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変数分離形と自律方程式md be118da
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変数分離形へんすうぶんりけい自律方程式じりつほうていしき

date2026-07-16document_iddoc_507f8e2a7db29b2f409967fb777f2815description変数分離形を、合成関数の微分の逆向きとして証明し、h(y)=0 の定数解を失わない手順、陰関数解、自律方程式、解の定義域まで初学者向けに整理する。prerequisites一階微分方程式の分類と最初の判定 / 積分法の基本 / 合成関数の微分type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/differential-equations/classifying-first-order-odes.lecture.n.md / data/lecture/math/differential-equations/first-order-linear-odes-and-integrating-factors.lecture.n.md / data/lecture/math/differential-equations/singular-solutions-and-envelopes.lecture.n.md / data/lecture/math/differential-equations/logistic-equation.lecture.n.md / data/exercise/math/differential-equations/separable-equations-and-autonomous-systems.exercise.n.md
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1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、変数分離法へんすうぶんりほうseparation of variablesdydx形式的けいしきてき移項いこうとしてではなく、合成関数ごうせいかんすう微分公式びぶんこうしき逆向ぎゃくむきに適用てきようする方法ほうほうとして説明せつめいする。

変数分離へんすうぶんり使つかえるのは、未知関数みちかんすう変化率へんかりつ

dydx=f(x)g(y)

のように、x だけの部分ぶぶんy だけの部分ぶぶんせきかれている場合ばあいである。このかたちだから、yかんする因子いんしひだりへ、xかんする因子いんしみぎ整理せいりできる。

ただし、g(y)操作そうさは、g(y)=0かい除外じょがいする操作そうさでもある。そのため、変数分離へんすうぶんりでは計算けいさんまえ定数解ていすうかい確認かくにんする。ほんによっては g(y)h(y)くが、注意ちゅういおなじである。

2標準形ひょうじゅんけい

変数分離形へんすうぶんりけいseparable equationとは、

dydx=f(x)g(y)

整理せいりできる一階微分方程式いっかいびぶんほうていしきである。

とく

dydx=F(y)

のように右辺うへん独立変数どくりつへんすう x明示的めいじてきふくまない方程式ほうていしき自律方程式じりつほうていしきautonomous equationという。これは f(x)=1,g(y)=F(y) とおけば変数分離形へんすうぶんりけいでもある。

3命題めいだい1:変数分離へんすうぶんり陰関数解いんかんすうかいもと方程式ほうていしきたす

区間くかん I,J微分可能びぶんかのう関数かんすう y:IJかんがえ、gJ じょうで 0 にならないとする。

dydx=f(x)g(y)

において、I じょうF(x)=f(x)J じょうG(y)=1/g(y) とする。このとき

G(y)=F(x)+C

たす微分可能びぶんかのう関数かんすう y(x) は、もと方程式ほうていしきたす。

3.1証明しょうめい

G(y(x))=F(x)+Cx微分びぶんする。合成関数ごうせいかんすう微分公式びぶんこうしきより、

G(y)y=F(x)

である。G(y)=1/g(y)F(x)=f(x) だから

1g(y)y=f(x)

である。g(y)0 なので両辺りょうへんg(y)けて

y=f(x)g(y)

る。したがって変数分離へんすうぶんり関係式かんけいしきもと方程式ほうていしきたす。

この証明しょうめいが、形式的けいしきてき

1g(y)dy=f(x)dx

いて積分せきぶんしてよい理由りゆうである。

4解法かいほう手順てじゅん

  1. y=f(x)g(y)かたち整理せいりする。
  2. g(y)=0たす定数解ていすうかいさき確認かくにんする。
  3. g(y)0範囲はんい
1g(y)dy=f(x)dx

分離ぶんりする。

  1. 両辺りょうへん積分せきぶんする。
  2. 条件じょうけんがあれば任意定数にんいていすうたいする制約方程式せいやくほうていしきく。
  3. 最後さいごもと方程式ほうていしき指定していされたすべての条件じょうけん代入だいにゅうして検算けんざんする。

5命題めいだい2:g(y)=0定数解ていすうかいあたえる

5.1主張しゅちょう

変数分離形へんすうぶんりけい

y=f(x)g(y)

で、ある定数ていすう ag(a)=0たすとする。このとき

y(x)=a

定数解ていすうかいである。

5.2証明しょうめい

y(x)=a定数関数ていすうかんすうなので

y=0

である。また g(a)=0 だから

f(x)g(y)=f(x)g(a)=0

である。したがって

y=f(x)g(y)

たす。

この命題めいだいが、変数分離へんすうぶんりg(y)まえg(y)=0確認かくにんする理由りゆうである。g(y)ったあとしきには、g(y)=0定数解ていすうかいあらわれない。

