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複素内積とユニタリ行列-基本演習md 69f2ae1
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複素内積ふくそないせきcomplex inner productユニタリ行列ぎょうれつunitary matrix-基本演習きほんえんしゅう

date2026-07-14document_iddoc_eb964a4ebf5304dd6220567e0a730ff2description複素内積、共役転置、エルミート行列、ユニタリ行列、複素での射影を確認する基本演習である。prerequisites複素内積とユニタリ行列 / 内積空間の基本 / 対称行列と直交対角化type問題演習content_typeexercisestatusactiverelateddata/lecture/math/linear-algebra/complex-inner-products-and-unitary-matrices.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/inner-product-space-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/identity-zero-and-transpose-matrices.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/symmetric-matrices-and-orthogonal-diagonalization.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/orthogonalization-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/least-squares-basics.lecture.n.md
mathlinear-algebraexercisecomplex-vector-spaceunitary
data/lecture/math/linear-algebra/complex-inner-products-and-unitary-matrices.lecture.n.md data/lecture/math/linear-algebra/inner-product-space-basics.lecture.n.md data/lecture/math/linear-algebra/symmetric-matrices-and-orthogonal-diagonalization.lecture.n.md data/lecture/math/linear-algebra/least-squares-basics.lecture.n.md

1演習えんしゅう方針ほうしん

複素ふくそcomplex計算けいさんでは、複素共役ふくそきょうやくcomplex conjugate場所ばしょ本質的ほんしつてきである。この演習えんしゅうでは、複素内積ふくそないせきcomplex inner product共役転置きょうやくてんちconjugate transposeエルミート行列ぎょうれつHermitian matrixユニタリ行列ぎょうれつunitary matrixなに保存ほぞんし、なに判定はんていするための条件じょうけんなのかを確認かくにんする。

複素内積ふくそないせきcomplex inner product問題もんだいでは、共役きょうやくconjugate明示めいじしてく。直交ちょっこうorthogonalityノルムnorm保存ほぞんユニタリ行列ぎょうれつunitary matrix判定はんていでは、ただの AT ではなく共役転置きょうやくてんちconjugate transpose A*使つかう。これはじつベクトル空間くうかんから複素ふくそcomplexベクトル空間くうかんうつるときの典型的てんけいてきあやまりである。

ユニタリ行列ぎょうれつunitary matrixは、U*U=I内積ないせきinner product保存ほぞんすること、またはれつcolumn正規直交せいきちょっこうorthonormalであることによって判定はんていできる。これらは同値どうちだが、具体的ぐたいてき行列ぎょうれつmatrixではれつ確認かくにんはやく、ながさ・角度かくど射影しゃえいprojectionわらない理由りゆう説明せつめいするときは内積ないせきinner product保存ほぞんやくつ。


2問題もんだい 1

この系列けいれつ規約きやく

x,y=k=1nxkyk_

で、

u=(1i),v=(i1)

について、u,vv,uuもとめよ。

2.1解答例かいとうれい

u,v=1·i_+i·1_=-i+i=0
v,u=i·1_+1·i_=i-i=0
u=u,u=1·1_+i·i_=2

2.2解説かいせつ

複素内積ふくそないせきcomplex inner productでは、だい 2 変数へんすう成分せいぶんcomponent複素共役ふくそきょうやくcomplex conjugateく。この問題もんだいは、直交ちょっこうorthogonality判定はんてい共役きょうやくわすれると結果けっかわることを確認かくにんしている。


3問題もんだい 2

A=(2i-i3)

について、A*もとめ、Aエルミート行列ぎょうれつHermitian matrixかどうかを判定はんていせよ。

3.1解答例かいとうれい

まず転置てんちしてから各成分かくせいぶん共役きょうやくる。

A*=(2i-i3)

したがって A*=A であり、Aエルミート行列ぎょうれつHermitian matrixである。

3.2解説かいせつ

エルミート行列ぎょうれつHermitian matrixでは、対角成分たいかくせいぶん実数じっすうreal numberになり、非対角成分ひたいかくせいぶん鏡映位置きょうえいいち複素共役ふくそきょうやくcomplex conjugateになる。この条件じょうけん実対称行列じつたいしょうぎょうれつreal symmetric matrix複素数版ふくそすうばんcomplex versionである。


4問題もんだい 3

U=(100i)

ユニタリ行列ぎょうれつunitary matrixであることを確認かくにんし、任意にんいx=(x1,x2)T について Ux=x成立せいりつすることを説明せつめいせよ。

