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一階線型微分方程式と積分因子md 8316914
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一階線型微分方程式いっかいせんけいびぶんほうていしき積分因子せきぶんいんし

date2026-07-16document_iddoc_1f20b69d67912467ba110b4393e84d8ddescription一階線型微分方程式を、積分因子で左辺を積の微分へ作り替える方法として導出し、定数変化法との関係まで整理する。prerequisites一階微分方程式の分類と最初の判定 / 変数分離形と自律方程式 / 積の微分公式 / 積分法の基本type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/differential-equations/classifying-first-order-odes.lecture.n.md / data/lecture/math/differential-equations/separable-equations-and-autonomous-systems.lecture.n.md / data/lecture/math/differential-equations/exact-differential-equations.lecture.n.md / data/lecture/math/differential-equations/bernoulli-equations.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-operator/linear-operator-equation-basics.lecture.n.md / data/exercise/math/differential-equations/first-order-linear-odes-and-integrating-factors.exercise.n.md
mathdifferential-equationsfirst-orderintegrating-factorlecture

1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、積分因子せきぶんいんしintegrating factor暗記あんきする公式こうしきではなく、左辺さへんせき微分びぶんつくえるための因子いんしとして導出どうしゅつする。

一階線型いっかいせんけい標準形ひょうじゅんけい

y+p(x)y=q(x)

である。このかたちでは、yy別々べつべつあらわれるため、そのまま積分せきぶんしにくい。そこで、ある関数かんすう μ(x)けて、

μy+μp(x)y

(μy)

という 1 微分びぶんにしたい。

2積分因子せきぶんいんし導入どうにゅうする理由りゆう

μ=ep(x)dx というしきは、せき微分公式びぶんこうしきから系統的けいとうてき導出どうしゅつできる。

まず、直接ちょくせつ積分せきぶんできるかたち

y=q(x)

である。このかたちなら、左辺さへんが 1 微分びぶんなので、そのまま積分せきぶんできる。

一方いっぽう一階線型いっかいせんけい

y+p(x)y=q(x)

では、左辺さへんyy別々べつべつあらわれる。p(x)y存在そんざいするため、左辺さへんをそのまま 1 関数かんすう導関数どうかんすうとして積分せきぶんすることはできない。

そこで、せき微分公式びぶんこうしき

(μy)=μy+μy

逆向ぎゃくむきに適用てきようする。もしもと左辺さへん

μy+μy

かたちつくえられれば、左辺さへんは 1 微分びぶんになり、積分せきぶんできる。

ところがもと方程式ほうていしきには y+p(x)y しかない。そこで両辺りょうへん未知みち関数かんすう μ(x)けて、

μy+μp(x)y

つくる。せき微分びぶんくらべると、うまくいくためには

μ=μp(x)

であればよい。この条件じょうけんから μめると、積分因子せきぶんいんし自然しぜんる。

したがって、μける目的もくてきは、左辺さへんを 1 せき導関数どうかんすう変換へんかんし、直接積分ちょくせつせきぶんできるかたち帰着きちゃくすることである。

3一階線型いっかいせんけいとはなに

一階線型微分方程式いっかいせんけいびぶんほうていしきfirst-order linear differential equationとは、

y+p(x)y=q(x)

かたちける一階微分方程式いっかいびぶんほうていしきである。ここで p(x),q(x)x関数かんすうであり、yy2ふくまない。

線型せんけいという用語ようごは、L[y]=y+p(x)y とおいたとき、L[ay1+by2]=aL[y1]+bL[y2]成立せいりつすることを意味いみする。この性質せいしつは、未知関数みちかんすう y とその導関数どうかんすう yせき非線型関数ひせんけいかんすうかいさずにあらわれることに対応たいおうする。たとえば

y+xy=1

一階線型いっかいせんけいである。一方いっぽう

y+y2=x

y2ふくむので、そのままでは一階線型いっかいせんけいではない。

4命題めいだい1:積分因子せきぶんいんし導出どうしゅつ

仮定かていとして、p,q対象区間たいしょうくかん連続れんぞくであり、

y+p(x)y=q(x)

かんがえる。μ対象区間たいしょうくかんで 0 にならず、

μ=μp(x)

たすなら、

(μy)=μq(x)

成立せいりつする。また、μ0 であるため、この変換後へんかんご方程式ほうていしきもと方程式ほうていしき同値どうちである。

4.1証明しょうめい

もと方程式ほうていしき両辺りょうへんμける。

μy+μp(x)y=μq(x)

仮定かてい μ=μp(x) により、左辺さへん

μy+μy

である。せき微分公式びぶんこうしき

(μy)=μy+μy

より、

(μy)=μq(x)

る。

ぎゃくに、(μy)=μq(x)せき微分公式びぶんこうしき展開てんかいし、μ=μp(x)代入だいにゅうすると、μy+μp(x)y=μq(x) となる。μ対象区間たいしょうくかんで 0 にならないため、μじょしてもと方程式ほうていしきる。

