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同次関数と不等式md bb57b8e
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同次関数どうじかんすう不等式ふとうしき

date2026-07-14document_iddoc_3c3ac73aa84692834c4451e9d0b08266description同次関数を不等式で使う理由を、正規化・比への帰着・制約による同次化から整理する講義である。prerequisites同次関数と同次式 / 不等式の基本 / 多項式type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/algebra/homogeneous-functions-and-expressions.lecture.n.md / data/lecture/math/algebra/inequality-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/algebra/mean-inequalities-and-homogeneity.lecture.n.md / data/lecture/math/algebra/homogeneity-and-standard-inequality-techniques.lecture.n.md / data/lecture/math/algebra/polynomials.lecture.n.md
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1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、同次性どうじせい不等式ふとうしき計算技法けいさんぎほうとして使つかうことを説明せつめいする。

不等式ふとうしき複数ふくすう変数へんすうると、どの変数へんすう基準きじゅんにすればよいかがえにくい。しかし両辺りょうへんおな次数じすう同次式どうじしきなら、すべての変数へんすうせい倍率ばいりつ同時どうじ拡大かくだいしても不等式ふとうしき真偽しんぎわらない。

そのため、同次不等式どうじふとうしきでは

x+y=1,y=1,x2+y2=1

のように規模きぼ固定こていしてよい場合ばあいがある。この操作そうさ正規化せいきかという。

ただし、これは暗黙あんもく裏技うらわざではない。同次性どうじせいがあり、さらに固定こていしたいりょうが 0 でなくせい倍率ばいりつ目標もくひょうあたい到達とうたつできるから正規化せいきかできる。同次性どうじせいがない不等式ふとうしきや、0 になるりょう基準きじゅんにした正規化せいきかでは、勝手かって規模きぼ固定こていしてはいけない。

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2なぜ同次性どうじせい不等式ふとうしきくのか

たとえば

x2+y2[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]2xy

かんがえる。両辺りょうへんはどちらも 2 である。x,y同時どうじλ ばいすると、

(λx)2+(λy)2=λ2(x2+y2)

かつ

2(λx)(λy)=λ2(2xy)

である。両辺りょうへんおなλ2 ばいになるので、λ>0 なら大小関係だいしょうかんけいわらない。

このように、同次不等式どうじふとうしきではおおきさそのものよりも、方向ほうこう本質ほんしつになる。

3用語ようご定義ていぎ

3.1同次不等式どうじふとうしき

F(x),G(x)おなd 正同次関数せいどうじかんすうであるとき、

F(x)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]G(x)

かたち不等式ふとうしきを、このページでは d 同次不等式どうじふとうしきぶ。

このかた大切たいせつなのは、左辺さへん右辺うへん次数じすうおなじであることだ。次数じすうちがうと、拡大縮小かくだいしゅくしょう片方かたほうだけがよりはやおおきくなるため、正規化せいきか使つかえない。

4命題めいだい 1:同次不等式どうじふとうしきせい拡大縮小かくだいしゅくしょう真偽しんぎわらない

4.1仮定かてい

F,Gd 正同次関数せいどうじかんすうであるとする。つまり、λ>0 について

F(λx)=λdF(x),G(λx)=λdG(x)

成立せいりつするとする。

4.2結論けつろん

F(x)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]G(x)

は、λ>0たいして

F(λx)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]G(λx)

同値どうちである。

4.3証明しょうめい

同次性どうじせいより、

F(λx)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]G(λx)

λdF(x)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]λdG(x)

おなじである。λ>0 なので λd>0 である。したがってせいかず λdっても不等号ふとうごうきはわらず、

F(x)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]G(x)

る。ぎゃくおな計算けいさんである。□

この命題めいだいにより、同次不等式どうじふとうしきではせい拡大縮小かくだいしゅくしょう真偽しんぎわらないことがかる。

ただし、ここから「きな正規化せいきかをしてよい」と結論けつろんしてはいけない。正規化せいきかには、固定こていしたいりょうが 0 でなく、さらにせい倍率ばいりつでそのあたい到達とうたつできることが必要ひつようである。

5命題めいだい 2:正規化せいきかできる条件じょうけん

5.1仮定かてい

1 正同次関数せいどうじかんすう S(x) があり、かんがえている範囲はんいS(x)>0 とする。このとき、x0たいして

λ=1S(x)

く。

5.2結論けつろん

λ>0 であり、

S(λx)=λS(x)=1

である。したがって、この範囲はんいでは S(x)=1正規化せいきかしてよい。

5.3証明しょうめい

仮定かていより S(x)>0 だから、λ=1/S(x)せいである。また S は 1 正同次関数せいどうじかんすうなので、

S(λx)=λS(x)

である。ここに λ=1/S(x)代入だいにゅうすると、

S(λx)=1S(x)S(x)=1

となる。□

たとえば x+y>0範囲はんいでは x+y=1正規化せいきかできる。y>0範囲はんいでは y=1正規化せいきかできる。y=0x+y=0場合ばあいは、その正規化せいきかではあつかえないのでべつ確認かくにんする。

6命題めいだい 3:2 変数へんすう同次不等式どうじふとうしき帰着きちゃくできる

6.1仮定かてい

F(x,y),G(x,y)おなd 正同次関数せいどうじかんすうであり、y>0 とする。

6.2結論けつろん

F(x,y)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]G(x,y)

は、t=x/yくと

F(t,1)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]G(t,1)

