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運動方程式の立式-定石集
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運動方程式の立式-定石集
physicsmechanicsreference
1. 使う場面
- 物体に複数の力が作用し、加速度または加速度を使った速度・変位を求める問題
- 斜面上の物体、糸でつながれた物体、ばねに接続された物体
2. 見分け方
| 状況 | 使用する定石 |
| 加速度・力・質量の関係が主題 | この定石(F = ma) |
| 始点・終点の速度だけ必要、保存力のみ | エネルギー保存則の定石 |
| 衝突前後を比較 | 運動量保存則の定石 |
摩擦が存在する場合は静止/動の判別が先(\tan\theta と \mu_s を比較)。
3. 使う公式
慣性系での運動方程式:
ma = F_{\text{合}}
適用条件:慣性系であること(地面に固定した座標系で通常成立)。質量 m が一定の場合の形。
data/lecture/physics/mechanics/力のつり合いと運動の法則-講義.n.md
斜面での各方向の分解(傾斜角 \theta):
ma = mg\sin\theta - f \quad \text{([斜面/しゃめん][平行/へいこう][方向/ほうこう])}
N = mg\cos\theta \quad \text{([斜面/しゃめん][垂直/すいちょく][方向/ほうこう]のつり[合/あ]い)}
data/lecture/physics/mechanics/斜面・摩擦・ばねの力学-講義.n.md
4. 解き方の手順
- 自由体図を作成:物体に作用するすべての力を矢印で図示する
- 座標軸を設定:斜面があれば斜面に平行/垂直を軸とする
- 静止か運動かを確認:摩擦がある場合は \tan\theta と \mu_s を比較して判別
- 各方向で立式:運動方向に ma = F_{\text{合}}、垂直方向につり合いの式を立式する
- 解く:加速度 a、垂直抗力 N、張力 T などの未知数を算出する
- 運動方程式を積分(必要な場合):v = v_0 + at、x = x_0 + v_0 t + \frac{1}{2}at^2 に代入する
5. 判別と注意点
静止・運動の判別(摩擦あり斜面):
| 条件 | 状態 | 摩擦力 |
| \tan\theta \le \mu_s | 静止 | f = mg\sin\theta(つり合い値) |
| \tan\theta > \mu_s | 滑落 | f = \mu_k N(一定) |
複数物体がつながっている場合:
- 糸の張力は両物体に同じ大きさ(軽い糸の近似)
- 各物体について別々に運動方程式を立式し、加速度が共通の変数であることを利用する
6. 落とし穴
- 静止摩擦力を \mu_s N に固定しない:静止時は「外力とつり合う値」であり、\mu_s N は最大値にすぎない
- 軸を間違える:鉛直・水平軸を選ぶと垂直抗力・摩擦力が両軸に分解され計算が煩雑になる
- 垂直抗力と重力は作用・反作用ではない:同じ物体に作用する別の力であり、対になるのは重力と「地面が地球を引く力」
- 慣性系の確認:加速している乗り物や回転系では F = ma がそのまま使えない