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逆行列の基本md c5a3810
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逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix基本きほん

date2026-07-02document_iddoc_5f05a5a551e370672790903b94eee043description逆行列を、線型写像を一意に復元できる条件として導入し、階数・核・行列式・連立一次方程式との同値条件を整理する講義である。prerequisites連立一次方程式と掃き出し法 / 線型写像と行列 / 行列の積type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/linear-algebra/linear-algebra-portal.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/linear-systems-and-gaussian-elimination.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/rank-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/rank-and-nullity-of-linear-maps.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/determinants.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/pseudoinverse-basics.lecture.n.md / data/exercise/math/linear-algebra/determinants-and-invertibility.exercise.n.md
mathlinear-algebraundergraduatelecture

1導入どうにゅう

この講義こうぎ中心ちゅうしん発想はっそうは、逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix公式こうしきとして記憶きおくするものではなく、「写像しゃぞうmap復元ふくげんできるか」という視点してん理解りかいするものだということである。

行列ぎょうれつmatrix A入力にゅうりょく出力しゅつりょくおくるなら、逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix A-1 はその出力しゅつりょくからもと入力にゅうりょく一意いちい復元ふくげんする役割やくわりをもつ。情報じょうほううしなわれる場合ばあい逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix存在そんざいしない。

2用語ようご定義ていぎ

逆行列ぎゃくぎょうれつInverse matrix とは、正方行列せいほうぎょうれつsquare matrix Aたいして AA-1=A-1A=Iたす行列ぎょうれつmatrixである。ひだりからもみぎからも単位行列たんいぎょうれつidentity matrixになるため、両側逆りょうがわぎゃくであることが本質ほんしつである。

単位行列たんいぎょうれつIdentity matrix とは、けてもなにえない行列ぎょうれつmatrix I である。

3方針ほうしん

まず逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrixを「出力しゅつりょくから入力にゅうりょく復元ふくげんする写像しゃぞうmap」として解釈かいしゃくする。そのあと、ほうGaussian eliminationAI変形へんけいする過程かていが、そのまま A-1構成こうせいする過程かていになることを確認かくにんする。

4直感的ちょっかんてき説明せつめい

拡大かくだいだけなら、あと縮小しゅくしょうすれば復元ふくげんできる。回転かいてんだけなら、逆向ぎゃくむきに回転かいてんすれば復元ふくげんできる。しかし、平面へいめんを 1 ぽん直線ちょくせんへつぶす写像しゃぞうmapは、情報じょうほううしなわれるので復元ふくげんできない。これが逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrixがない場合ばあいである。

5厳密げんみつ説明せつめい

5.11. 定義ていぎ

An×n 正方行列せいほうぎょうれつsquare matrixとする。A-1存在そんざいするとき

AA-1=I,A-1A=I

である。長方行列ちょうほうぎょうれつでは左右さゆう行列ぎょうれつmatrixサイズが一致いっちしないため、この意味いみでの逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix定義ていぎしない。

5.22. しでもとめる

(AI)

構成こうせいし、左側ひだりがわIす。すると右側みぎがわA-1 になる。

5.33. 存在そんざいしない場合ばあい

しの途中とちゅう主成分しゅせいぶんpivot確保かくほできず、階数かいすうrank不足ふそくするときは、逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix存在そんざいしない。

5.44. 可逆性かぎゃくせい同値条件どうちじょうけん

An×n 行列ぎょうれつmatrixとする。このとき、つぎ条件じょうけんたがいに同値どうちequivalentである。

ただし、行列式ぎょうれつしきdeterminantによる判定はんていは、あとでくわしく導入どうにゅうする先取さきどりである。このページの本流ほんりゅうでは、し、階数かいすうrankかくkernelかい一意性いちいせい可逆性かぎゃくせいinvertibility判定はんていする。

  1. A-1存在そんざいする。
  2. rank(A)=n である。
  3. ker(A)={0} である。
  4. A:KnKn単射たんしゃであり、全射ぜんしゃである。
  5. 任意にんいbKnたいして、Ax=b一意解いちいかいつ。
  6. detA0 である(あとで行列式ぎょうれつしきdeterminantとしてあつか同値条件どうちじょうけん)。
  7. しで全列ぜんれつ主成分しゅせいぶんpivot存在そんざいする。

この一覧いちらんは、逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrixたんなる計算公式けいさんこうしきではなく、情報じょうほううしなわれないことをあらわ複数ふくすう判定条件はんていじょうけん交点こうてんであることをしめす。かくkernel{0} であれば 0 につぶれる非零ひれい方向ほうこうがなく、階数かいすうrankn であれば出力空間しゅつりょくくうかん全体ぜんたいとして到達とうたつできる。

