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lecture/physics/mechanics/重心系での衝突-講義.n.md
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重心系じゅうしんけいでの衝突しょうとつ

date2026-04-25descriptionLab系から重心系へ移して2体衝突を対称化する—重心速度、速度変換、弾性衝突での反転、CM系でのエネルギー解釈を整理する。prerequisites衝突と運動量保存 / 重心の基本 / ベクトルの基本type講義statusactiverelateddata/lecture/physics/mechanics/力学ポータル-講義.n.md / data/lecture/physics/mechanics/衝突と運動量保存-講義.n.md / data/lecture/physics/mechanics/重心の基本-講義.n.md
physicsmechanicsundergraduatelecture

導入どうにゅう

この講義こうぎ核心かくしんは、重心系じゅうしんけい(CMけい)へうつると全運動量ぜんうんどうりょうが 0 になり、衝突しょうとつ対称的たいしょうてきえるというてんにある。実験室系じっけんしつけいでは 2 物体ぶったい速度そくど非対称ひたいしょうしき煩雑はんざつになる。しかし重心系じゅうしんけいでは重心じゅうしん静止せいししているため、1 次元じげん弾性衝突だんせいしょうとつなら速度そくどきだけを反転はんてんすればよい。

このページの位置いちづけ

このページは高校こうこう本線ほんせんより一段いちだん発展はってんである。1 次元じげん衝突しょうとつ基本きほん衝突しょうとつ運動量保存うんどうりょうほぞんのページで十分じゅうぶんであり、ここでは視点変換してんへんかん計算けいさん簡約かんやくする方法ほうほうまなぶ。

このページでけるようになること

  • 重心速度じゅうしんそくど Vもとめて Labけいから CMけいうつ
  • 1 次元じげん 2 たい衝突しょうとつを CMけい対称的たいしょうてき
  • 1 次元じげん弾性衝突だんせいしょうとつで「CMけいでは速度そくど反転はんてんする」という見方みかた使つか
  • うしなわれるエネルギーが CMけい内部運動ないぶうんどう対応たいおうすることを理解りかいする

方針ほうしん

まず Labけいでの重心速度じゅうしんそくど Vもとめる。つぎに

ui=vi-V

で CMけい速度そくどうつる。CMけい衝突しょうとつ処理しょりしたあと、最後さいごVして Labけいもどす。

適用条件てきようじょうけん

  • 本線ほんせんは 1 次元じげん 2 たい衝突しょうとつである
  • 外力がいりょく力積りきせき無視むしでき、全運動量ぜんうんどうりょう保存ほぞんされるとする
  • 非相対論ひそうたいろん力学りきがく前提ぜんていとする

用語ようご定義ていぎ

重心系じゅうしんけいCenter of mass frame

重心系じゅうしんけいCenter of mass frame(CMけい質量中心系しつりょうちゅうしんけいとも)とは、けい重心じゅうしん静止せいししている慣性系かんせいけいであり、ぜん運動量うんどうりょうが 0 のけいである:

PCM=imiui=0

重心系じゅうしんけい」の意義いぎ運動量うんどうりょうが 0 のけいでは、衝突しょうとつ前後ぜんご2物体にぶったい運動量うんどうりょうたがいにつりったかたちになり、対称性たいしょうせいえやすくなる。

実験室系じっけんしつけいLaboratory frame

実験室系じっけんしつけいLaboratory frame(Labけい)とは、実験者じっけんしゃ(または標的ひょうてき)が静止せいししている慣性系かんせいけいである。物理ぶつり現象げんしょう観測かんそくする通常つうじょう視点してん

Labけいと CMけい比較ひかく

実験室系じっけんしつけい(Lab)重心系じゅうしんけい(CM)
全運動量ぜんうんどうりょうP=m1v1+m2v20一般いっぱんP=0
重心じゅうしん速度そくどV=m1v1+m2v2m1+m2V=0
衝突しょうとつ記述きじゅつ非対称ひたいしょう計算けいさん複雑ふくざつ対称たいしょう(2物体ぶったい逆向ぎゃくむきにうごく)
弾性衝突だんせいしょうとつ速度そくど計算けいさん複雑ふくざつ1 次元じげんではかく物体ぶったい速度そくどきが逆転ぎゃくてんし、おおきさは不変ふへん

見方みかた整理せいり

まず重心速度じゅうしんそくど V計算けいさんする。かく物体ぶったい速度そくどから Vいて CMけい速度そくど uiる。CMけい衝突しょうとつ解析かいせきしたあと、VしてLabけいもどす。

