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transport 方程式ほうていしき保存則ほぞんそく

date2026-07-15document_iddoc_7f11d4527ebc68a3ae7b3ba6d7a5d6e6descriptiontransport 方程式と保存則を、量の移流・保存・特性曲線・衝撃波への入口として整理する。prerequisites特性曲線法type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/partial-differential-equations/method-of-characteristics.lecture.n.md / data/lecture/math/partial-differential-equations/heat-wave-and-laplace-equations.lecture.n.md / data/lecture/math/partial-differential-equations/introduction-to-green-functions.lecture.n.md
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1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、transport 方程式ほうていしきりょうながれに沿って移動いどうするしきとして確認かくにんし、保存則ほぞんそくとの関係かんけい説明せつめいする。まえの Green 関数かんすうまでで二階線形にかいせんけい PDE の構成法こうせいほう確認かくにんしたので、ここでは特性曲線法とくせいきょくせんほうあつかった一階いっかい PDE へもどり、不連続ふれんぞくふく非線形問題ひせんけいもんだいまですすむ。

2基本形きほんけい

ut+cux=0

一定速度いっていそくど c形状けいじょう移動いどうする transport 方程式ほうていしきである。これは流束りゅうそくf(u)=cu とした保存則ほぞんそくでもある。特性曲線とくせいきょくせん x-ct=constant沿って u保存ほぞんされる。

初期条件しょきじょうけんu(x,0)=g(x) とすると、かい

u(x,t)=g(x-ct)

である。せいc なら波形はけいみぎ速度そくど c移動いどうする。熱方程式ねつほうていしきのようにかたちなめらかにくずれるのではなく、初期形状しょきけいじょう平行移動へいこういどうすることが特徴とくちょうである。

3保存則ほぞんそく

保存則ほぞんそくConservation law は、密度みつど u流束りゅうそく f(u)あいだ

ut+f(u)x=0

関係かんけいがあることをいう。u(x,t)単位長たんいちょうあたりの保存量ほぞんりょうf(u(x,t))単位時間たんいじかんてん x右向みぎむきに通過つうかするりょうあらわす。

4積分形せきぶんけいから PDE へ

区間くかん [a,b]ふくまれるりょうabu(x,t)dx とする。保存ほぞんされるりょう変化へんかは、端点たんてんから出入でいりする流束りゅうそく決定けっていされるため、

ddtabu(x,t)dx=f(u(a,t))-f(u(b,t))

となる。u十分じゅうぶんなめらかなら、積分せきぶん時間微分じかんびぶん微積分学びせきぶんがく基本定理きほんていりにより

ab(ut+f(u)x)dx=0

である。これがすべての [a,b]成立せいりつするため、ut+f(u)x=0る。これが積分形せきぶんけい局所化きょくしょかする、という意味いみである。ぎゃくに PDE を [a,b]積分せきぶんすれば積分形せきぶんけいもどる。

全実数直線ぜんじっすうちょくせんu(·,t)L1(R)、すなわち R|u(x,t)|dx< とし、f(u(x,t))0x± のとき成立せいりつするとする。さらに積分せきぶん時間微分じかんびぶん極限きょくげん交換こうかんできるだけ十分じゅうぶん正則性せいそくせい仮定かていすれば、a-b として

ddtRu(x,t)dx=0

る。つまり、局所的きょくしょてき流出入りゅうしゅつにゅうがあっても、無限遠むげんえんから流入りゅうにゅう流出りゅうしゅつしなければ総量そうりょう保存ほぞんされる。

5弱解じゃくかい積分形せきぶんけいたす

あとるように、非線形保存則ひせんけいほぞんそくではなめらかな初期値しょきちからも衝撃波しょうげきはしょうじうる。衝撃波しょうげきはでは ux通常つうじょう関数かんすうとして存在そんざいしないため、PDE を各点かくてんたす古典解こてんかいではなく、積分せきぶんとおして保存則ほぞんそくたす弱解じゃくかい使つかう。まず uf(u)局所可積分きょくしょかせきぶん、すなわち任意にんい有界ゆうかい時空領域じくうりょういき絶対値ぜったいち積分せきぶん有限ゆうげんであるとする。これは u,f(u)L1loc(R×[0,))く。

局所可積分きょくしょかせきぶん初期値しょきち gL1loc(R) による u(x,0)=g(x)たいし、t=0 までなめらかで、x 方向ほうこうt 方向ほうこう十分遠じゅうぶんとおくでは 0 になる試験関数しけんかんすう φCc(R×[0,))任意にんいる。このとき

0R(uφt+f(u)φx)dxdt+Rg(x)φ(x,0)dx=0

たす u弱解じゃくかいという。なめらかなかいなら、部分積分ぶぶんせきぶんによりこのしきもとの PDE と初期条件しょきじょうけんもどる。この定義ていぎu 自身じしん微分びぶん要求ようきゅうしないため、不連続ふれんぞくゆるす。