4.1解答例かいとうれい

U*=(100-i)

なので、

U*U=(100-i)(100i)=I

である。したがって Uユニタリ行列ぎょうれつunitary matrixである。また

Ux=(x1ix2)

だから

Ux2=|x1|2+|ix2|2=|x1|2+|x2|2=x2

である。

4.2解説かいせつ

ユニタリ行列ぎょうれつunitary matrix位相いそうphaseえることはあるが、ながlength内積ないせきinner product保存ほぞんする。この問題もんだいは、「複素数ふくそすうcomplex numberける」と「ながさをえる」がおなじでないことを確認かくにんしている。


5問題もんだい 4

y=(11+i),u=(1i)

について、yspan(u) への直交射影ちょっこうしゃえいorthogonal projectionもとめよ。

5.1解答例かいとうれい

この規約きやくでは

proju(y)=y,uu,uu

である。まず

y,u=1·1_+(1+i)i_=1+(1+i)(-i)=2-i

また

u,u=1·1_+ii_=2

なので、

proju(y)=2-i2(1i)=(1-i212+i)

5.2解説かいせつ

分母ぶんぼu,u は、u0正定値性せいていちせいpositive definitenessによりせい実数じっすうreal numberである。ここでは u0 なので 0 除算じょさんきない。この問題もんだいは、射影係数しゃえいけいすうprojection coefficientしきでも共役きょうやく位置いち重要じゅうようであることを確認かくにんしている。


6先取さきど復習ふくしゅう固有値こゆうちeigenvalue固有ベクトルeigenvector対角化たいかくかdiagonalization正規行列せいきぎょうれつnormal matrix

問題もんだい 5 以降いこうでは、後続こうぞく演習えんしゅう本格的ほんかくてきあつか固有値こゆうちeigenvalue対角化たいかくかdiagonalization正規行列せいきぎょうれつnormal matrix先取さきどりして使つかう。ここでは問題もんだいくための最小限さいしょうげんだけを復習ふくしゅうする。

  • Av=λvたす v0 があるとき、λ固有値こゆうちeigenvaluev固有ベクトルeigenvectorという。
  • 固有ベクトルeigenvector基底きていbasisつくるとき、A=PDP-1ける。このかたち対角化たいかくかdiagonalizationという。
  • ユニタリ行列ぎょうれつunitary matrix U使つかって U*AU=Dけるとき、ユニタリ対角化たいかくかunitary diagonalizationという。
  • 正規行列せいきぎょうれつnormal matrixとは A*A=AA*たす行列ぎょうれつmatrixである。複素ふくそcomplex有限次元ゆうげんじげんでは、正規行列せいきぎょうれつnormal matrixユニタリ対角化たいかくかunitary diagonalizationできるという定理ていりすすむ。
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7問題もんだい 5

B=(2i-i2)

固有値こゆうちeigenvalueもとめ、エルミート行列ぎょうれつHermitian matrix固有値こゆうちeigenvalue実数じっすうreal numberになることと対応たいおうしているかを確認かくにんせよ。

7.1解答例かいとうれい

det(B-λI)=det(2-λi-i2-λ)=(2-λ)2-1

である。したがって

(2-λ)2=1

より、固有値こゆうちeigenvalue1,3 である。どちらも実数じっすうreal numberである。

7.2解説かいせつ

B*=B なので Bエルミート行列ぎょうれつHermitian matrixである。エルミート行列ぎょうれつHermitian matrix複素数ふくそすうcomplex number成分せいぶんcomponentっていても、固有値こゆうちeigenvalue実数じっすうreal numberになる。この性質せいしつが、量子力学りょうしりきがくquantum mechanicsなどで観測量かんそくりょうobservableエルミート行列ぎょうれつHermitian matrixあらわ理由りゆうの 1 つである。


8問題もんだい 6

つぎのぶん正誤せいご判定はんていし、理由りゆうべよ。

  1. ユニタリ行列ぎょうれつunitary matrix内積ないせきinner product保存ほぞんする。
  2. エルミート行列ぎょうれつHermitian matrixかなら正規行列せいきぎょうれつnormal matrixである。
  3. ユニタリ行列ぎょうれつunitary matrixかならエルミート行列ぎょうれつHermitian matrixである。

