたほうが本質ほんしつ明確めいかくになるというてんにある。衝突しょうとつ瞬間しゅんかんにはちから急激きゅうげき変化へんかするため、かく時刻じこくF追跡ついせきするのは不利ふりである。そこで、運動方程式うんどうほうていしき時間じかん積分せきぶんし、力積りきせき運動量うんどうりょう変化へんか直接ちょくせつむすびつける。

このページでけるようになること

  • 運動量うんどうりょう力積りきせきのベクトルてき意味いみ
  • I=Δp導出どうしゅつ
  • F-t グラフの面積めんせきとして力積りきせき方法ほうほう
  • 1 物体ぶったい力積りきせきかんがえる場面ばめんと、けい全体ぜんたい運動量うんどうりょう保存ほぞんかんがえる場面ばめんちが

なにくページか

本線ほんせん

p=mv,I=Fdt

から

I=Δp

ることである。したがって、対象たいしょうは「短時間たんじかんかえし」「衝突前しょうとつまえのち」「打撃だげき」「ボールのかえり」のような問題もんだいである。

方針ほうしん

このページでは、運動方程式うんどうほうていしき

F=dpdt

時間じかん積分せきぶんする。ねらいは、瞬間的しゅんかんてきちから細部さいぶてて、「全体ぜんたいとしてどれだけされたか」という累積るいせき効果こうかだけをすことである。

適用条件てきようじょうけん

  • I=Δp慣性系かんせいけいもちいる
  • けい全体ぜんたい運動量保存則うんどうりょうほぞんそくは、外力がいりょく力積りきせきが 0 または無視むしできるときにのみ使つか
  • ベクトルりょうなので、きをててスカラーだけで処理しょりしてはならない

用語ようご定義ていぎ

運動量うんどうりょうMomentum

p=mv

運動量うんどうりょうはベクトルりょうであり、きをもつ。したがって成分せいぶんごとにあつかえる。

力積りきせきImpulse

I=t1t2Fdt

一定いっていちからなら

I=FΔt

である。

平均へいきんちから

短時間たんじかん相互作用そうごさようでは

I=FavgΔt

ける。ここで重要じゅうようなのは、平均へいきんちから最大さいだいちから別物べつものだというてんである。衝突しょうとつではピークちから非常ひじょうおおきくても、接触時せっしょくじかんみじかければ力積りきせき有限ゆうげんおさまる。

導出どうしゅつまたは基本式きほんしき

運動方程式うんどうほうていしき

F=dpdt

t1 から t2 まで積分せきぶんすると

t1t2Fdt=t1t2dpdtdt

よって

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]I=Δp

る。

ここで F は、対象たいしょうとしてした物体ぶったいにはたらく合力ごうりょくである。ある 1 つの接触力せっしょくりょくだけの力積りきせきかんがえるときは、そのちからがどの運動量変化うんどうりょうへんかむのかをべつ確認かくにんする。

単位たんい確認かくにん

[Ns]
=·=

であり、運動量うんどうりょう単位たんい一致いっちする。

F-t グラフとの対応たいおう

力積りきせきF-t グラフの面積めんせきである。したがって、瞬間的しゅんかんてきちから波形はけい複雑ふくざつでも、面積めんせきさえめれば運動量うんどうりょう変化へんかかる。この見方みかた

  • ボールを
  • かべ衝突しょうとつしてかえ
  • エアバッグで停止時間ていしじかんばす

といった場面ばめんとく有効ゆうこうである。

1いち物体ぶったいかんがえるか、けい全体ぜんたいかんがえるか

ここは使つかけが重要じゅうようである。

1 物体ぶったいかんがえる

ある 1 物体ぶったいたいして、そとからどれだけされたかをりたいときは

I=Δp

使つかう。

けい全体ぜんたいかんがえる

複数ふくすう物体ぶったい衝突前しょうとつまえのちをまとめてたいときは、外力がいりょく力積りきせき無視むしできるかを確認かくにんし、けい全体ぜんたい運動量保存則うんどうりょうほぞんそくすすむ。したがって、