論理ろんり橋渡はしわたしをくと、まず ker(A)={0} は「ことなる入力にゅうりょくおな出力しゅつりょくつぶれない」ことを意味いみする。したがって Ax=bかい存在そんざいすれば、そのかい一意いちいである。有限次元ゆうげんじげんKnKn では、ker(A)={0} なら階数かいすうrank退化次数たいかじすうnullity定理ていりより rank(A)=n である。するとぞうimageKn 全体ぜんたいなので、任意にんいbKnたいして Ax=b存在そんざいする。以上いじょうから「任意にんいbたいして一意解いちいかいつ」ことがしたがい、そのかいb対応たいおうさせる写像しゃぞうmapA-1 である。

data/lecture/math/linear-algebra/rank-and-nullity-of-linear-maps.lecture.n.md

5.55. 長方行列ちょうほうぎょうれつ片側逆かたがわぎゃく

Am×n 行列ぎょうれつmatrix場合ばあい両側逆りょうがわぎゃくわりに片側逆かたがわぎゃく考察こうさつできる。LA=Inたす L左逆ひだりぎゃくであり、これは A列満階数れつまんかいすう、すなわち rank(A)=n のときに存在そんざいする。AR=Imたす R右逆みぎぎゃくであり、これは A行満階数ぎょうまんかいすう、すなわち rank(A)=m のときに存在そんざいする。

片側逆かたがわぎゃく一意いちいとはかぎらない。れつcolumn不足ふそくしたりぎょうrow不足ふそくしたりする場合ばあいには、最小二乗解さいしょうにじょうかい最小さいしょうノルムかい選択せんたくする基準きじゅん必要ひつようになる。この基準きじゅん標準的ひょうじゅんてきあたえるのが擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつpseudoinverse matrixである。

擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつpseudoinverse matrixは、あとの発展項目はってんこうもくである。ここでは、長方行列ちょうほうぎょうれつには正方行列せいほうぎょうれつおな両側逆りょうがわぎゃくがないことを見通みとおしとしておさえる。

data/lecture/math/linear-algebra/pseudoinverse-basics.lecture.n.md

6判定基準はんていきじゅん

  • 写像しゃぞうmap復元ふくげんしたい、または Ax=b一括いっかつきたいなら、逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrix検討けんとうする。
  • して左側ひだりがわI にできるかが、存在判定そんざいはんていかぎである。
  • 行列式ぎょうれつしきdeterminantが 0 でないこと、階数かいすうrankn であること、かくkernel{0} であることは、おな可逆性かぎゃくせいべつ角度かくどからべた条件じょうけんである。
  • かくkernel階数かいすうrank任意にんい右辺うへんright-hand sideへの一意解いちいかい逆写像ぎゃくしゃぞう存在そんざいは、情報じょうほううしなわれないことを別表現べつひょうげんしたものである。

7最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]AA-1=A-1A=I
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")](AI)(IA-1)
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]Aは可逆rank(A)=nker(A)={0}detA0
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]長方行列では片側逆と擬似逆行列を区別する

行列式ぎょうれつしきdeterminant擬似逆行列ぎじぎゃくぎょうれつpseudoinverse matrixは、あとでくわしくあつかう。このページで直接ちょくせつつかう判定はんていは、し、階数かいすうrankかくkernel一意解いちいかいである。

8定理ていり証明しょうめい逆行列ぎゃくぎょうれつ一意いちいである

正方行列せいほうぎょうれつ Aたいして、BC がどちらも A逆行列ぎゃくぎょうれつだとする。つまり

AB=BA=I,AC=CA=I

である。このとき B=C である。

証明しょうめいする。

B=BI=B(AC)=(BA)C=IC=C

である。ここでは行列積ぎょうれつせき結合法則けつごうほうそく使つかっている。

この証明しょうめいは、逆行列ぎゃくぎょうれつが「あるかないか」だけでなく、あるならひとつにまることをしめす。ぎゃくもど操作そうさ二通ふたとおりあると、どちらを使つかってもおな結果けっかになる。

9演習えんしゅうリンク

data/exercise/math/linear-algebra/determinants-and-invertibility.exercise.n.md

10一言ひとことでいうと

  • 逆行列ぎゃくぎょうれつinverse matrixは、行列ぎょうれつmatrixあらわ変換へんかん復元ふくげんできるときにだけ存在そんざいする。

11関連かんれんリンク

data/lecture/math/linear-algebra/rank-basics.lecture.n.md data/lecture/math/linear-algebra/rank-and-nullity-of-linear-maps.lecture.n.md data/lecture/math/linear-algebra/determinants.lecture.n.md data/lecture/math/linear-algebra/pseudoinverse-basics.lecture.n.md
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