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ODE の方法選択-出口演習md 5924693
exercise/math/differential-equations/ode-method-selection.exercise.n.md
ODE の方法選択-出口演習
mathdifferential-equationsmethodsmodelingexercise
data/lecture/math/differential-equations/laplace-transforms-series-and-modeling.lecture.n.md
1答え方
各問で、(1) 欲しい成果、(2) 方程式の構造、(3) 第一候補、(4) 適用条件、(5) 条件が外れたときの次候補を答える。計算だけでなく、なぜその方法を選ぶかを説明する。
2問題 1
y''+y=H(t-1)+\delta(t-2),
\qquad y(0)=y'(0)=0
の因果的応答を求めたい。方法を選び、通常入力とデルタ入力で必要な解の意味を区別せよ。
2.1解答例
○
片側時間の定数係数線型初期値問題で遅延と衝撃を含むため、第一候補はラプラス変換である。Heaviside 入力には区分的連続性と指数位数を、デルタ入力には分布としての解釈を使う。変換すると
y(t)=H(t-1)\bigl(1-\cos(t-1)\bigr)+H(t-2)\sin(t-2)
を得る。t=1 では y,y' が連続で、t=2 では y が連続、y'(2+)-y'(2-)=1 である。次候補はインパルス応答との因果畳み込み、または切替時刻ごとの区分解と跳躍条件である。
3問題 2
x^2y''+xy'+(x^2-\nu^2)y=0
について、x=0 の近傍と x=1 の近傍で局所解を構成したい。それぞれの第一候補を選べ。
3.1解答例
○
x=0 は最高階係数が 0 になるが、正規化後の xP(x)=1、x^2Q(x)=x^2-\nu^2 は解析的なので正則特異点であり、Frobenius 法が第一候補である。x=1 は通常点なのでべき級数法を使う。不規則特異点なら Frobenius 法を機械的に使わず、漸近法や数値法を検討する。
4問題 3
x'=x,
\qquad y'=-y^3,
\qquad z'=-2z
の原点について、Jacobian の固有値は 1,0,-2 である。0 を含むことを理由に「線型化では判定不能」としてよいか。
4.1解答例
○
欲しい成果は局所安定性で、第一候補は線型化である。正の実部をもつ固有値 1 があるため、0 の固有値を併有していても原点は不安定と判定できる。「正の実部がなく、実部 0 を含む」ときに初めて非線型項の追加解析が必要になる。
5問題 4
u'=-1000(u-\cos t)-\sin t,
\qquad u(0)=0
を 0\le t\le10 で数値近似したい。方程式は摂動に e^{-1000t} の速い減衰尺度をもち、陽的方法では安定性のため極端に小さい刻み幅が必要になる。方法と検証を提案せよ。
5.1解答例
○
これは硬い初期値問題なので、後退 Euler 法など、負の実軸方向で非常に速い減衰率に対して増幅率が 0 へ近づく L 安定な陰解法を第一候補とする。各段階の代数方程式を所定精度で解き、刻み幅を半分にした解との差を確認する。この問題では u(t)=\cos t-e^{-1000t} が厳密解なので、大域誤差も直接検証できる。次候補は安定性制約を満たす適応刻みの陽的方法や、線型減衰項を厳密に積分する指数積分法である。
6問題 5
細い棒の温度について、内部温度分布と端点からの熱交換を予測したい。ODE と PDE のどちらを選び、問題設定に何を含めるべきか。
6.1解答例
○
位置ごとの温度場を成果とするため、局所保存則と Fourier の構成則から熱方程式を選ぶ。領域、初期温度、係数と解のクラスに加え、外向き法線を n とする符号規約で -K\partial_nT=h(T-T_{\mathrm{env}}) という Robin 境界条件を指定する。内部温度差を無視できるなら、次候補として集中熱容量 ODE へ簡約できる。
7問題 6
線型 PDE を空間方向に解析するとき、(a) 有限区間で斉次境界条件がある場合と、(b) 全空間の定数係数問題で、第一候補を分けよ。
7.1解答例
○
(a) では境界条件を満たす互いに直交する固有関数で対象を展開できるなら、変数分離・Fourier 級数が第一候補である。(b) では全空間の定数係数により Fourier 変換が第一候補である。非斉次境界条件は先に斉次化する。不規則領域・非線型問題・展開条件を満たさない場合は、領域に応じた固有関数や数値法を次候補とする。