8.1解答例かいとうれい

1 はせいしい。U*U=I より Ux,Uy=x,y である。

2 はせいしい。A*=A なら A*A=A2=AA* である。

3 はあやまりである。(100i)ユニタリ行列ぎょうれつunitary matrixだが、エルミート行列ぎょうれつHermitian matrixではない。

8.2解説かいせつ

ユニタリ行列ぎょうれつunitary matrixエルミート行列ぎょうれつHermitian matrix正規行列せいきぎょうれつnormal matrixたがいにちかいが、おな概念がいねんではない。なに保存ほぞんする条件じょうけんなのか、なに対角化たいかくかdiagonalizationする条件じょうけんなのかをけてむことが重要じゅうようである。


9問題もんだい 7

A=(01-10)

C じょうかんがえる。A正規行列せいきぎょうれつnormal matrixであることを確認かくにんし、ユニタリ行列ぎょうれつunitary matrix対角化たいかくかdiagonalizationせよ。

9.1解答例かいとうれい

A*=-A であり、A2=-I なので

A*A=(-A)A=I,AA*=A(-A)=I

である。したがって A*A=AA* であり、A正規行列せいきぎょうれつnormal matrixである。

固有値こゆうちeigenvaluei,-i である。iたいする固有こゆうベクトルeigenvectorとして (1,i)T-iたいする固有こゆうベクトルeigenvectorとして (1,-i)Tれる。これらを正規化せいきかして

U=12(11i-i),D=(i00-i)

とおくと、

U*AU=D

である。

9.2解説かいせつ

この行列ぎょうれつmatrixエルミート行列ぎょうれつHermitian matrixではないが、正規行列せいきぎょうれつnormal matrixである。複素ふくそcomplexでは、エルミート行列ぎょうれつHermitian matrixだけでなく、正規行列せいきぎょうれつnormal matrixユニタリ対角化たいかくかunitary diagonalization自然しぜん対象たいしょうになる。


10問題もんだい 8

この系列けいれつ規約きやく

x,y=kxkyk_

で、

x1=(1i),x2=(10)

に Gram-Schmidt の直交化ちょっこうかorthogonalizationおこなえ。

10.1解答例かいとうれい

まず

u1=x1=(1i)

とする。u10 であり、u1,u1=2 なので、射影係数しゃえいけいすう定義ていぎできる。

u2=x2-x2,u1u1,u1u1=(10)-12(1i)=(12-i2)

である。

10.2解説かいせつ

複素内積ふくそないせきcomplex inner productでは、射影係数しゃえいけいすう分子ぶんしあらわれる共役きょうやく位置いち重要じゅうようである。この問題もんだいでは x2,u1=1 であり、u2u1直交ちょっこうorthogonalする。


11問題もんだい 9

A=(1i02),x=(11),y=(i1)

について、Ax,y=x,A*y具体計算ぐたいけいさん確認かくにんせよ。

11.1解答例かいとうれい

Ax=(1+i2)

なので

Ax,y=(1+i)i_+21_=3-i

である。また

A*=(10-i2)

だから

A*y=(i3)

であり、

x,A*y=1i_+13_=3-i

である。したがって両辺りょうへん一致いっちする。

11.2解説かいせつ

共役転置きょうやくてんちconjugate transpose A* は、複素内積ふくそないせきcomplex inner productたいする随伴ずいはんadjointである。この等式とうしきは、A*たんなる記号きごうではなく、内積ないせきinner productなかA反対側はんたいがわうつすための操作そうさoperationであることをしめしている。


12問題もんだい 10

この系列けいれつ規約きやく

A=(1i),b=(10)

とする。複素最小二乗問題ふくそさいしょうにじょうもんだいcomplex least-squares problem Axb正規方程式せいきほうていしきnormal equationき、残差ざんさresidual列空間れつくうかんcolumn space直交ちょっこうorthogonalすることを確認かくにんせよ。

12.1解答例かいとうれい

ここでは

A*=(1-i)

である。したがって

A*A=1+(-i)i=2,A*b=1

である。正規方程式せいきほうていしきnormal equation

A*Ax=A*b

2x=1 となるので、

x=12

である。このとき

Ax=(12i2),r=b-Ax=(12-i2)

である。さらに

A*r=(1-i)(12-i2)=12-12=0

なので、残差ざんさresidual列空間れつくうかんcolumn space直交ちょっこうorthogonalする。

12.2解説かいせつ

この問題もんだいは、実数じっすうreal number最小二乗法さいしょうにじょうほうleast squares methodあらわれた「残差ざんさresidual列空間れつくうかんcolumn space直交ちょっこうorthogonalする」という幾何きかが、複素内積ふくそないせきcomplex inner productでも A*r=0 としてあらわされることを確認かくにんしている。


