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最小多項式の基本md eba0640
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最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial基本きほん

date2026-07-14document_iddoc_e78fe37c2c8111c279b1dc10ff00a436description最小多項式を、行列を零化する多項式のうち最も基本的なものとして導入し、対角化可能性やジョルダン標準形との関係を整理する講義である。prerequisites固有値と固有ベクトル / 対角化の基本 / 行列式type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/linear-algebra/linear-algebra-portal.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/eigenvalues-and-eigenvectors.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/eigenvalue-problem-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/diagonalization-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/companion-matrix-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-algebra/introduction-to-jordan-canonical-form.lecture.n.md / data/exercise/math/linear-algebra/eigenvalues-diagonalization-and-extensions.exercise.n.md
mathlinear-algebraundergraduatelecture

1導入どうにゅう

この講義こうぎ重要じゅうようなのは、最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialは、行列ぎょうれつmatrixたす代数的関係だいすうてきかんけい最小限さいしょうげん記録きろくする多項式たこうしきであるということである。

固有値こゆうちeigenvalue行列ぎょうれつmatrix情報じょうほう要約ようやくするが、それだけでは対角化可能性たいかくかかのうせい完全かんぜんには判定はんていできない。最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial導入どうにゅうすると、おな固有値こゆうちeigenvalue行列ぎょうれつmatrix差異さいを、重根じゅうこん有無うむとして確認かくにんできる。

2用語ようご定義ていぎ

最小多項式さいしょうたこうしきMinimal polynomial とは、正方行列せいほうぎょうれつsquare matrix Aたいして

mA(A)=0

たすぜろでない多項式たこうしきのうち、次数じすう最小さいしょうで、最高次係数さいこうじけいすうが 1 であるものをいう。

特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomial

χA(t)=det(tI-A)

とする。ケーリー・ハミルトンの定理ていりにより

χA(A)=0

である。したがって最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial存在そんざいし、特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomialる。

3方針ほうしん

方針ほうしんは、行列ぎょうれつmatrix多項式たこうしき代入だいにゅうする操作そうさoperation確認かくにんし、最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialこん固有値こゆうちeigenvalue関係かんけい整理せいりすることである。

data/lecture/math/linear-algebra/eigenvalues-and-eigenvectors.lecture.n.md

4直感的ちょっかんてき説明せつめい

かず λ について (t-λ)消去しょうきょするのは、t=λ という条件じょうけんである。行列ぎょうれつmatrix A について (A-λI)ぜろになるわけではない。しかし、適切てきせつ多項式たこうしきわせると、行列全体ぎょうれつぜんたい零行列ぜろぎょうれつにできる。

最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialは、そのために必要ひつよう最短さいたんしきである。対角化可能たいかくかかのう行列ぎょうれつmatrixでは、固有値こゆうちeigenvalueごとに 1 かいずつ因子いんし用意よういすれば十分じゅうぶんである。対角化たいかくかdiagonalizationできない場合ばあいは、おな因子いんし複数回ふくすうかい必要ひつようになる。

5厳密げんみつ説明せつめい

5.11. 特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomialとの関係かんけい

最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial mA(t)特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomial χA(t)る。

mA(t)χA(t)

したがって mA(t)こんA固有値こゆうちeigenvalueであり、固有値こゆうちeigenvaluemA(t)こんとしてあらわれる。

5.22. 対角化可能性たいかくかかのうせいとの関係かんけい

たい K じょうA最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial

mA(t)=i=1r(t-λi)

のように相異あいことなる一次因子いちじいんしせき分解ぶんかいされるなら、A対角化可能たいかくかかのうである。ぎゃく成立せいりつする。

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]Aが対角化可能mA(t)が重根をもたない一次因子の積

この判定はんていは、固有値こゆうちeigenvalue種類しゅるいだけでなく、最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial重複ちょうふく必要ひつようかどうかを確認かくにんする方法ほうほうである。

6存在そんざい一意性いちいせい

存在そんざいは Cayley-Hamilton の定理ていりからしたがう。すなわち χA(A)=0 なので、A零化れいかする非零多項式ひぜろたこうしきすくなくとも 1 つ存在そんざいする。