直感的ちょっかんてき説明せつめい

電車でんしゃなかでボールをげると、なか観測者かんそくしゃには単純たんじゅんえ、地上ちじょうでは複雑ふくざつえる。CMけいは「重心じゅうしんって衝突しょうとつ視点してん」であり、対称的たいしょうてき問題もんだい変換へんかんする。

厳密げんみつ説明せつめい

1. 速度変換そくどへんかん

重心速度じゅうしんそくど(Labけいでの重心じゅうしん速度そくど):

V=m1v1+m2v2m1+m2

CMけいでのかく物体ぶったい速度そくど

u1=v1-V=m2(v1-v2)m1+m2

u2=v2-V=m1(v2-v1)m1+m2

確認かくにんm1u1+m2u2=0(CMけいでの全運動量ぜんうんどうりょう = 0)。また m1|u1|=m2|u2|、すなわち CMけいでは 2 物体ぶったい運動量うんどうりょうおおきさがつねひとしく逆向ぎゃくむき。

2. 弾性衝突だんせいしょうとつの CMけいでの解析かいせき

CMけいでの衝突前しょうとつまえ速度そくどu1u2m1u1+m2u2=0)とする。条件じょうけん

  • 運動量保存うんどうりょうほぞんm1u1+m2u2=0(CMけいでは衝突後しょうとつご成立せいりつ
  • エネルギー保存ほぞん12m1|u1|2+12m2|u2|2=12m1|u1|2+12m2|u2|2

1次元いちじげん場合ばあい、この 2 条件じょうけんから

u1=-u1,u2=-u2

1 次元じげん弾性衝突だんせいしょうとつでは、CMけいにおけるかく物体ぶったい速度そくどきが逆転ぎゃくてんし、おおきさは変化へんかしない。Labけいもどすと:

v1=u1+V=-u1+V=-(v1-V)+V=2V-v1

v2=2V-v2

V=m1v1+m2v2m1+m2代入だいにゅうすると、衝突しょうとつ運動量保存うんどうりょうほぞん講義こうぎ導出どうしゅつした一般式いっぱんしき一致いっちする。

3. 反発係数はんぱつけいすうとの接続せつぞく

反発係数はんぱつけいすう e は、1 次元じげんでは CMけいでの速度そくどきの反転はんてん割合わりあいとして自然しぜん解釈かいしゃくできる:

e=|u1||u1|=|u2||u2|

  • e=1弾性衝突だんせいしょうとつ(CMけい完全かんぜん速度そくど反転はんてん
  • e=0完全非弾性衝突かんぜんひだんせいしょうとつ(CMけい速度そくどが 0 に合体がったい
  • 0<e<1非弾性衝突ひだんせいしょうとつ部分的ぶぶんてき反転はんてん

4. CMけいでのエネルギー損失そんしつ

Labけいぜん運動うんどうエネルギーは

KLab=KCM+12(m1+m2)V2

ここで KCM=12m1|u1|2+12m2|u2|2 は CMけいでの運動うんどうエネルギー(内部ないぶエネルギー)、12(m1+m2)V2重心じゅうしん運動うんどうエネルギー(衝突しょうとつ変化へんかしない)。衝突しょうとつうしなわれるエネルギーは CMけい内部運動ないぶうんどう対応たいおうする KCMがわだけである。重心じゅうしんそのものの並進へいしんエネルギーは衝突しょうとつ変化へんかしない。

ΔKmax=KCM=12μ|v1-v2|2(μ=m1m2m1+m2)

これは完全非弾性衝突かんぜんひだんせいしょうとつで 2 物体ぶったい合体がったいし、CMけいでの相対運動そうたいうんどうえるときの最大さいだい損失そんしつである。1 次元じげん反発係数はんぱつけいすうe なら、うしなわれる運動うんどうエネルギーは

ΔKloss=(1-e2)KCM

であり、0<e<1非弾性衝突ひだんせいしょうとつでは最大損失さいだいそんしつ一部いちぶだけがうしなわれる。

μ換算質量かんさんしつりょうReduced mass2体問題にたいもんだい有効ゆうこう質量しつりょう)。

5. おな質量しつりょう弾性衝突だんせいしょうとつ(CMけい見方みかた

m1=m2=m のとき V=[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")]v1+v22u1=[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")]v1-v22 である。1 次元じげんでは CMけい速度そくど反転はんてんするので、Labけいでは速度そくど交換こうかんされる(v1=v2v2=v1)ことがただちにかる。