6有限伝播速度ゆうげんでんぱそくど

transport 方程式ほうていしきでは、初期分布しょきぶんぷ情報じょうほう特性曲線とくせいきょくせん沿って移動いどうする。この性質せいしつ熱方程式ねつほうていしき拡散かくさん対照的たいしょうてきである。不連続初期値ふれんぞくしょきちがある場合ばあいは、不連続ふれんぞく特性とくせい沿って伝播でんぱする。非線形保存則ひせんけいほぞんそく不連続ふれんぞくゆるしたあと有限伝播ゆうげんでんぱには、あとべる entropy 条件じょうけんによるかい選択せんたく必要ひつようである。

7非線形保存則ひせんけいほぞんそく特性とくせい交差こうさ

ut+f(u)x=0ut+f(u)ux=0ける。あたい u により特性速度とくせいそくど f(u)変化へんかするため、おおきいあたいちいさいあたいことなる速度そくどすすむ。特性とくせい交差こうさすると古典解こてんかい破綻はたんし、衝撃波しょうげきはふく弱解じゃくかい必要ひつようになる。

不連続ふれんぞく速度そくど s移動いどうし、左状態ひだりじょうたいuL右状態みぎじょうたいuR とすると、Rankine--Hugoniot 条件じょうけん

s=f(uL)-f(uR)uL-uR

である。実際じっさい不連続ふれんぞくをまたぐほそ時空領域じくうりょういき積分保存則せきぶんほぞんそく適用てきようすると

s(uL-uR)=f(uL)-f(uR)

という収支しゅうしる。これを uLuR のもとで s についていたものが Rankine--Hugoniot 条件じょうけんである。ただし、この条件じょうけんだけでは弱解じゃくかい一意いちいまらない。

8entropy 条件じょうけんと Burgers 方程式ほうていしき

このページであつか空間一次元くうかんいちじげんのスカラー保存則ほぞんそくでは、entropy 条件じょうけんEntropy condition は、複数ふくすう弱解じゃくかいから物理的ぶつりてき適切てきせつかい選択せんたくする許容条件きょようじょうけんである。標準的ひょうじゅんてき仮定かていのもとでは、微小びしょう粘性ねんせいくわえた

ut+f(u)x=εuxx,ε>0

ε0られる極限きょくげんが Kruzhkov entropy かい一致いっちする。この講義こうぎでは vanishing viscosity を選択原理せんたくげんりとして使用しようし、その極限きょくげん存在そんざい収束しゅうそく一意性いちいせい証明しょうめい射程外しゃていがいとする。f'(u)>0凸流束とつりゅうそくuL>uR の shock なら、Lax entropy 条件じょうけん

f(uL)>s>f(uR)

左右さゆう特性曲線とくせいきょくせんが shock へ流入りゅうにゅうすることを要求ようきゅうする。

ふたつの初期値しょきち g1,g2 と、それらに対応たいおうする entropy かい u1,u2共通きょうつう区間くかん Iあたいり、supvI|f(v)|[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]M< とする。標準的ひょうじゅんてき局所きょくしょ L1 収縮評価しゅうしゅくひょうかは、任意にんいa<bたいして

ab|u1(x,t)-u2(x,t)|dx[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]a-Mtb+Mt|g1(x)-g2(x)|dx

あたえる。したがって g1=g2[a-Mt,b+Mt]成立せいりつすれば、u1=u2時刻じこく t[a,b] でほとんどいたるところ成立せいりつする。この不等式ふとうしきが entropy かい有限伝播速度ゆうげんでんぱそくど厳密げんみつあらわす。局所収縮定理きょくしょしゅうしゅくていり証明しょうめいはこの講義こうぎ射程外しゃていがいである。

代表例だいひょうれいf(u)=u2/2 とした Burgers 方程式ほうていしき

ut+uux=0

である。初期値しょきちx<0uLx>0uR となる Riemann 問題もんだいかんがえる。uL=1uR=0 なら Rankine--Hugoniot 条件じょうけんから s=1/2 であり、1>s>0 なので entropy 条件じょうけんたす shock になる。反対はんたいuL=0uR=1 では特性とくせい扇状おうぎじょうひらき、t>0

u(x,t)= \begin{cases} 0, & x/t\le0,\\ x/t, & 0<x/t<1,\\ 1, & x/t\ge1 \end{cases}

という希薄波きはくは (rarefaction wave) が entropy かいになる。

9図式ずしきによる確認かくにん

定係数ていけいすう transport では、特性曲線とくせいきょくせんx-ct=constant平行線へいこうせんである。非線形保存則ひせんけいほぞんそくでは、特性とくせいかたむきが u依存いぞんする。扇状おうぎじょうひろがれば rarefaction、交差こうさすれば shock が発生はっせいする。この図式ずしき特性曲線法とくせいきょくせんほう保存則ほぞんそく接続せつぞくする。

10どこまで成立せいりつするか

非線形保存則ひせんけいほぞんそくでは、弱解じゃくかい存在そんざいだけでなく、entropy 条件じょうけんによる一意性いちいせい初期値しょきちへの安定性あんていせい、shock 同士どうし相互作用そうごさよう調しらべる理論りろん必要ひつようになる。このページでは空間一次元くうかんいちじげん凸流束とつりゅうそくへの入口いりぐちだけをあつかった。

11関連かんれんリンク

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