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多項式作用素と固有値問題md 4ec75fe
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多項式作用素たこうしきさようそpolynomial operator固有値問題こゆうちもんだいeigenvalue problem

mathlinear-operatorpolynomial-operatoreigenvaluelecture

1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、特性方程式とくせいほうていしきcharacteristic equation突然とつぜんあらわれる公式こうしきではなく、線型作用素せんけいさようそlinear operator多項式たこうしきpolynomial調しらべる問題もんだいから自然しぜんることを確認かくにんするてんにある。

1 つの線型作用素せんけいさようそlinear operator T:VV があるとき、多項式たこうしき

p(t)=a0+a1t++amtm

から

p(T)=a0I+a1T++amTm

つくれる。すると

p(T)x=y

も、まえ講義こうぎおなLx=y かた線型作用素方程式せんけいさようそほうていしきlinear operator equationである。つまり、るべき本質ほんしつはやはり

kerp(T),Imp(T)

である。

2用語ようご定義ていぎ

T:VV線型作用素せんけいさようそlinear operatorとする。T0=ITk+1=TTk定義ていぎする。

多項式作用素たこうしきさようそpolynomial operatorとは、多項式たこうしき p(t)=a0+a1t++amtmたいして

p(T)=a0I+a1T++amTm

定義ていぎされる線型作用素せんけいさようそlinear operatorである。

固有値こゆうちeigenvalue λ固有こゆうベクトルeigenvector v

Tv=λv,v0

たすくみである。

3方針ほうしん

この講義こうぎでは、つぎじゅんむ。

  1. p(T)ふたた線型作用素せんけいさようそlinear operatorであることを証明しょうめいする。
  2. p(T)x=y可解性かかいせい一般解いっぱんかいを、かくkernelぞうimageむ。
  3. Tv=λv なら p(T)v=p(λ)v であることを証明しょうめいする。
  4. 定数ていすう係数けいすう漸化式ぜんかしき微分方程式びぶんほうていしきで、なぜ特性とくせい方程式ほうていしきるかを説明せつめいする。

4命題めいだい 1:p(T)線型作用素せんけいさようそlinear operatorである

4.1主張しゅちょう

T:VV線型作用素せんけいさようそlinear operatorなら、任意にんい多項式たこうしき p(t)たいして p(T)線型作用素せんけいさようそlinear operatorである。

4.2証明しょうめい

まず T線型せんけいlinearなら、合成ごうせい Tk線型せんけいlinearである。これは k についての帰納法きのうほうしめせる。T0=I線型せんけいであり、Tk線型せんけいなら Tk+1=TTk線型せんけいである。

つぎに、線型せんけい作用素さようそ線型結合せんけいけつごうlinear combination線型せんけいである。実際じっさいS1,,Sm線型せんけいで、c1,,cm がスカラーなら

(iciSi)(αx+βy)=iciSi(αx+βy)=αiciSi(x)+βiciSi(y)

である。

したがって

p(T)=a0I+a1T++amTm

線型せんけいである。

5命題めいだい 2:p(T)x=y一般いっぱんLx=yおな

5.1主張しゅちょう

L=p(T)くと、方程式ほうていしき

p(T)x=y

可解かかい条件じょうけん

yImp(T)

である。また、かい xp が 1 つつかれば、かい全体ぜんたい

x=xp+h,hkerp(T)

である。

5.2証明しょうめい

まえ講義こうぎ定理ていり 1(可解性かかいせい)と定理ていり 2(一般解いっぱんかい)を L=p(T)適用てきようするだけである。p(T)命題めいだい 1 により線型作用素せんけいさようそlinear operatorであるため、Lx=y一般論いっぱんろんをそのまま使用しようできる。

このてん重要じゅうようである。p(T) という記号きごう複雑ふくざつでも、方程式ほうていしきかたわっていない。可解性かかいせいぞうimage自由度じゆうどかくkernelまる。

6命題めいだい 3:固有こゆうベクトルeigenvectorうえp(T)p(λ) になる

6.1主張しゅちょう

Tv=λvv0 とする。このとき任意にんい多項式たこうしき p について

p(T)v=p(λ)v

である。

6.2証明しょうめい

まず Tkv=λkvk について帰納法きのうほうしめす。k=0 では T0v=Iv=v=λ0v である。Tkv=λkv仮定かていすると

Tk+1v=T(Tkv)=T(λkv)=λkTv=λkλv=λk+1v

である。

したがって

\begin{aligned} p(T)v &=(a_0I+a_1T+\cdots+a_mT^m)v\\ &=a_0v+a_1Tv+\cdots+a_mT^mv\\ &=a_0v+a_1\lambda v+\cdots+a_m\lambda^m v\\ &=p(\lambda)v \end{aligned}

である。

7特性方程式とくせいほうていしき理由りゆう

命題めいだい 3 から、もし p(λ)=0 なら

p(T)v=p(λ)v=0

である。したがって

vkerp(T)

である。つまり、p(T)x=0かいさがすとき、T固有こゆうベクトルeigenvector使つかうと、作用素さようそ方程式ほうていしきかず方程式ほうていしき

p(λ)=0

ちる。

これが特性方程式とくせいほうていしきcharacteristic equation抽象的ちゅうしょうてき理由りゆうである。特性とくせい方程式ほうていしきは「たまたまためしき」ではなく、固有値問題こゆうちもんだいeigenvalue problem作用素さようそをスカラーへ還元かんげんするためのしきである。