したがって一階線型いっかいせんけい要点ようてんは、μ=μp(x)たす μ決定けっていすることである。

5積分因子せきぶんいんしかたち

μ=μp(x)

μ0範囲はんい

μμ=p(x)

ける。両辺りょうへん積分せきぶんすると、

log|μ|=p(x)dx

である。したがって、積分因子せきぶんいんしとして

μ(x)=ep(x)dx

えらべばよい。積分定数せきぶんていすうれると μ定数倍ていすうばいくだけであり、最終的さいしゅうてきかい任意定数にんいていすう吸収きゅうしゅうされる。

6命題めいだい2:一般解いっぱんかい公式こうしき

仮定かていとして、p,q区間くかん I連続れんぞくであるとする。μ=ep(x)dx とおけば、一階線型方程式いっかいせんけいほうていしき

y+p(x)y=q(x)

かい

y=μ(x)q(x)dx+Cμ(x)

あたえられる。

6.1証明しょうめい

命題めいだい1より、

(μy)=μq(x)

である。両辺りょうへん積分せきぶんすると、

μy=μq(x)dx+C

である。μ=ep(x)dx は 0 にならないので、両辺りょうへんμって

y=μ(x)q(x)dx+Cμ(x)

る。

この証明しょうめいは、一般解いっぱんかい公式こうしきが、積分因子せきぶんいんしによって方程式ほうていしき直接積分ちょくせつせきぶんできるかたち変換へんかんした結果けっかであることをしめす。

7れい1:y+y=x

y+y=x

では p(x)=1,q(x)=x である。積分因子せきぶんいんし

μ=e1dx=ex

である。両辺りょうへんexけると、

exy+exy=xex

である。左辺さへん

(exy)

なので、

(exy)=xex

である。積分せきぶんして

exy=xexdx+C=(x-1)ex+C

る。したがって

y=x-1+Ce-x

である。

検算けんざんする。y=1-Ce-x だから、

y+y=(1-Ce-x)+(x-1+Ce-x)=x

となり、もと方程式ほうていしきたす。

8定数変化法ていすうへんかほうとの関係かんけい

定数変化法ていすうへんかほうvariation of constantsは、一階線型いっかいせんけいべつ角度かくどから方法ほうほうである。

まず非同次項ひどうじこう q(x) を 0 にした同次方程式どうじほうていしき

y+p(x)y=0

く。y=0 はこの同次方程式どうじほうていしきかいである。y0範囲はんいでは変数分離へんすうぶんりでき、

dyy=-p(x)dx

から

y=Ce-p(x)dx

る。C=0 とすれば、さき確認かくにんした零解れいかいもこの解族かいぞくふくまれる。

非同次方程式ひどうじほうていしきでは、この定数ていすう C関数かんすう C(x)える。

y=C(x)e-p(x)dx

とおく。ここで

μ=ep(x)dx

とすれば

μy=C(x)

である。積分因子法せきぶんいんしほう

(μy)=μq(x)

は、

C(x)=μq(x)

おな意味いみである。つまり定数変化法ていすうへんかほうは、同次解どうじかい定数ていすううごかして非同次項ひどうじこう対応たいおうする方法ほうほうであり、積分因子法せきぶんいんしほうおな構造こうぞうつ。

9線型作用素せんけいさようそによる表現ひょうげん

左辺さへん

L[y]=y+p(x)y

くと、一階線型方程式いっかいせんけいほうていしき

L[y]=q(x)

である。これは線型作用素せんけいさようそlinear operator方程式ほうていしきである。同次方程式どうじほうていしき L[y]=0かいかく kerL にあたり、非同次方程式ひどうじほうていしき一般解いっぱんかい

特殊解+同次解

かたちになる。

この作用素表現さようそひょうげんは、後続こうぞく二階線型方程式にかいせんけいほうていしき連立系れんりつけいでも使用しようする。

data/lecture/math/linear-operator/linear-operator-equation-basics.lecture.n.md

10適用範囲てきようはんい

この方法ほうほうは、方程式ほうていしき

y+p(x)y=q(x)

という線型せんけいかたち整理せいりできる場合ばあい適用てきようする。p,q区間くかん I連続れんぞくなら、I ないてん指定していした初期値しょきちたいし、I 全体ぜんたい一意いちいかい存在そんざいする。

一方いっぽう

y+p(x)y=q(x)yn

のように ynあらわれる場合ばあいは、そのままでは一階線型いっかいせんけいではない。ただし Bernoulli がたでは、置換ちかんによって一階線型いっかいせんけい帰着きちゃくできる場合ばあいがある。

data/lecture/math/differential-equations/bernoulli-equations.lecture.n.md

積分因子せきぶんいんしは、つぎ完全微分方程式かんぜんびぶんほうていしきでは、微分形式びぶんけいしき全微分ぜんびぶん変換へんかんする因子いんしとして一般化いっぱんかされる。

data/lecture/math/differential-equations/exact-differential-equations.lecture.n.md

11演習えんしゅうリンク

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