3単位元と逆元
単位元とは、すべての a\in S に対して演算しても相手を変えない e\in S である。
e\ast a=a\ast e=a
e を単位元とする。a\in S の逆元とは、a と左右どちらの順で演算しても単位元へ戻す a^{-1}\in S である。
a\ast a^{-1}=a^{-1}\ast a=e
両側単位元は存在すれば一意である。実際、e,f がともに両側単位元なら、e=e\ast f=f となる。
単位元と逆元は、方程式を解くために重要である。a\ast x=b の左から a^{-1} を演算し、括弧を付け替えて x=a^{-1}\ast b と導くには、逆元に加えて結合法則と単位元を仮定する。すると、
a^{-1}\ast(a\ast x)=(a^{-1}\ast a)\ast x=e\ast x=x
だから、a\ast x=b の両辺の左から a^{-1} を演算して x=a^{-1}\ast b を得る。逆にこの x を代入すれば a\ast(a^{-1}\ast b)=(a\ast a^{-1})\ast b=e\ast b=b なので、これは実際に解である。
さらに、結合法則と両側単位元があるとき、ある元の両側逆元も存在すれば一意である。u,v がともに a の両側逆元なら、
u=u\ast e=u\ast(a\ast v)=(u\ast a)\ast v=e\ast v=v
となる。ここで結合法則を使ったことが重要である。