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アフィン空間と条件決定md a58ff11
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アフィン空間くうかん条件決定じょうけんけってい

date2026-07-07document_iddoc_432a7005dfd4e2433b9671a4523b069adescription線型作用素方程式の解集合をアフィン空間として説明し、任意定数が条件からできる正則な行列によって一意に決まる理由を証明する。prerequisites線型作用素方程式 / ベクトル空間 / 連立一次方程式type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/linear-operator/linear-operator-equation-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-operator/solvability-and-uniqueness-of-linear-operator-equations.lecture.n.md / data/lecture/math/differential-equations/initial-and-boundary-value-problems.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/linear-maps-and-matrices.lecture.n.md
mathlinear-operatoraffine-spaceboundary-conditionslecture

1導入どうにゅう

このページの目的もくてきは、非同次方程式ひどうじほうていしきかい集合しゅうごう

xp+kerL

を、アフィン空間くうかんとして丁寧ていねいむことである。

結論けつろんさきうと、一般解いっぱんかいn 任意定数にんいていすうあらわれるのは、かくn 次元じげんだからである。しかし、n 条件じょうけんけば自動的じどうてきまるわけではない。条件じょうけん代入だいにゅうしてできる連立一次方程式れんりついちじほうていしき係数行列けいすうぎょうれつ正則せいそくであるときにだけ、任意定数にんいていすう一意いちいまる。

ただし、ここでいう独立どくりつ条件じょうけんとは、言葉ことば雰囲気ふんいきではない。任意定数にんいていすうかんする連立一次方程式れんりついちじほうていしき係数行列けいすうぎょうれつ正則せいそくである、という意味いみである。

なぜアフィン空間くうかんという言葉ことばすのか。理由りゆうは、非同次方程式ひどうじほうていしきかいを 2 つくらべると、かなら同次方程式どうじほうていしきかいになるからである。かいそのものはしてもかいにならないが、かいどうしのかくはいる。この観察かんさつかたちにすると、「1 つの特殊解とくしゅかい基準点きじゅんてんにして、かく方向ほうこううごかす」というになる。このがアフィン空間くうかんである。

条件じょうけんについてもおなじである。一般解いっぱんかい任意定数にんいていすうのこっているとき、条件じょうけん代入だいにゅうすると、その任意定数にんいていすうについての方程式ほうていしきる。条件じょうけん独立どくりつなら、ちが方向ほうこう自由度じゆうど別々べつべつめられる。ここでの本質ほんしつは、条件じょうけん本数ほんすうではなく、条件行列じょうけんぎょうれつ逆行列ぎゃくぎょうれつつことである。

data/lecture/math/linear-operator/linear-operator-equation-basics.lecture.n.md

2定義ていぎ:アフィン空間くうかん

V をベクトル空間くうかんUV部分空間ぶぶんくうかんx0V とする。このとき

x0+U={x0+uuU}

を、U方向ほうこうにもつアフィン空間くうかんという。

ここで x0基準点きじゅんてんであり、Uうごける方向ほうこう集合しゅうごうである。ベクトル空間くうかん0ふくむが、アフィン空間くうかん一般いっぱんには 0ふくまない。

たとえば、R2なか

{(1,t)tR}

縦方向たてほうこうびる直線ちょくせんである。この直線ちょくせん原点げんてんとおらないので、ベクトル空間くうかんではない。しかし、(1,0)部分空間ぶぶんくうかん {(0,t)tR}したものなので、アフィン空間くうかんである。

3命題めいだい 1:アフィン空間くうかんではてん方向ほうこうになる

3.1主張しゅちょう

A=x0+U とする。x,yA なら

x-yU

である。ぎゃくに、xAuU なら x+uA である。

3.2証明しょうめい

x,yA だから、ある u,vU存在そんざいして

x=x0+u,y=x0+v

ける。したがって

x-y=(x0+u)-(x0+v)=u-v

である。U部分空間ぶぶんくうかんなので u-vU である。よって x-yU である。

ぎゃくに、xA なら x=x0+vける。uU なら

x+u=x0+(v+u)

であり、v+uU だから x+uA である。□

この命題めいだい意味いみは、アフィン空間くうかんではてんそのものではなく、てんどうしのがベクトル空間くうかん方向ほうこうとしてあらわれる、ということである。

4命題めいだい 2:基準点きじゅんてんえらかた本質ほんしつではない

4.1主張しゅちょう

A=x0+U とし、x1A とする。このとき

A=x1+U

である。

4.2証明しょうめい

x1A だから、ある u1U存在そんざいして

x1=x0+u1

ける。

まず zx0+U とする。すると z=x0+uける。ここで

z=x0+u=x1+(u-u1)

であり、u-u1U だから zx1+U である。よって x0+Ux1+U である。

ぎゃくに、zx1+U とする。すると z=x1+vける。x1=x0+u1 なので

z=x0+(u1+v)

であり、u1+vU だから zx0+U である。よって x1+Ux0+U である。

したがって x0+U=x1+U である。□

これは微分方程式びぶんほうていしきで「特殊解とくしゅかいは 1 つければよい」と理由りゆうである。特殊解とくしゅかいべつのものにえても、そこに同次解どうじかいした全体ぜんたいわらない。