一意性いちいせいは、最小次数さいしょうじすうのモニックな零化多項式れいかたこうしきえらぶことからしたがう。もし m1,m2 がどちらもおな最小次数さいしょうじすうA零化れいかするなら、m1-m2 はより低次数ていじすう零化多項式れいかたこうしきになり、最小性さいしょうせいはんする。

7証明しょうめい要点ようてん重根じゅうこんたない判定はんてい

A=PDP-1対角化たいかくかdiagonalizationできるなら、任意にんい多項式たこうしき f について

f(A)=Pf(D)P-1

である。したがって A零化れいかするには、あらわれる相異あいことなる固有値こゆうちeigenvaluef が 0 になれば十分じゅうぶんであり、

mA(t)=λSpec(A)(t-λ)

となる。ここで Spec(A)A固有値こゆうちeigenvalue集合しゅうごうあらわ記号きごうである。

ぎゃくmA(t)相異あいことなる一次因子いちじいんし分解ぶんかいするなら、固有空間こゆうくうかんへの射影しゃえい多項式たこうしき構成こうせいでき、固有ベクトルeigenvector基底きていbasisられる。ここでいう射影しゃえいは、内積ないせきから定義ていぎする直交射影ちょっこうしゃえいorthogonal projectionではなく、ベクトルをかく固有空間こゆうくうかん成分せいぶんける線型写像せんけいしゃぞうlinear mapである。

8具体例ぐたいていれい

8.11. 対角行列たいかくぎょうれつdiagonal matrix

A=(2003)

では

(A-2I)(A-3I)=0

である。したがって

mA(t)=(t-2)(t-3)

である。

8.22. ジョルダンブロック

ここではつぎ講義こうぎへの準備じゅんびとして、対角化たいかくかできない最小さいしょうれいを「ジョルダンブロック」とぶ。

B=(1101)

とする。このとき

B-I=(0100)

零行列ぜろぎょうれつではないが、

(B-I)2=0

である。したがって

mB(t)=(t-1)2

である。重根じゅうこんあらわれるため、B対角化可能たいかくかかのうではない。

8.33. おな特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomialことなる最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial

A=(1001),B=(1101)

はどちらも特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomial(t-1)2 である。しかし

mA(t)=t-1,mB(t)=(t-1)2

である。最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialは、固有値こゆうちeigenvalue一覧いちらんだけではえない非対角化可能ひたいかくかかのうなジョルダン構造こうぞう検出けんしゅつする。

9べつ観点かんてんべきpower還元かんげんとジョルダン標準形ひょうじゅんけい

最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialは、線型変換せんけいへんかんlinear transformation生成せいせいする代数だいすう関係式かんけいしきである。たとえば Ak計算けいさんするとき、最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialかれば高次こうじべき低次ていじべき還元かんげんできる。

ジョルダン標準形ひょうじゅんけい使つかえる場合ばあいmA(t) における (t-λ)指数しすうは、λ対応たいおうする最大さいだいジョルダンブロックJordan blockおおきさにひとしい。特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomialはブロックのおおきさの総和そうわかぞえるのにたいして、最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialかく固有値こゆうちeigenvalueについて最大さいだいブロックちょう記録きろくする。

data/lecture/math/linear-algebra/introduction-to-jordan-canonical-form.lecture.n.md

同伴行列どうはんぎょうれつcompanion matrixは、指定していした多項式たこうしきpolynomial特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomialにもつ行列ぎょうれつmatrix構成こうせいするれいであり、最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialとの関係かんけいつぎ講義こうぎ確認かくにんする。

data/lecture/math/linear-algebra/companion-matrix-basics.lecture.n.md

10べつ観点かんてん

最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialは、線型変換せんけいへんかんlinear transformation生成せいせいする代数だいすう基本関係式きほんかんけいしきである。mA(t)ると、Aたかべきひくべき還元かんげんできる。

11判定基準はんていきじゅん

  • 最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialは、mA(A)=0たす最小次数さいしょうじすうのモニック多項式たこうしきである。
  • 最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomialる。
  • 対角化可能性たいかくかかのうせいは、最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial重根じゅうこんたないことと対応たいおうする。
  • ジョルダン標準形ひょうじゅんけいでは、最大さいだいのブロックサイズが最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial指数しすう反映はんえいされる。

