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不等式の次数と定石md d0c296a
lecture/math/algebra/homogeneity-and-standard-inequality-techniques.lecture.n.md
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不等式の次数と定石
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1導入
この講義では、不等式の両辺の次数を比較し、同次性に基づいて解法を選ぶ方法を説明する。
次数がそろっている不等式では、拡大縮小しても真偽が変わらない。そのため、x+y=1 や y=1 のような正規化が使える場合がある。
次数がそろっていない不等式では、大きさそのものが効くので、平方完成、場合分け、制約による同次化を考える。
2分類
| 形 | 最初に見ること | 定石 |
| 同次 | 全体の倍率で変わらないか | 正規化、比への帰着 |
| 二次 | 平方に直せるか | 平方完成、平方和完成 |
| 積と和 | AM-GM が使えるか | 平均の大小関係 |
| 制約つき | 定数を式に戻せるか | 同次化 |
| 符号が不明 | 割る量の符号 | 場合分け |
3命題 1:同次不等式を正規化できる条件
3.1仮定
F,G が同じ d 次の正同次関数で、S が 1 次の正同次関数であるとする。考える範囲を \Omega とし、x\in\Omega,\ \lambda>0 なら \lambda x\in\Omega であるとする。また \Omega 上で S(x)>0 とする。
3.2結論
F(x)\le G(x)
を示すには、S(x)=1 の場合を示せば十分である。
3.3証明
x\in\Omega を任意に取る。S(x)>0 なので、\lambda=1/S(x)>0 と置ける。仮定より \lambda x\in\Omega であり、このとき
S(\lambda x)=\lambda S(x)=1
である。仮定により、S(u)=1 を満たす任意の u で F(u)\le G(u) が成立する。そこで u=\lambda x とすれば、
F(\lambda x)\le G(\lambda x)
である。同次性より
\lambda^dF(x)\le\lambda^dG(x)
であり、\lambda^d>0 だから F(x)\le G(x) を得る。□
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4公式 1:2 変数二次形式の平方和完成
4.1仮定
q(x,y)=ax^2+2bxy+cy^2、a>0 とする。
4.2結論
q(x,y)\ge0 を示したいときは、
q(x,y)=a\left(x+\frac{b}{a}y\right)^2+\frac{ac-b^2}{a}y^2
を見ればよい。
5次数が違うと何が変わるか
たとえば
x^2+y^2\ge2xy
は 2 次の同次不等式である。比だけが本質なので、y>0 なら t=x/y と置ける。
一方、
x^2+y^2\ge x+y
は次数がそろっていない。x,y を大きくすると左辺は速く大きくなるが、x,y を 0 に近づけると右辺のほうが大きくなりやすい。この場合は正規化ではなく、領域や制約を確認する。
6見分け方
- 全部の項が同じ次数なら、同次性を使う。
- 2 次なら、平方完成や二次形式を使う。
- 積の形が出たら、AM-GM を考える。
- 定数があるが x+y=1 などの制約があるなら、制約で同次化する。
- 文字で割る前に、0 でないか、正か負かを確認する。
7一言でいうと
不等式の定石は、形ではなく次数と符号から選ぶ。同次なら正規化、二次なら平方和完成、積と和なら平均の不等式を見る。