8れい 1:漸化式ぜんかしきrecurrence relationシフト作用素さようそshift operator

れつ a=(an)たいして、シフト作用素さようそshift operator E

(Ea)n=an+1

定義ていぎする。定数ていすう係数けいすう線型せんけい漸化式ぜんかしき

an+2-c1an+1-c2an=0

(E2-c1E-c2I)a=0

ける。ここで

p(t)=t2-c1t-c2

けば、これは

p(E)a=0

である。

指数しすうかたれつ rn

E(rn)=rn+1=rrn

たすので、E固有列こゆうれつeigen-sequenceである。よって

p(E)(rn)=p(r)rn

である。したがって rnかいになる条件じょうけん

p(r)=0

である。これが定数ていすう係数けいすう線型せんけい漸化式ぜんかしき特性とくせい方程式ほうていしきである。

data/lecture/math/sequence/shift-operators-and-recurrences.lecture.n.md

9れい 2:微分作用素びぶんさようそdifferential operator定数ていすう係数けいすう ODE

なめらかな関数かんすう空間くうかんで、微分作用素びぶんさようそdifferential operator D

Df=f

定義ていぎする。定数ていすう係数けいすう線型せんけい微分方程式びぶんほうていしき

ay'+by+cy=0

(aD2+bD+cI)y=0

ける。

指数関数しすうかんすう erx

D(erx)=rerx

たすので、D固有関数こゆうかんすうeigenfunctionである。よって

(aD2+bD+cI)erx=(ar2+br+c)erx

である。したがって erxかいになる条件じょうけん

ar2+br+c=0

である。これは二階にかい定数ていすう係数けいすう微分方程式びぶんほうていしき特性とくせい方程式ほうていしきである。

data/lecture/math/differential-equations/second-order-linear-constant-coefficient-odes.lecture.n.md

10同伴行列どうはんぎょうれつとの関係かんけい

モニック多項式たこうしき

p(t)=tn+cn-1tn-1++c1t+c0

たいして、同伴行列どうはんぎょうれつcompanion matrixは、p(t)特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomialとしてつようにつくられる行列ぎょうれつである。

同伴どうはん行列ぎょうれつ重要じゅうようなのは、抽象的ちゅうしょうてき多項式たこうしき p(t) を「ある線型せんけい作用素さようそ固有値問題こゆうちもんだい」として実現じつげんする標準ひょうじゅんモデルになるからである。漸化式ぜんかしきでは、状態じょうたいベクトル

(an+k-1an+k-2an)

を 1 すすめる行列ぎょうれつ同伴どうはん行列型ぎょうれつがたになる。すると、漸化式ぜんかしき特性とくせい方程式ほうていしき同伴どうはん行列ぎょうれつ固有値問題こゆうちもんだい一致いっちする。

ここで混同こんどうしてはならないのは、同伴どうはん行列ぎょうれつは「多項式たこうしき作用素さようそ p(T)一般いっぱん定義ていぎ」ではなく、特定とくてい多項式たこうしき行列ぎょうれつ特性とくせい多項式たこうしきとして実現じつげんする具体的ぐたいてき模型もけいだというてんである。一般論いっぱんろんp(T)kerp(T) であり、同伴どうはん行列ぎょうれつはそれを座標ざひょう実現じつげんする代表例だいひょうれいである。

data/lecture/math/linear-algebra/companion-matrix-basics.lecture.n.md

11どこまで成立せいりつするか

p(T)定義ていぎは、Tおな空間くうかん V から Vもど線型作用素せんけいさようそlinear operatorであるときに成立せいりつする。T:VWVWことなる場合ばあい一般いっぱんには T2定義ていぎできないため、多項式たこうしき p(T) はそのままつくれない。

また、p(λ)=0 から vkerp(T)したがうが、kerp(T) のすべてが単純たんじゅん固有こゆうベクトルだけでられるとはかぎらない。重根じゅうこん対角化たいかくか不能ふのう場合ばあいには、一般化いっぱんか固有こゆうベクトルgeneralized eigenvectorや Jordan 構造こうぞうあらわれる。このてんは、一般化いっぱんかまえ固有こゆうベクトルだけの議論ぎろんと、一般化いっぱんかのち一般化固有空間いっぱんかこゆうくうかんgeneralized eigenspace議論ぎろんけてあつか必要ひつようがある。

12最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]p(T)=a0I+a1T++amTm
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]p(T)x=yissolvableyImp(T)
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]p(T)xp=y{xp(T)x=y}=xp+kerp(T)
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]Tv=λvp(T)v=p(λ)v
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]p(λ)=0vkerp(T)

13一言ひとことでいうと

特性方程式とくせいほうていしきcharacteristic equationは、線型作用素せんけいさようそlinear operator多項式たこうしきpolynomial p(T)固有こゆうベクトルeigenvectorうえかず方程式ほうていしき p(λ)=0変換へんかんしたものである。

14演習えんしゅうリンク

data/exercise/math/linear-operator/linear-operator-equations.exercise.n.md

15関連かんれんリンク

data/lecture/math/linear-operator/linear-operator-equation-basics.lecture.n.md data/lecture/math/linear-algebra/eigenvalues-and-eigenvectors.lecture.n.md data/lecture/math/linear-algebra/minimal-polynomial-basics.lecture.n.md data/lecture/math/linear-algebra/companion-matrix-basics.lecture.n.md data/lecture/math/sequence/shift-operators-and-recurrences.lecture.n.md
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