具体例ぐたいれい: 同質量どうしつりょう弾性衝突だんせいしょうとつ

Labけいで、おな質量しつりょう m の 2 物体ぶったいu と 0 で衝突しょうとつするとする。重心速度じゅうしんそくど

V=mu+02m=u2

である。したがって CMけいでは

u1=u2,u2=-u2

となる。弾性衝突だんせいしょうとつなら反転はんてんして

u1=-u2,u2=u2

であり、Labけいもどすと

v1=0,v2=u

となる。速度交換そくどこうかん一瞬いっしゅん見通みとおせる。

CMけい手順てじゅん

1 次元じげん 2 たい衝突しょうとつを CMけいくときは、つぎじゅん固定こていすると符号ふごうくずれにくい。

  1. Labけい重心速度じゅうしんそくど Vもとめる
  2. ui=vi-V で CMけい速度そくどうつ
  3. 衝突しょうとつ種類しゅるいおうじて uiめる
  4. vi=ui+V で Labけいもど

弾性衝突だんせいしょうとつなら 1 次元じげんでは ui=-ui である。完全非弾性衝突かんぜんひだんせいしょうとつなら CMけいでは衝突後しょうとつごu1=u2=0 となり、Labけいでは 2 物体ぶったい重心速度じゅうしんそくど Vうごく。

Labけいと CMけいわらないもの

Labけいから CMけいうつると、各物体かくぶったい速度そくどわる。しかし 2 物体ぶったい相対速度そうたいそくど

v1-v2

わらない。なぜなら、両方りょうほう速度そくどからおな重心速度じゅうしんそくど Vくからである。

(v1-V)-(v2-V)=v1-v2

したがって反発係数はんぱつけいすうのように相対速度そうたいそくど定義ていぎされるりょうは、Labけいでも CMけいでもおなあたいとしてあつかえる。

見分みわかた

  • 2体衝突にたいしょうとつ計算けいさん複雑ふくざつ → CMけいうつると単純たんじゅんになる
  • 弾性衝突だんせいしょうとつ一般解いっぱんかいもとめる → CMけいでの「速度反転そくどはんてん」から導出どうしゅつする
  • 最大さいだいエネルギー損失そんしつ12μ|v1-v2|2公式こうしき使用しようする
  • 散乱問題さんらんもんだい入射にゅうしゃ角度かくど散乱さんらん角度かくど) → CMけいと Labけい角度かくど変換へんかん使用しようする

どこまでつか

重心系じゅうしんけい手法しゅほうは、外力がいりょく無視むしできる(または衝突しょうとつ時間じかん十分じゅうぶんみじかい)条件じょうけん有効ゆうこうである。多体たたい衝突しょうとつ散乱さんらん理論りろんにも同様どうようかんがかた拡張かくちょうできる。相対論的そうたいろんてき衝突しょうとつでは CMけいれい運動量うんどうりょうけい)への変換へんかんにローレンツ変換へんかん必要ひつようになる。

よくあるあやま

  • Labけい速度そくどと CMけい速度そくどぜる
  • 重心速度じゅうしんそくど Vもとめずに議論ぎろんはじめる
  • 弾性衝突だんせいしょうとつ in CM を「停止ていしする」と誤解ごかいする
  • エネルギー損失そんしつが Labけい全運動ぜんうんどうから直接ちょくせつえるとおも

最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]V=m1v1+m2v2m1+m2,ui=vi-V
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]ui=-ui

これは 1 次元じげん弾性衝突だんせいしょうとつを CMけいたときの速度反転そくどはんてんである。2 次元じげんや 3 次元じげん散乱さんらんでは、CMけいはやさはたもたれるが、きは散乱角さんらんかく依存いぞんする。

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]ΔKmax=12μ|v1-v2|2,μ=m1m2m1+m2
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]ΔKloss=(1-e2)KCM

このしきは 1 次元じげん衝突しょうとつもちいる。

一言ひとことでいうと

CMけいうつるとぜん運動量うんどうりょうが 0 になり、弾性衝突だんせいしょうとつは「CMけいでの速度そくどきが逆転ぎゃくてんする」の一言ひとこと帰着きちゃくする。

関連かんれんリンク

data/lecture/physics/mechanics/力学ポータル-講義.n.md data/lecture/physics/mechanics/衝突と運動量保存-講義.n.md data/lecture/physics/mechanics/重心の基本-講義.n.md