12どこまで成立せいりつするか

一次因子いちじいんしへの分解ぶんかいもちいる主張しゅちょうは、考察こうさつするたいうえ多項式たこうしき分解ぶんかいすることを前提ぜんていにする。実数じっすうreal numberだけでは分解ぶんかいしない場合ばあいも、複素数ふくそすうcomplex number拡張かくちょうすると分解ぶんかいできることがある。

13存在そんざい一意性いちいせい確認かくにん

最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialかなら存在そんざいし、一意いちいである。存在そんざいは Cayley-Hamilton の定理ていりからしたがう。なぜなら特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomial χA(t)

χA(A)=0

たすため、零化れいかする多項式たこうしきすくなくとも 1 つ存在そんざいするからである。

一意性いちいせいは、最高次係数さいこうじけいすうを 1 に固定こていした最小次数さいしょうじすう多項式たこうしきることでられる。もしおな最小次数さいしょうじすうのモニック多項式たこうしき m1,m2両方りょうほう A零化れいかするなら、m1-m2次数じすうちいさい零化多項式れいかたこうしきになる。これは最小性さいしょうせいはんするため、m1=m2 である。

14証明しょうめい要点ようてん重根じゅうこんがないことと対角化たいかくかdiagonalization

A対角化可能たいかくかかのうA=PDP-1D=diag(λ1,[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dots\")")],λn) とする。このとき多項式たこうしき f について

f(A)=Pf(D)P-1

であり、f(D)対角成分たいかくせいぶん f(λi)ならべた対角行列たいかくぎょうれつdiagonal matrixである。したがって A零化れいかするには、あらわれるすべての固有値こゆうちeigenvalue λi について f(λi)=0十分じゅうぶんである。よって最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial

mA(t)=λSpec(A)(t-λ)

となり、重根じゅうこんたない。

ぎゃくに、mA(t)相異あいことなる一次因子いちじいんしせき分解ぶんかいするなら、かく固有値こゆうちeigenvalue対応たいおうする射影しゃえい多項式たこうしき構成こうせいでき、空間くうかん固有空間こゆうくうかんeigenspace直和ちょくわ分解ぶんかいする。したがって固有こゆうベクトルeigenvectorからなる基底きていbasis存在そんざいし、A対角化可能たいかくかかのうである。

15ジョルダン標準形ひょうじゅんけいとの対応たいおう

ジョルダン標準形ひょうじゅんけい使つかえる場合ばあい最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialかく固有値こゆうちeigenvalueについて最大さいだいのジョルダンブロックのおおきさを記録きろくする。たとえば λ対応たいおうする最大さいだいブロックがおおきさ 3 なら、mA(t) には (t-λ)3あらわれる。

つまり、特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomialはブロックの総量そうりょうかぞえ、最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial最大さいだいブロックのながさをはかる。対角化可能たいかくかかのうとは、すべての最大さいだいブロックのながさが 1 であることにひとしい。

data/lecture/math/linear-algebra/introduction-to-jordan-canonical-form.lecture.n.md

16計算例けいさんれいおな特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomialことなる最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomial

A=(1001),B=(1101)

はどちらも特性多項式とくせいたこうしきcharacteristic polynomial(t-1)2 である。しかし

mA(t)=t-1

であるのにたいして、

mB(t)=(t-1)2

である。A-I=0 だが、B-I0 かつ (B-I)2=0 だからである。このちがいが、A対角化可能たいかくかかのうB対角化不可能たいかくかふかのうであることを反映はんえいしている。

17最終形さいしゅうけい

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]mA(A)=0
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]mA(t)χA(t)
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]AdiagonalizablemA(t)hasnorepeatedroot

18一言ひとことでいうと

  • 最小多項式さいしょうたこうしきminimal polynomialは、行列ぎょうれつmatrix零化れいかする最短さいたん関係式かんけいしきであり、対角化可能性たいかくかかのうせい判定はんていする道具どうぐである。
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