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代数的構造とは何かmd 2f9ccba
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代数的構造とは何か
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抽象代数で最初に固定したい見方は、対象を「集合と演算の組」として見ることである。数の集合だけを見ても、まだ代数は始まらない。その集合の中で、どの演算を行い、その演算がどの法則を満たすかを指定して初めて、代数的構造になる。
たとえば整数全体 \mathbb Z は、足し算と一緒に見ると群になる。しかし掛け算と一緒に見ると、たとえば 2b=1 を満たす候補は b=1/2 だが整数ではないので、群にはならない。同じ集合でも、演算を変えると構造が変わる。
ここでの群と逆元は、あとで正式に定義する用語である。この段階では、「集合だけでなく演算も指定しないと構造は決まらない」という点だけを使う。
1定義の形
代数的構造は、典型的には
(S,\ast)
または
(S,+,\cdot)
の形で書く。ここで S は集合であり、\ast、+、\cdot は演算である。
この表記は、「元が何か」と「元どうしをどう操作するか」を分けている。集合だけでは要素の一覧であり、演算だけではどこで計算するかが分からない。両方を指定して初めて、計算の世界が定まる。
2何故公理で定義するのか
公理は、具体例の細部を忘れ、議論に必要な性質だけを残すための条件である。
整数の足し算、平面の回転、正方形の対称性は見た目がまったく違う。しかし、どれも「合成できる」「何もしない操作がある」「元へ戻す操作がある」という共通点を持つ。この共通点だけを取り出すと、群の公理になる。
data/lecture/math/abstract-algebra/group-basics.lecture.n.md
3何が変わり、何が保存されるか
抽象化では、具体的な表示は変わる。整数、行列、置換、剰余類は見た目が異なる。一方で、演算の満たす法則は保存して見る。
たとえば、同型な二つの群は、元の名前は違っても、演算表の構造は同じである。つまり、どの元を組み合わせるとどの元になるかという情報が保存される。同型は後で準同型と一緒に定義するので、ここでは「名前が変わっても演算の対応が残る」という見通しとして読めばよい。
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4具体例:同じ集合でも構造は変わる
集合 \mathbb Z を考える。
(\mathbb Z,+)
は群である。0 が単位元であり、整数 a の逆元は -a である。
しかし
(\mathbb Z,\cdot)
は群ではない。たとえば 2 の乗法逆元は整数の中に存在しない。もし 2b=1 となる整数 b があれば、左辺は偶数なので 1 にはならない。
ここで大切なのは、集合だけを見て「群かどうか」を言えない点である。必ず演算と組にして判断する。
7まとめ
代数的構造とは、集合と演算を組にして、公理で必要な性質を指定したものである。同じ集合でも演算が変われば構造は変わる。抽象代数では、見た目ではなく、演算で保存される構造を見る。