3方針
2 本のベクトルから始め、係数を変化させるとどの範囲が得られるかを確認する。そのあと、列ベクトルを並べた行列で判定する方法へ接続する。
data/lecture/math/linear-algebra/vector-operations.lecture.n.md
4直感的な説明
1 本の非零ベクトルを定数倍すると、原点を通る 1 本の直線が得られる。2 本の向きが異なるベクトルを組み合わせると、平面全体を作れる場合がある。
線型結合は、材料ベクトルから作成可能な全体を調査する操作である。
張る空間は単なる点の集まりではない。零ベクトルを含み、和とスカラー倍で閉じるため、部分空間になる。この性質により、列空間や基底を同じ言葉で記述できる。
5厳密な説明
v_1=(1,0)^T、v_2=(0,1)^T とする。このとき
av_1+bv_2=(a,b)^T
である。a,b を自由に選択できるため、\mathbb R^2 の任意のベクトルを表現できる。
一方、w_1=(1,1)^T、w_2=(2,2)^T では
aw_1+bw_2=(a+2b)(1,1)^T
であり、得られるのは直線だけである。2 本あっても、方向が重複していれば平面全体は張れない。
6よくある誤解
- ベクトルの本数が多ければ広い空間を張るとは限らない。方向の重複が重要である。
- 線型結合では、係数を任意に選択する。特定の係数 1 組だけを考察してはならない。
- 張る空間は材料ベクトルの配置で決定される。
7なぜ張る空間は部分空間か
材料ベクトルを v_1,\dots,v_k とする。まず、すべての係数を 0 にすれば、
0=0v_1+\cdots+0v_k
となるため、零ベクトルは張る空間に含まれる。つぎに、
x=\sum_{i=1}^k a_i v_i,
\qquad
y=\sum_{i=1}^k b_i v_i
がどちらも張る空間に属するとする。このとき、
x+y=\sum_{i=1}^k(a_i+b_i)v_i
であり、これも同じ材料ベクトルの線型結合である。したがって、張る空間は加法で閉じている。さらに、スカラー r に対して、
rx=\sum_{i=1}^k(ra_i)v_i
であるため、スカラー倍でも閉じている。ゆえに、張る空間は部分空間である。