同値どうちである。

6.3証明しょうめい

y>0 なので、λ=1/yける。命題めいだい 1 と命題めいだい 2 より

F(x,y)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]G(x,y)

F(xy,1)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]G(xy,1)

同値どうちである。t=x/yけば、

F(t,1)[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]G(t,1)

である。□

この命題めいだい使つかうと、2 変数へんすう同次不等式どうじふとうしきを 1 変数へんすう不等式ふとうしきとせる。

7れい 1:x,y[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]0x2+y2[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]2xy

不等式ふとうしき

x2+y2[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]2xy

は 2 同次不等式どうじふとうしきである。ここでは x,y[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]0 とする。

y>0場合ばあいt=x/yくと、

t2+1[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]2t

しめせばよい。これは

t2-2t+1=(t-1)2[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]0

である。y=0場合ばあいは、もとのしきx2[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]0 となりあきらかである。

この解法かいほうおもいつく理由りゆうは、両辺りょうへんおな次数じすうであり、y>0 なら y=1正規化せいきかしてだけをればよいからである。

8命題めいだい 4:制約せいやく S(x)=1もと多項式たこうしき同次化どうじかできる

8.1状況じょうきょう

非同次ひどうじ不等式ふとうしきでも、

x+y=1

のような制約せいやくがあるときは、その制約せいやくうえでだけおなあたい同次式どうじしきなおせることがある。不等式ふとうしき P[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]Q では、P-Q[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]0るか、両辺りょうへん共通きょうつう次数じすう同次化どうじかする。

8.2主張しゅちょう

S を 1 同次多項式どうじたこうしきとし、制約せいやく S(x)=1もと不等式ふとうしきかんがえる。

多項式たこうしき

P=P0+P1++Pd

同次成分どうじせいぶん分解ぶんかいする。このとき、制約せいやく S(x)=1たすてんでは

P(x)=P0(x)S(x)d+P1(x)S(x)d-1++Pd(x)

である。右辺うへんd 同次式どうじしきである。

8.3証明しょうめい

S(x)=1 なので、任意にんいk について

S(x)k=1

である。したがって

Pk(x)=Pk(x)S(x)d-k

である。これを k=0,,dすと主張しゅちょうられる。

また、Pkk Sd-kd-k なので、せき PkSd-kd である。よって右辺うへんd 同次式どうじしきである。□

この命題めいだいは、制約せいやくそとでもおな関数かんすうになると主張しゅちょうしているわけではない。制約せいやく S(x)=1たすてんでだけ、もと多項式たこうしき同次化どうじかしたしき一致いっちする、という主張しゅちょうである。

9れい 2:x+y=1もとxy[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]1/4

制約せいやく

x+y=1,x[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]0,y[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]0

もと

xy[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]14

しめしたいとする。

この不等式ふとうしきには定数ていすう 1/4 があるので、そのままでは同次どうじではない。しかし制約せいやく x+y=1 があるので、1x+yえられる。

xy[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]14

4xy[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]1

であり、1=(x+y)2 だから、

4xy[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")](x+y)2

しめせばよい。これは

(x+y)2-4xy=x2-2xy+y2=(x-y)2[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]0

である。

この変形へんけいは、定数ていすう適当てきとうえたのではない。制約せいやく x+y=1 があるため、1x+yおなあたいつ。その情報じょうほう使つかって同次化どうじかしたのである。

10れい 3:[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")]x2+y2x+y最小値さいしょうち

x>0,y>0 とし、

E=x2+y2x+y

かんがえる。これは分子ぶんしが 2 分母ぶんぼが 1 なので、全体ぜんたいとしては 1 正同次関数せいどうじかんすうである。つまり

E(λx,λy)=λE(x,y)

である。

そのため、制約せいやくなしに「最小値さいしょうち」をもとめると問題もんだいこわれる。実際じっさいλ0 とすると E(λx,λy)0 である。

最小値さいしょうち意味いみあるかたちうには、たとえば

x+y=1

のように規模きぼ固定こていする必要ひつようがある。この制約せいやくもとでは

E=x2+y2

なので、

x2+y2=(x+y)2-2xy=1-2xy

である。xy[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"le\")")]1/4 より、

x2+y2[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]1-12=12

である。等号とうごうx=y=1/2成立せいりつする。

このれいは、正同次関数せいどうじかんすうでは「規模きぼ固定こていしないと最大最小さいだいさいしょう意味いみたないことがある」ことをしめしている。

11よくあるあやま

11.11. 次数じすうちがうのに正規化せいきかする

x2+y2[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"ge\")")]x+y

両辺りょうへん次数じすうちがう。左辺さへんは 2 右辺うへんは 1 である。したがって、同次不等式どうじふとうしきとして正規化せいきかしてはいけない。

11.22. 0 になるりょう

y=1正規化せいきかするには、y0必要ひつようである。y=0場合ばあいべつ確認かくにんしないと、かいとすことがある。

11.33. せいでない倍率ばいりつ使つか

不等式ふとうしきでは、かずけると不等号ふとうごうきがわる。そのため、正規化せいきかでは通常つうじょう λ>0使つかう。

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12一言ひとことでいうと

同次不等式どうじふとうしきでは、全体ぜんたいおおきさではなく方向ほうこう本質ほんしつになる。だから正規化せいきかして変数へんすうらせる。制約せいやくがある非同次ひどうじ不等式ふとうしきでは、その制約せいやく使つかって同次化どうじかできることがある。

13関連かんれんリンク

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