  • 1 物体ぶったいなら力積りきせき
  • けい全体ぜんたいなら運動量うんどうりょう保存ほぞん

整理せいりするとかりやすい。

一般いっぱんには、けい全体ぜんたいについて

ΔP=Iext

である。ここで Psysけい全体ぜんたい運動量うんどうりょうIext外力がいりょく力積りきせきである。したがって運動量うんどうりょう保存ほぞんは、Iext=0特別とくべつ場合ばあいである。

外力がいりょく力積りきせき無視むしできる判断はんだん

衝突しょうとつ爆発ばくはつ運動量保存うんどうりょうほぞん使つかうときは、外力がいりょくが 0 であることよりも、みじか時間じかん外力がいりょく力積りきせきちいさいことが重要じゅうようである。目安めやすとして

FextΔtp1[1]

なら、外力がいりょく影響えいきょう近似的きんじてき無視むししやすい。分子ぶんし[Ns]=[kgm/s] なので、無次元むじげんである。

衝突しょうとつでは、重力じゅうりょく摩擦まさつ存在そんざいしていても、衝突時間しょうとつじかん十分じゅうぶんみじかければ、それらの力積りきせき衝突力しょうとつりょく力積りきせきくらべてちいさい。このとき

|vec{I}_{mathrm{ext}}|ll |vec{I}_{mathrm{collision}}|

とみなし、けい全体ぜんたい運動量うんどうりょう保存ほぞんさせる。一方いっぽうで、斜面しゃめんながすべる、空気抵抗くうきていこうける、ゆかとの接触せっしょく長時間ちょうじかんつづく、といった場面ばめんでは外力がいりょく力積りきせき無視むししてはならない。

追加例ついかれい: 三角形さんかくけいF-t グラフ

ちからが 0 から最大値さいだいち Fmax まで直線的ちょくせんてきえ、そのあと 0 まで直線的ちょくせんてきる。接触時間せっしょくじかんΔt とすると、F-t グラフは三角形さんかくけいであり、力積りきせき面積めんせき

I=12FmaxΔt

である。平均へいきんちから

Favg=IΔt=12Fmax

となる。最大さいだいちから平均へいきんちから混同こんどうすると、力積りきせきを 2 ばい見積みつもってしまう。

具体例ぐたいてきれい 1: ボールのかえ

質量しつりょう 0.20[kg;M] のボールが、右向みぎむ5.0[m/s;LT-1]すすみ、かべたって左向ひだりむ3.0[m/s;LT-1]かえる。右向みぎむきをせいとする。

pbefore=0.20×5.0=1.0

pafter=0.20×(-3.0)=-0.60

よって

Δp=-0.60-1.0=-1.6

したがって力積りきせき左向ひだりむきに 1.6[Ns;MLT-1] である。

具体例ぐたいてきれい 2: エアバッグの意味いみ

おな運動量うんどうりょう変化へんか Δpしょうじさせるなら

I=FavgΔt=Δp

であるから、停止時間ていしじかん Δtながくすると平均へいきんちから Favgちいさくできる。エアバッグはこの原理げんり利用りようしている。

追加例ついかれい: 反跳はんちょう速度そくど

静止せいししていた台車だいしゃうえからひと右向みぎむきにすと、台車だいしゃ左向ひだりむきにうごく。ひと質量しつりょうm台車だいしゃ質量しつりょうMしたあとのひと速度そくどv台車だいしゃ速度そくどV とする。外力がいりょく力積りきせき無視むしできるなら、はじめの全運動量ぜんうんどうりょうは 0 なので

mv+MV=0

したがって

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]V=-mMv

である。かるひとおも台車だいしゃからしても、台車だいしゃはやさはちいさい。きは運動量うんどうりょうが 0 になるように逆向ぎゃくむきになる。

比較例ひかくれい: 力積りきせき保存ほぞんではなく運動量うんどうりょう保存ほぞん

力積りきせきというから「力積りきせき保存ほぞんする」と誤解ごかいしてはならない。保存ほぞんするのは、外力がいりょく力積りきせきが 0 のときのけい全体ぜんたい運動量うんどうりょうである。力積りきせきは「あるちから運動量うんどうりょうをどれだけえたか」をあらわりょうであり、それ自体じたい保存量ほぞんりょうとしてあつかうわけではない。

