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一次いちじ漸化式ぜんかしき

date2026-07-14document_iddoc_6442a1efe00e9165818d0e45a4c37d40description一次漸化式を、平衡点による標準解法と、シフト作用素による非同次線型作用素方程式の両方から整理する講義である。prerequisites等比数列 / 数列と漸化式 / 一次方程式 / シフト作用素と漸化式type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/sequence/sequences-and-recurrences.lecture.n.md / data/lecture/math/sequence/arithmetic-and-geometric-sequences.lecture.n.md / data/lecture/math/sequence/shift-operators-and-recurrences.lecture.n.md / data/lecture/math/sequence/recurrence-types-and-strategies.lecture.n.md / data/lecture/math/sequence/difference-equation-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/linear-operator/linear-operator-equation-basics.lecture.n.md
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1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、定数係数ていすうけいすう一次線型漸化式いちじせんけいぜんかしきを、平衡点へいこうてん減算げんざんによって等比数列とうひすうれつ帰着きちゃくする方法ほうほう説明せつめいする。

an+1=pan+q は、一般いっぱんには等差数列とうさすうれつでも等比数列とうひすうれつでもない。定数項ていすうこう q消去しょうきょと、例外れいがい p=1分離ぶんり解法かいほう要点ようてんである。

2用語ようご定義ていぎ

この講義こうぎあつか定数係数一次線型漸化式ていすうけいすういちじせんけいぜんかしきconstant-coefficient first-order linear recurrenceとは、

an+1=pan+q

かたちをした漸化式ぜんかしきである。ここで p,q定数ていすうであり、この講義こうぎでは n1初期値しょきち a1採用さいようする。q=0場合ばあい同次どうじであり、q0場合ばあい非同次ひどうじである。xpx+qq0 のときアフィン写像しゃぞうであるが、れつ作用さようする方程式ほうていしき (E-pI)a=q1線型作用素せんけいさようそによる非同次方程式ひどうじほうていしきとして表現ひょうげんされる。

平衡点へいこうてんequilibrium point とは、

α=pα+q

たすあたい α である。p1場合ばあい

α=q1-p

一意いち存在そんざいする。p=1,q0場合ばあい平衡点へいこうてん存在そんざいしない。p=1,q=0場合ばあい、すべてのあたい平衡点へいこうてんである。

3方針ほうしん

まず p=1p1区別くべつする。p=1場合ばあい

an+1-an=q

であるため、(an)等差数列とうさすうれつである。p1場合ばあい平衡点へいこうてん α一意いち存在そんざいするため、偏差列へんされつ an-α導入どうにゅうする。

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4直感的ちょっかんてき説明せつめい

4.11. 平衡点へいこうてん減算げんざんする理由りゆう

平衡点へいこうてんは、更新写像こうしんしゃぞう xpx+q によって不変ふへんあたいである。p1場合ばあい、このてん一意いち存在そんざいする。an ではなく平衡点へいこうてんからの偏差へんさ対象たいしょうとすることにより、更新則こうしんそく単純化たんじゅんかできる。

4.22. 偏差列へんされつ等比性とうひせい

平衡点へいこうてんからの偏差へんさは、添字そえじが 1 増加ぞうかするごとに p ばいされる。したがって、p1一次漸化式いちじぜんかしき偏差列へんされつ等比性とうひせいによって解決かいけつできる。p=1場合ばあいには、前進差分ぜんしんさぶん定数ていすうとなる。

5厳密げんみつ説明せつめい

5.1命題めいだい 1:p1場合ばあい

仮定かていn1 において an+1=pan+qp1 とし、初期値しょきちa1 とする。

結論けつろんα=[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"dfrac\")")]q1-p定義ていぎすると、

