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命題・述語と量化md e453ea5
lecture/math/discrete-math/propositions-predicates-and-quantifiers.lecture.n.md
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命題・述語と量化
1命題とは何か
命題とは、真か偽かが定まる文である。
2+3=5
は真である。一方、
x+3=5
は、x を決めなければ真偽が定まらない。そのため、これは x についての述語である。
述語は、対象を入れると命題になる文である。たとえば P(x): x\text{ は偶数である} とおけば、P(2) は真で、P(3) は偽である。
命題は真か偽が決まる文であり、自由変数が残る文は述語として扱う。述語は、値を代入するか量化すると命題になる。
2真理集合として読む
この節は次の集合講義を先取りする。ここでは集合を対象の集まり、元をそこに含まれる対象、全体集合を議論の対象全体を収める集合と読む。
述語を集合と結びつける見方が重要である。全体集合を U とし、述語 P(x) を考える。このとき
\{x\in U\mid P(x)\}
は、P(x) を真にする元全体の集合である。この集合を真理集合と呼ぶ。
直感的には、述語は「ふるい」であり、真理集合はそのふるいを通過した対象の集まりである。
真理集合は、対象として許す領域に依存する。同じ式でも領域を変えると、真理集合や全称量化・存在量化の真偽が変わることがある。
3論理結合子
命題から新しい命題を作る操作を論理結合子という。
| 記号 | 読み | 意味 |
| P\land Q | かつ | P も Q も真 |
| P\lor Q | または | 少なくとも一方が真 |
| \lnot P | でない | P の真偽を反転する |
| P\Rightarrow Q | ならば | P が真なら Q も真 |
| P\Leftrightarrow Q | 同値 | P と Q の真偽が一致する |
含意 P\Rightarrow Q は「P が真である状況では Q も真である」という主張である。
4全称量化と存在量化
量化は、変数の範囲を指定して命題を作る操作である。
\forall x\in A,\ P(x)
は「A のすべての x について P(x) が成立する」という意味である。これを全称量化という。
\exists x\in A,\ P(x)
は「A の中に P(x) を満たす x が少なくとも 1 つ存在する」という意味である。これを存在量化という。
5否定は量化の外に出す
量化を含む命題を否定するときは、量化記号が入れ替わる。
\lnot(\forall x\in A,\ P(x))
\Leftrightarrow
\exists x\in A\ \text{such that}\ \lnot P(x)
\lnot(\exists x\in A,\ P(x))
\Leftrightarrow
\forall x\in A,\ \lnot P(x)
「すべてが成立する」の否定は「少なくとも 1 つ反例がある」である。「条件を満たすものが存在する」の否定は「どの候補もその条件を満たさない」である。
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6具体例:包含関係を論理で読む
A\subseteq B は次の命題である。
\forall x,\ x\in A\Rightarrow x\in B
したがって、A\subseteq B を否定すると、
\exists x\ \text{such that}\ x\in A\ \text{and}\ x\notin B
となる。つまり、A に属するが B には属さない元が 1 つでも見つかれば、包含は壊れる。