どこまでつか

  • I=Δp慣性系かんせいけいつね使つかえる
  • けい全体ぜんたい運動量保存則うんどうりょうほぞんそく外力がいりょく力積りきせき無視むしできる場合ばあいかぎ
  • 斜面上しゃめんじょう長時間ちょうじかん接触せっしょくでは、重力じゅうりょく摩擦まさつ力積りきせき無視むしできるかを確認かくにんしなければならない

よくあるあやま

  • スカラーだけで処理しょりしてきをとす
  • 力積りきせき保存ほぞん運動量うんどうりょう保存ほぞん混同こんどうする
  • 平均へいきんちから最大さいだいちからおなじものだとおも
  • 外力がいりょく力積りきせきがあるのに、けい全体ぜんたい勝手かって保存ほぞんさせる

まとめ

短時間たんじかん相互作用そうごさようでは、ちから時間変化じかんへんかそのものより、時間積分じかんせきぶんした効果こうかである力積りきせきかんがえるほうが本質的ほんしつてきである。1 物体ぶったいなら

I=Δp

使つかい、複数ふくすう物体ぶったいなら外力がいりょく力積りきせき確認かくにんして運動量保存則うんどうりょうほぞんそくすすむ。

つぎむべきページ

data/lecture/physics/mechanics/衝突と運動量保存-講義.n.md data/lecture/physics/mechanics/保存則の導出-講義.n.md

けいひろげると内力ないりょくえる

運動量うんどうりょうあつかうときは、どこまでをひとつのけいふくめるかが本質ほんしつである。2 物体ぶったいたがいにちからおよぼすなら、それぞれを別々べつべつるとそのちから外力がいりょくとしてあらわれる。しかし 2 物体ぶったい一体いったいけいとしてると、そのちから内力ないりょくになり、全運動量ぜんうんどうりょう変化へんかには寄与きよしない。

このため、衝突しょうとつ分裂ぶんれつでは接触力せっしょくりょくおおきさをくわしくらなくても、短時間たんじかん外力がいりょく力積りきせき無視むしできれば全運動量ぜんうんどうりょう保存ほぞんできる。ちからそのものではなく、外力がいりょく力積りきせき十分じゅうぶんちいさいかを判断はんだんする。

文字式もじしき単位たんい

運動量うんどうりょう p[kgm/s;MLT-1] は、質量しつりょう m[kg;M]速度そくど v[m/s;LT-1]せきである。

p=mv

このしきでは、左辺さへん右辺うへんkgm/s になる。

力積りきせき I[Ns;MLT-1] は、ちから F[N;MLT-2]時間じかん Δt[s;T]せきである。

I=FavgΔt=Δp

したがって、力積りきせき運動量変化うんどうりょうへんかおな単位たんいをもつ。

力積りきせききを結果けっかから

力積りきせき I[Ns;MLT-1] は、運動量うんどうりょう変化へんかである。したがって、計算けいさんした Δp[kgm/s;MLT-1]符号ふごうは、そのまま平均力へいきんりょくきの情報じょうほうをもつ。右向みぎむきをせいにして Δp<0 なら、力積りきせき左向ひだりむきである。

ちからおおきさだけをもとめたい場合ばあいでも、途中とちゅうでは符号ふごうのこすほうがよい。最後さいごおおきさとして |I|[Ns;MLT-1]|Favg|[N;MLT-2]ればよい。

衝突時間しょうとつじかんながくする意味いみ

おな運動量変化うんどうりょうへんか Δp[kgm/s;MLT-1] でも、時間じかん Δt[s;T]ながいほど平均力へいきんりょく Favg[N;MLT-2]ちいさくなる。