この規約きやくでは内積ないせきinner productだい 2 変数へんすう共役きょうやくけるので、随伴ずいはんadjointA*=(1,-i) である。A*r=0 は、残差ざんさresidualA の 1 次元じげん列空間れつくうかんcolumn spaceぞくするすべてのベクトルと内積ないせき 0 であることを意味いみする。

13問題もんだい 11

U=12(111-1)

ユニタリ行列ぎょうれつunitary matrixであることを確認かくにんし、

x=(1i),y=(10)

について Ux,Uy=x,y具体計算ぐたいけいさん確認かくにんせよ。

13.1解答例かいとうれい

U実対称じつたいしょうであり、

U*U=UTU=I

なのでユニタリ行列ぎょうれつunitary matrixである。また

Ux=12(1+i1-i),Uy=12(11)

である。この規約きやくではだい 2 変数へんすう共役きょうやくけるので、

Ux,Uy=1+i2+1-i2=1

である。一方いっぽう

x,y=1·1_+i·0_=1

である。したがって Ux,Uy=x,y である。

13.2解説かいせつ

この問題もんだいは、ユニタリ行列ぎょうれつunitary matrix対角行列たいかくぎょうれつdiagonal matrixでなくても、内積ないせきinner productながlength保存ほぞんすることを確認かくにんする。UxUy成分せいぶんcomponentわるが、ふたつのベクトルの幾何的きかてき関係かんけいわらない。


U作用さようさせると x,y成分せいぶんcomponentわるが、内積ないせきinner productわらない。これはユニタリ行列ぎょうれつunitary matrix複素内積空間ふくそないせきくうかんcomplex inner product spaceながさと角度かくど保存ほぞんするという幾何的役割きかてきやくわりそのものである。


15証明しょうめい演習えんしゅう:ユニタリ行列ぎょうれつ内積ないせきたもつこと

15.1問題もんだい

U*U=I なら、任意にんい複素ふくそベクトル x,y について

Ux,Uy=x,y

であることを証明しょうめいせよ。

15.2解答かいとう

この系列けいれつ規約きやくでは x,y=y*xけるので、

Ux,Uy=(Uy)*(Ux)=y*U*Ux=y*x=x,y

である。とくy=x とすれば Ux=xしたがう。

15.3解説かいせつ

ユニタリ行列ぎょうれつ複素内積ふくそないせきたもつので、ながさと角度かくどたも変換へんかんとして理解りかいできる。


16補強問題ほきょうもんだい正規行列せいきぎょうれつnormal matrixユニタリ対角化たいかくかunitary diagonalization

16.1問題もんだい 12

Aユニタリ対角化たいかくかunitary diagonalizationでき、U*AU=D、ただし Uユニタリ行列ぎょうれつunitary matrixD対角行列たいかくぎょうれつdiagonal matrixであるとする。このとき A正規行列せいきぎょうれつnormal matrixであることを証明しょうめいせよ。また、そのぎゃく複素ふくそ正規行列せいきぎょうれつnormal matrixたいするスペクトル定理spectral theoremであることを説明せつめいせよ。

16.2解答例かいとうれい

U*AU=D より、A=UDU*A*=UD*U* である。したがって

A*A=UD*U*UDU*=UD*DU*

であり、

AA*=UDU*UD*U*=UDD*U*

である。対角行列たいかくぎょうれつdiagonal matrixはその共役転置きょうやくてんちconjugate transpose可換かかんなので、D*D=DD* である。よって A*A=AA* であり、A正規行列せいきぎょうれつnormal matrixである。ぎゃくに、複素ふくそ正規行列せいきぎょうれつnormal matrixかならユニタリ対角化たいかくかunitary diagonalizationできる、というのが正規行列せいきぎょうれつスペクトル定理spectral theoremである。

16.3解説かいせつ

正規性せいきせいnormalityは、C じょう正規直交せいきちょっこう固有こゆうベクトルeigenvector分解ぶんかい可能かのうにする条件じょうけんである。エルミート行列ぎょうれつHermitian matrixユニタリ行列ぎょうれつunitary matrixは、正規行列せいきぎょうれつnormal matrix重要じゅうよう特別例とくべつれいである。

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