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整域・零因子・多項式環md 64fe092
lecture/math/abstract-algebra/integral-domains-zero-divisors-and-polynomial-rings.lecture.n.md
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整域せいいきintegral domain零因子れいいんしzero divisor多項式環たこうしきかんpolynomial ring

date2026-07-14document_iddoc_b9bed9919d5431782d941a44399fe707description零因子と整域を掛け算で情報が潰れるかという観点から定義し、消去法則と整域上の多項式環を証明する。prerequisites環の基[本/ほん]type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/abstract-algebra/ring-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/abstract-algebra/field-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/algebra/polynomials.lecture.n.md / data/exercise/math/abstract-algebra/integral-domains-fields-and-finite-fields.exercise.n.md
mathabstract-algebraring-theorylecture

かんでは、0 でないふたつのげんけた結果けっかが 0 になることがある。この現象げんしょうは、ざんによって情報じょうほうつぶれることを意味いみする。その原因げんいんになるげん零因子れいいんしという。

1零因子れいいんし

かん R の 0 でないげん a零因子れいいんしであるとは、0 でないげん b存在そんざいして

ab=0

または

ba=0

となることである。

たとえば Z/6Z では、

[2][3]=[6]=[0]

である。[2][3] も 0 ではないので、零因子れいいんしである。

2整域せいいき

整域せいいきintegral domainとは、01 であり、0 でないげんどうしのせきが 0 にならない可換環かかんかんである。つまり、任意にんいa,bR について

ab=0a=0orb=0

成立せいりつする。

整数せいすうかん Z整域せいいきである。実数じっすうたい R整域せいいきである。一方いっぽうZ/6Z整域せいいきではない。

3定理ていり整域せいいき消去法則しょうきょほうそく

整域せいいき R では、a,b,cR かつ a0 のとき、

ab=acb=c

成立せいりつする。証明しょうめいする。ab=ac なら、分配法則ぶんぱいほうそくより

a(b-c)=0

である。a0 であり、整域せいいきには零因子れいいんしがないので b-c=0、したがって b=c である。

ここではざん使つかっていない。0 でないげんったのではなく、零因子れいいんしがないことを使つかって消去しょうきょしている。

4多項式環たこうしきかん

可換環かかんかん R じょう多項式たこうしきpolynomialとは、

f(x)=a0+a1x++amxm(aiR)

かたち形式的けいしきてき有限和ゆうげんわである。ここで「形式的けいしきてき」とは、xあたい代入だいにゅうしてできる関数かんすうではなく、有限個ゆうげんこのぞいて 0 になる係数列けいすうれつ (a0,a1,) としてあつかうという意味いみである。多項式たこうしき全体ぜんたい

R[x]

く。係数けいすうごとの加法かほうと、分配法則ぶんぱいほうそくによる乗法じょうほう

(iaixi)+(ibixi)=i(ai+bi)xi,
(iaixi)(jbjxj)=k(i+j=kaibj)xk

さだめると、R[x]かんになる。加法単位元かほうたんいげんは 0 多項式たこうしき乗法単位元じょうほうたんいげん定数多項式ていすうたこうしき 1 である。たとえば Z[x]整数係数せいすうけいすう多項式たこうしきかんである。

この主張しゅちょう係数けいすうたしかめる。有限個ゆうげんこ非零係数ひれいけいすうしかないふたつのれつについて、うえせき非零係数ひれいけいすう有限個ゆうげんこしかたないので、ふたつの演算えんざんR[x] じょうじている。加法かほう結合法則けつごうほうそく交換法則こうかんほうそく係数けいすうごとに R からしたがい、iaixi加法逆元かほうぎゃくげんi(-ai)xi である。

また、f=iaixig=jbjxjh=cx とすると、((fg)h)f(gh)xn係数けいすうはどちらも

i+j+=naibjc

なので、乗法じょうほう結合法則けつごうほうそくたす。定数多項式ていすうたこうしき 1 は乗法単位元じょうほうたんいげんである。分配法則ぶんぱいほうそくは、たとえば f(g+h)xn係数けいすう

i+j=nai(bj+cj)=i+j=naibj+i+j=naicj

となることからしたがい、もう一方いっぽう同様どうようである。さらに R可換かかんなので乗法じょうほう可換かかんである。したがって R[x]実際じっさい可換環かかんかんになる。

0 でない多項式たこうしき f(x)=a0++amxmam0 のとき、mf次数じすうdegree [PARSE ERROR: Undefined("Command(\"deg\")")]fam最高次係数さいこうじけいすうleading coefficientという。0 多項式たこうしき次数じすうは、ここでは定義ていぎしない。

data/lecture/math/algebra/polynomials.lecture.n.md

5定理ていり整域せいいきじょう多項式環たこうしきかん整域せいいき

R整域せいいきintegral domainなら、R[x]整域せいいきである。さらに、0 でない多項式たこうしき f,gR[x] について

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"deg\")")](fg)=[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"deg\")")]f+[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"deg\")")]g

成立せいりつする。

証明しょうめいする。[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"deg\")")]f=m[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"deg\")")]g=n とし、f最高次係数さいこうじけいすうamg最高次係数さいこうじけいすうbn とする。f,g は 0 でないので am0bn0 である。R整域せいいきなので ambn0 である。

fgxm+n係数けいすうambn であり、これよりたか次数じすうこうはない。したがって fg0 かつ [PARSE ERROR: Undefined("Command(\"deg\")")](fg)=m+n である。よって 0 でない多項式たこうしきどうしのせきは 0 にならず、R[x]可換環かかんかん01 でもあるから整域せいいきである。

6たいとの関係かんけい

たい正式せいしき定義ていぎつぎ講義こうぎあつかう。このせつでは先取さきどりとして、たいを「01 であり、0 でないすべてのげん乗法逆元じょうほうぎゃくげん可換環かかんかん」として使つかう。

すべてのたい整域せいいきである。なぜなら、a0ab=0 なら、a-1けて

b=0

みちびかれるからである。この場面ばめんでは a-1使つかうため、a0確認かくにん必要ひつようである。

7演習えんしゅうリンク

現時点げんじてんでは、つぎ演習えんしゅう問題もんだい1と問題もんだい4にめる。たいまなんだあと問題もんだい2・3と証明演習しょうめいえんしゅうへ、有限体ゆうげんたいまなんだあと問題もんだい5へすすむ。

data/exercise/math/abstract-algebra/integral-domains-fields-and-finite-fields.exercise.n.md

8まとめ

零因子れいいんしは、べつの 0 でないげんけると 0 になる、0 でないげんである。整域せいいきではそのようなつぶれがきないため、0 でないげん消去しょうきょできる。多項式たこうしき係数けいすうごとの加法かほう分配法則ぶんぱいほうそくによる乗法じょうほうR[x]かんにする。R整域せいいきなら、最高次係数さいこうじけいすう調しらべることで R[x]整域せいいきであり、せきでは次数じすうくわわるとかる。すべてのたい整域せいいきであり、つぎ講義こうぎたい正式せいしきまなぶ。

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