Favg=ΔpΔt

これはエアバッグ、マット、ひざげた着地ちゃくちなどに共通きょうつうするかんがかたである。まるという結果けっかおなじでも、まりかた時間じかんばすことで、からだけるちからげられる。

F-t グラフと p-t グラフの

F-t グラフでは、面積めんせき力積りきせき I[Ns;MLT-1]あらわす。時間じかん t[s;T]あいだちから F[N;MLT-2] がどれだけ作用さようしたかをわせるからである。この面積めんせき運動量うんどうりょう変化へんか (pafter-pbefore)[kgm/s;MLT-1]ひとしい。

一方いっぽうp-t グラフでは、かたむきがちから F[N;MLT-2]あらわす。運動量うんどうりょう時間じかんたいしてきゅうわるほど、おおきなちからはたらいている。グラフの面積めんせきかたむきのどちらをむかを混同こんどうしない。

平均力へいきんりょくおな力積りきせきつく一定力いっていりょく

ちから時間じかんとともにわるとき、平均力へいきんりょく Favg[N;MLT-2] は「おな力積りきせきおな時間じかんつく一定いっていちから」として定義ていぎする。

FavgΔt=I=Δp

したがって、衝突時間しょうとつじかん Δt[s;T]ながくなると、おなΔp[kgm/s;MLT-1] でも Favg[N;MLT-2]ちいさくなる。安全あんぜん議論ぎろんでは、運動量変化うんどうりょうへんかすのではなく、時間じかんったちからちいさくしているとむ。

実際じっさい衝突しょうとつでは、ちから F[N;MLT-2]時間じかんとともにわる。そこで、おな力積りきせき I[Ns;MLT-1]おな時間じかん Δt[s;T]あたえる一定いっていちからを、平均力へいきんりょく Favg[N;MLT-2]ぶ。

Favg[N;MLT-2] は、最大さいだいちからとはかぎらない。三角形さんかくけいF-t グラフなら、平均力へいきんりょく最大値さいだいち半分はんぶんになる。台形だいけい曲線きょくせんでは、面積めんせき時間幅じかんはばって平均へいきんむ。

主要文字式しゅようもじしき単位たんい確認かくにん

運動量うんどうりょう p[kgm/s;MLT-1] は、質量しつりょう m[kg;M]速度そくど v[m/s;LT-1]せきである。運動量変化うんどうりょうへんか Δp[kgm/s;MLT-1]おな単位たんいをもつ。

力積りきせき I[Ns;MLT-1] は、ちから F[N;MLT-2]時間じかん Δt[s;T]せきである。単位たんいとして [Ns]=[kgm/s] なので、I[Ns;MLT-1]Δp[kgm/s;MLT-1]おなりょうとして等号とうごうむすべる。

数式内すうしきないでの単位たんい明示めいじ

運動量うんどうりょう
p=m×v
である。力積りきせき

I=FΔt=Δp

なので、力積りきせき運動量うんどうりょう変化へんか対応たいおうする。

ちからおおきいことと力積りきせきおおきいこと

ちから F[N;MLT-2]おおきくても、作用さようする時間じかんみじかければ力積りきせき I[Ns;MLT-1]ちいさいことがある。ぎゃくに、ちいさなちからでもなが時間じかんはたらけば、運動量うんどうりょうおおきくえられる。

力積りきせき重要じゅうようなのは、ちからおおきさだけでなく、時間じかんとのせきである。平均力へいきんりょく Favg[N;MLT-2]作用時間さようじかん Δt[s;T]使つかえば、力積りきせきFavgΔt[Ns;MLT-1]める。

衝突しょうとつでは、最大力さいだいりょくよりも力積りきせき運動量変化うんどうりょうへんかめる。安全装置あんぜんそうちは、運動量変化うんどうりょうへんかそのものをなくすのではなく、時間じかん Δt[s;T]ながくして平均力へいきんりょくちいさくする。

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