6れい1:y=xy

y=xy

f(x)=x,g(y)=y変数分離形へんすうぶんりけいである。まず g(y)=y=0 から、y=0定数解ていすうかいである。

つぎに y0 として、

1ydy=xdx

分離ぶんりする。両辺りょうへん積分せきぶんして

log|y|=x22+C

る。指数関数しすうかんすうると、

|y|=eCex2/2

である。eC>0 であり、符号ふごう定数ていすう吸収きゅうしゅうできるので、

y=Cex2/2

ける。このしきC=0ゆるすため、最初さいしょ確認かくにんした定数解ていすうかい y=0ふくむ。

7陽関数解ようかんすうかい陰関数解いんかんすうかい

陽関数解ようかんすうかいexplicit solutionとは、y=H(x) のように yxしきとして直接ちょくせつあらわされているかいである。

陰関数解いんかんすうかいimplicit solutionとは、

G(x,y)=C

のように、xy関係式かんけいしきとしてあらわされたかいである。

変数分離へんすうぶんりでは、積分せきぶん結果けっかかならy=H(x)けるとはかぎらない。その場合ばあいでも、関係式かんけいしき微分可能びぶんかのう関数かんすうさだめる区間くかんでは、もと方程式ほうていしきたすことを確認かくにんした陰関数解いんかんすうかいとしてかいあらわせる。

8れい2:途中とちゅう発散はっさんするかい

y=y2,y(0)=1

かんがえる。y=0定数解ていすうかいだが、初期条件しょきじょうけん y(0)=1 にはわない。y0 として

1y2dy=dx

積分せきぶんすると、

-1y=x+C

である。y(0)=1 より -1=C だから

-1y=x-1

であり、

y=11-x

る。

このかいx=1定義ていぎできない。したがって初期点しょきてん x=0ふく最大解区間さいだいかいくかん(-,1) である。

このれいは、微分方程式びぶんほうていしきかい数式すうしき定義域ていぎいきとして指定していする必要性ひつようせいしめす。

9自律方程式じりつほうていしき平衡解へいこうかい

平衡解へいこうかいequilibrium solutionとは、独立変数どくりつへんすう変化へんかしてもあたい一定いっていである定数解ていすうかいをいう。自律方程式じりつほうていしき

y=F(y)

では、F(a)=0 なら y=a平衡解へいこうかいである。

9.1証明しょうめい

y=a定数関数ていすうかんすうなので y=0 である。一方いっぽうF(a)=0 だから右辺うへんも 0 である。したがって

y=F(y)

たす。

自律方程式じりつほうていしきでは、かい明示的めいじてきもとめるまえに、F(y)符号ふごうからかい増減ぞうげん判定はんていできる。F(y)>0 なら y増加ぞうかし、F(y)<0 なら y減少げんしょうする。

10れい3:Logistic 方程式ほうていしき

y=y(1-y)

自律方程式じりつほうていしきである。F(y)=y(1-y) とおくと、平衡解へいこうかい

y=0,y=1

である。

符号ふごう調しらべる。

範囲はんいF(y)=y(1-y)符号ふごうかい増減ぞうげん
y<0減少げんしょう
0<y<1せい増加ぞうか
y>1減少げんしょう

したがって、かい0<y<1 にあるあいだ増加ぞうかし、位相線いそうせん矢印やじるし平衡解へいこうかい y=1方向ほうこうす。この符号解析ふごうかいせきにより、かい明示式めいじしき導出どうしゅつするまえにも局所的きょくしょてき増減ぞうげん判定はんていできる。y=1 への収束しゅうそく結論けつろんするには、かい0<y<1 にとどまることと、その極限きょくげん別途べっと確認かくにんする必要ひつようがある。

data/lecture/math/differential-equations/logistic-equation.lecture.n.md

11変数分離へんすうぶんりできないれい

y=x+y

xyむすばれている。せき f(x)g(y)分解ぶんかいされていないので、変数分離形へんすうぶんりけいとしてあつかってはならない。この方程式ほうていしき

y-y=x

整理せいりして一階線型いっかいせんけいとしてあつかう。

data/lecture/math/differential-equations/first-order-linear-odes-and-integrating-factors.lecture.n.md

12特異解とくいかいとの関係かんけい

g(y)=0定数解ていすうかい除算じょざんによって脱落だつらくさせることと、特異解とくいかい存在そんざいとはべつ問題もんだいである。特異解とくいかいは、微分方程式びぶんほうていしきたすが、一般解族いっぱんかいぞく任意定数にんいていすう選択せんたくしてもられないかいとして判定はんていする。

同一どういつ初期条件しょきじょうけんたす複数ふくすうかい存在そんざいする非一意性ひいちいせいは、存在一意性定理そんざいいちいせいていり仮定かていかんするべつ問題もんだいであり、特異解とくいかい定義ていぎでも十分条件じゅうぶんじょうけんでもない。変数分離へんすうぶんり計算けいさんでは、除算じょざんした因子いんし定義域ていぎいき初期条件しょきじょうけん最後さいご確認かくにんする。

data/lecture/math/differential-equations/singular-solutions-and-envelopes.lecture.n.md

13まとめ

変数分離形へんすうぶんりけい最初さいしょ確認かくにんすることは、つぎの 4 てんである。

  1. y=f(x)g(y)整理せいりできるか。
  2. g(y)=0 から定数解ていすうかいないか。
  3. 積分せきぶん結果けっか陽関数解ようかんすうかい陰関数解いんかんすうかいか。
  4. かい定義域ていぎいきはどこか。

14演習えんしゅうリンク

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