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列基本変形と未知数変換-基本演習md 04dd6cd
exercise/math/linear-algebra/elementary-column-operations-and-variable-changes.exercise.n.md
1演習方針
列基本変形は、行列の列を別の生成系に取り替える操作である。列空間と階数は保存されるが、Ax=b の未知数は同じ意味では読めなくなる。
2問題 1
A=
\begin{pmatrix}
1&2\\
3&4
\end{pmatrix}
に C_2\leftarrow C_2-2C_1 を行う。この操作を右から掛ける基本行列 F で表し、Ax=b と AFy=b の未知数の関係を述べよ。
2.1解答例
F=
\begin{pmatrix}
1&-2\\
0&1
\end{pmatrix}
とすると、
AF=
\begin{pmatrix}
1&0\\
3&-2
\end{pmatrix}
である。AFy=b は A(Fy)=b を意味するので、元の未知数は
x=Fy=
\begin{pmatrix}
y_1-2y_2\\
y_2
\end{pmatrix}
である。
2.2解説
列基本変形は列空間を保存するが、未知数の座標を変える。方程式として追跡するなら、x=Fy を同時に記録する。
3問題 2
同じ A に対して、つぎの列基本変形を右からの基本行列で表せ。
- C_1\leftrightarrow C_2
- C_2\leftarrow 3C_2
3.1解答例
列の交換は
F_1=
\begin{pmatrix}
0&1\\
1&0
\end{pmatrix}
で表され、
AF_1=
\begin{pmatrix}
2&1\\
4&3
\end{pmatrix}
である。列の非零定数倍は
F_2=
\begin{pmatrix}
1&0\\
0&3
\end{pmatrix}
で表され、
AF_2=
\begin{pmatrix}
1&6\\
3&12
\end{pmatrix}
である。
3.2解説
右から掛ける基本行列の各列が、新しい列を元の列の線型結合として指定する。このため、列への操作は右からの積で表される。
4問題 3
行列 A に行基本変形 R_2\leftarrow R_2+3R_1 を行って B を得る。このとき B^T は A^T にどの基本変形を行ったものか述べよ。
4.1解答例
A の第 2 行が、第 2 行と第 1 行の 3 倍の和に変わる。これを転置すると、A^T の第 2 列が、第 2 列と第 1 列の 3 倍の和に変わる。したがって
C_2\leftarrow C_2+3C_1
である。
4.2解説
転置は行と列を入れ替える。行への操作は、転置後には列への操作として読み替えられる。
5問題 4
つぎの説明の誤りを指摘せよ。
「列基本変形では階数が保存されるので、Ax=b と AFx=b は同じ解集合を持つ。」
5.1解答例
階数の保存は、列空間の生成の仕方が変わるだけであることを意味する。しかし AFx=b は A(Fx)=b であり、x の意味は元の方程式と違う。したがって、同じ解を比べるには z=Fx のような未知数変換を追跡する必要がある。
5.2解説
行基本変形は解集合を保存し、列基本変形は列空間と階数を保存する。似た操作でも保存する対象が違う。
8証明演習:列基本変形が列空間を保つこと
8.1問題
列基本変形によって列空間が変わらないことを証明せよ。また、解集合はそのまま保たれるとは限らない理由を説明せよ。
8.2解答
列の交換は生成系の順番を替えるだけである。0 でない定数倍は逆操作で戻せる。C_i\leftarrow C_i+\lambda C_j では、新しい列はもとの列の線型結合である。逆操作も存在するので、二つの列空間は互いに含み合う。
ただし列は未知数に対応するので、列基本変形は未知数の意味を変える。したがって解集合を直接保つとは限らない。
8.3解説
行基本変形が方程式の表し方を変えるのに対して、列基本変形は生成系や未知数の側を変える。