文字式もじしき単位たんい

重心系じゅうしんけいでは、まず重心速度じゅうしんそくどく。重心速度じゅうしんそくど VG[m/s;LT-1]

VG=m1v1+m2v2m1+m2

である。分子ぶんし運動量うんどうりょう [kgm/s]分母ぶんぼ質量しつりょう [kg] なので、結果けっか速度そくど [m/s] になる。重心系じゅうしんけいでの速度そくど

ui=vi-VG

定義ていぎし、おな速度そくど単位たんいどうしをいていることを確認かくにんする。

CMけいでは、Labけい速度そくど vi[m/s;LT-1] から重心速度じゅうしんそくど V[m/s;LT-1]いて、ui=vi-V[m/s;LT-1]つくる。相対速度そうたいそくど[m/s] であり、けいえても単位たんいわらない。

CMけい運動うんどうエネルギー KCM[J;ML2T-2] は、12m1u12+12m2u22[J;ML2T-2] である。換算質量かんさんしつりょう μ[kg;M]使つかえば、12μ|v1-v2|2[J;ML2T-2]ける。ここでも速度差そくどさ[m/s] である。

換算質量かんさんしつりょうで 2 物体ぶったい衝突しょうとつ

2 物体ぶったい相対運動そうたいうんどうは、換算質量かんさんしつりょう μ[kg;M]使つかうと 1 つの物体ぶったい運動うんどうのようにあつかえる。

μ=m1m2m1+m2

ここで m1[kg;M]m2[kg;M] は 2 物体ぶったい質量しつりょうである。CMけいでの内部運動ないぶうんどうエネルギーは

KCM=12μ|v1-v2|2

ける。μ[kg;M]相対速度そうたいそくど |v1-v2|[m/s;LT-1] から、単位たんい[J] になる。

完全非弾性衝突かんぜんひだんせいしょうとつうしなわれるエネルギー

完全非弾性衝突かんぜんひだんせいしょうとつでは、衝突後しょうとつごに 2 物体ぶったい一体いったいとなってうごく。このとき CMけいでは、衝突後しょうとつご相対速度そうたいそくど0[m/s;LT-1] になる。したがって、衝突前しょうとつまえに CMけいがもっていた内部運動ないぶうんどうエネルギーが最大限さいだいげんうしなわれる。

Labけいると、重心じゅうしん並進へいしんエネルギーはのこる。そのため、すべての運動うんどうエネルギーがうしなわれるわけではない。うしなわれるのは、重心じゅうしんから内部運動ないぶうんどう部分ぶぶんである。

主要文字式しゅようもじしき単位たんい確認かくにん

Labけい速度そくど vi[m/s;LT-1]重心速度じゅうしんそくど V[m/s;LT-1]、CMけい速度そくど ui[m/s;LT-1] は、すべて速度そくど単位たんいをもつ。ui=vi-V[m/s;LT-1] では、おな単位たんいりょうどうしをいている。

換算質量かんさんしつりょう μ[kg;M]相対速度そうたいそくど v1-v2[m/s;LT-1]使つかうと、12μ(v1-v2)2[J;ML2T-2] は CMけいでの内部運動ないぶうんどうエネルギーになる。反発係数はんぱつけいすう e[1;1]無次元むじげんである。

数式内すうしきないでの単位たんい明示めいじ

CMけい速度そくど
ui=vi-V
である。換算質量かんさんしつりょう使つかうと、CMけいでの内部運動ないぶうんどうエネルギーは

KCM=12μ|v1-v2|2

める。

CMけい典型手順てんけいてじゅん

CMけい衝突しょうとつくときは、まず Labけい重心速度じゅうしんそくど V[m/s;LT-1]もとめる。つぎに、各物体かくぶったい速度そくどから V[m/s;LT-1]いて、CMけい速度そくど u1[m/s;LT-1]u2[m/s;LT-1]つくる。

弾性衝突だんせいしょうとつなら、CMけいでは衝突後しょうとつご速度そくどきが反転はんてんする。非弾性ひだんせいなら、相対速度そうたいそくど反発係数はんぱつけいすう e[1;1]したがってちいさくなる。最後さいごに、CMけい速度そくどV[m/s;LT-1]して Labけいもどす。

この手順てじゅんでは、重心じゅうしん並進へいしん内部運動ないぶうんどうけてる。うしなわれる運動うんどうエネルギーは、おもに CMけい内部運動ないぶうんどう部分ぶぶんである。

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