5定理ていり 1:線型作用素方程式せんけいさようそほうていしきかい集合しゅうごうはアフィン空間くうかんである

5.1主張しゅちょう

L:VW線型作用素せんけいさようそとし、Lx=yかい xpつとする。このときかい集合しゅうごう

xp+kerL

であり、kerL方向ほうこうにもつアフィン空間くうかんである。

5.2証明しょうめい

hkerL なら

L(xp+h)=Lxp+Lh=y+0=y

なので xp+hかいである。

ぎゃくに、xLx=yかいなら

L(x-xp)=Lx-Lxp=y-y=0

なので x-xpkerL である。したがって、ある hkerL によって

x=xp+h

ける。よってかい集合しゅうごうxp+kerL である。これは定義ていぎよりアフィン空間くうかんである。□

6任意定数にんいていすうはどこからるか

kerLn 次元じげんで、基底きてい

h1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],hn

であるとする。このとき、すべての同次解どうじかい hkerL

h=c1h1++cnhn

一意いちいける。したがって、非同次方程式ひどうじほうていしき Lx=y一般解いっぱんかい

x=xp+c1h1++cnhn

である。

ここで c1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],cnn 任意定数にんいていすうである。任意定数にんいていすう計算けいさん副産物ふくさんぶつではない。kerL次元じげん座標ざひょうあらわしたものである。

7定理ていり 2:条件行列じょうけんぎょうれつ正則せいそくなら任意定数にんいていすう一意いちいまる

7.1主張しゅちょう

一般解いっぱんかい

x=xp+c1h1++cnhn

けているとする。B1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],Bn:VK線型写像せんけいしゃぞうとし、条件じょうけん

Bi(x)=βi(i=1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],n)

す。

行列ぎょうれつ A=(aij)

aij=Bi(hj)

定義ていぎする。この A正則せいそくなら、条件じょうけんたす任意定数にんいていすう c1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],cn一意いちいまる。

このとき、B1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],Bnh1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],hn方向ほうこう区別くべつできる独立どくりつ条件じょうけんである、という。

7.2証明しょうめい

一般解いっぱんかい条件じょうけん代入だいにゅうする。Bi線型せんけいなので

Bi(x)=Bi(xp)+c1Bi(h1)++cnBi(hn)

である。したがって条件じょうけん Bi(x)=βi

c1Bi(h1)++cnBi(hn)=βi-Bi(xp)

という任意定数にんいていすうについての連立一次方程式れんりついちじほうていしきになる。

右辺うへん

bi=βi-Bi(xp)

けば、これは

A(c1cn)=(b1bn)

である。A正則せいそくなら逆行列ぎゃくぎょうれつ A-1存在そんざいするので、

(c1cn)=A-1(b1bn)

一意いちいまる。□

8条件じょうけん独立どくりつでないとどうなるか

条件じょうけんn あっても、独立どくりつでなければ一意いちいにはまらない。

たとえば

y=Ax+B

たいして

y(0)=0,y(1)=0

すと、どちらの条件じょうけんA=0 だけを意味いみする。Bまらない。つまり、条件じょうけんは 2 あっても、任意定数にんいていすう A,B区別くべつする情報じょうほうとしては 1 ぶんしかない。

一方いっぽう

y(0)=0,y(1)=1

なら、B=0A+B=1 となり、A=1,B=0一意いちいまる。この 2 条件じょうけんは、AB両方りょうほう区別くべつできる。

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9微分方程式びぶんほうていしきでの

n かい線型微分方程式せんけいびぶんほうていしき同次解どうじかい空間くうかんn 次元じげんなら、一般解いっぱんかいには n 任意定数にんいていすうあらわれる。

初期条件しょきじょうけん

y(x0)=a0,y(x0)=a1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],y(n-1)(x0)=an-1

すとする。同次方程式どうじほうていしき基本解きほんかいh1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],hn とすれば、任意定数にんいていすう係数行列けいすうぎょうれつ

(h1(x0)h2(x0)hn(x0)h1(x0)h2(x0)hn(x0)h1(n-1)(x0)h2(n-1)(x0)hn(n-1)(x0))

である。この行列ぎょうれつ行列式ぎょうれつしきWronskianWronskianという。したがって、初期条件しょきじょうけん任意定数にんいていすう一意いちいまる理由りゆうは、「任意定数にんいていすうn 条件じょうけんn だから」ではない。そのてんで Wronskian が 0 でなく、条件行列じょうけんぎょうれつ正則せいそくだからである。

標準的ひょうじゅんてき線型せんけい ODE では、係数けいすう連続れんぞくで、h1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],hn基本解系きほんかいけいであれば、Wronskian はかんがえている区間くかんで 0 にならない。この非零性ひれいせいが、初期条件しょきじょうけんから任意定数にんいていすうける根拠こんきょである。

ただし、境界条件きょうかいじょうけんでは条件じょうけん本数ほんすうだけでは十分じゅうぶんでない。おな情報じょうほう重複ちょうふくしている条件じょうけんたがいに矛盾むじゅんする条件じょうけん、または固有値問題こゆうちもんだいのように非自明解ひじめいかい条件じょうけんがあるからである。

10つぎむページ

かい個数こすう一意性いちいせい階数かいすう逆作用素ぎゃくさようそ行列ぎょうれつとの対応たいおうを、かくぞうから判定はんていする。

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11一言ひとことでいうと

非同次ひどうじ線型方程式せんけいほうていしきかい集合しゅうごうは、特殊解とくしゅかい基準点きじゅんてんとし、かく方向ほうこうにもつアフィン空間くうかんである。任意定数にんいていすうかく座標ざひょうであり、条件行列じょうけんぎょうれつ正則せいそく条件じょうけんはその座標ざひょう一意いちいめる。ODE では、この正則性せいそくせいを Wronskian が 0 でないこととして確認かくにんする。

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