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]an=α+(a1-α)pn-1

である。

証明しょうめい

an+1=pan+q

対象たいしょうとする。α

α=pα+q

たす定数ていすうとする。

ここで

bn:=an-α

定義ていぎすると、

bn+1=an+1-α

である。もと漸化式ぜんかしき代入だいにゅうすると、

bn+1=pan+q-α

である。さらに α=pα+q より q=α-pα であるから、

bn+1=pan+α-pα-α=p(an-α)=pbn

となる。したがって bn等比数列とうひすうれつで、

bn=b1pn-1

である。b1=a1-α であるから、

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]an=α+(a1-α)pn-1

る。

5.2命題めいだい 2:p=1場合ばあい

仮定かていn1 において an+1=pan+qp=1 とし、初期値しょきちa1 とする。

結論けつろん

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]an=a1+(n-1)q

である。

証明しょうめいp=1 であるから、もと漸化式ぜんかしき

an+1=an+q

である。したがって

an+1-an=q

である。N2 とし、両辺りょうへんn=1,2,,N-1 について総和そうわすると、

n=1N-1(an+1-an)=n=1N-1q

となる。左辺さへん望遠和ぼうえんわとなり、

aN-a1=(N-1)q

である。したがって、

aN=a1+(N-1)q

である。N=1 では公式こうしき初期条件しょきじょうけん a1=a1一致いっちする。したがって、任意にんいn1 について結論けつろんる。

6具体例ぐたいれい

具体例ぐたいれいとして、

an+1=2an+3,a1=1

対象たいしょうとする。平衡点へいこうてん α

α=2α+3

より

α=-3

である。この平衡点へいこうてんもとづき、

bn=an+3

定義ていぎすると、

bn+1=an+1+3=2an+6=2(an+3)=2bn

である。

したがって bn公比こうひ 2 の等比数列とうひすうれつである。b1=4 であるから、

bn=4·2n-1=2n+1

である。したがって、

an=2n+1-3

となる。

7数学的すうがくてき解釈かいしゃく

7.1代数的だいすうてき解釈かいしゃく

一次漸化式いちじぜんかしきは、平衡点へいこうてん原点げんてんとする座標ざひょう移行いこうすることにより、定数項ていすうこう消去しょうきょして同次化どうじかできる。

この座標変換ざひょうへんかんにより、高等学校数学こうとうがっこうすうがく標準解法ひょうじゅんかいほうを、非同次方程式ひどうじほうていしき同次化どうじかという代数操作だいすうそうさとして整理せいりできる。

7.2作用素さようそによる解釈かいしゃく

添字そえじを 1 増加ぞうかさせるシフト作用素さようそshift operator E(Ea)n=an+1定義ていぎすると、一次漸化式いちじぜんかしき

an+1=pan+q

(E-pI)a=q1

表現ひょうげんできる。ここで 1 はすべてのこうが 1 の定数列ていすうれつである。

このしきは、線型作用素方程式せんけいさようそほうていしきlinear operator equation

La=y

かたちである。ただし L=E-pIy=q1 である。平衡点へいこうてん α決定けっていは、定数列ていすうれつ an=α という特解とくかい決定けってい対応たいおうする。実際じっさいan=α場合ばあい

(E-pI)a=(1-p)α1

である。したがって p1 のとき、(1-p)α=q となるように α選択せんたくすれば、an=α非同次方程式ひどうじほうていしき特解とくかいである。p=1,q0 のときは定数列ていすうれつ特解とくかいがないため、Δa=q という差分方程式さぶんほうていしきとして処理しょりする。

つづいて bn=an-α定義ていぎすると、b

(E-pI)b=0

たす。この作用素さようそかくは、添字領域そえじりょういきにおいて bn+1=pbnたす等比数列とうひすうれつ全体ぜんたいである。

7.3線形代数的せんけいだいすうてき解釈かいしゃく

an+1=pan+q線形写像せんけいしゃぞうではなくアフィン変換へんかんである。定数座標ていすうざひょう 1 を付加ふかすると、

(an+11)=(pq01)(an1)

表現ひょうげんでき、2 次元じげん線形変換せんけいへんかんまれる。

このとき

(α1)

(pq01)(α1)=(α1)

たす条件じょうけんは、α=pα+q同値どうちである。したがって、平衡点へいこうてん存在そんざいする場合ばあい(α,1)T固有値こゆうち 1 にぞくする固有こゆうベクトルである。

平衡点へいこうてん減算げんざんは、座標原点ざひょうげんてん不動点ふどうてん移動いどうし、偏差座標へんさざひょうにおける変換へんかん単純化たんじゅんかする操作そうさである。

7.4解析学的かいせきがくてき解釈かいしゃく

an+1-an離散的りさんてき変化量へんかりょう解釈かいしゃくすると、一次漸化式いちじぜんかしき微分方程式びぶんほうていしき

y=cy+d

離散的対応物りさんてきたいおうぶつである。いずれも平衡点へいこうてん減算げんざんによって同次化どうじかできるが、離散系りさんけい連続系れんぞくけい解公式かいこうしき区別くべつされる。

この対応たいおうにより、離散系りさんけい連続系れんぞくけいにおける平衡点近傍へいこうてんきんぼう構造こうぞう比較ひかくできる。

8成立範囲せいりつはんい

平衡点へいこうてん減算げんざんは、an+1=pan+q かつ p1場合ばあい有効ゆうこうである。p=1 では定数差分ていすうさぶん総和そうわする。非線形漸化式ひせんけいぜんかしきまたは変数係数漸化式へんすうけいすうぜんかしきには、これらの命題めいだい変更へんこうせずに適用てきようすることはできない。

9基本公式きほんこうしき

p1 のとき:

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]α=q1-p
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]bn:=an-αbn+1=pbn
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]an=α+(a1-α)pn-1

p=1 のとき:

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]an=a1+(n-1)q

10要約ようやく

  • 一次漸化式いちじぜんかしきでは、まず p=1p1区別くべつする。
  • p1場合ばあい平衡点へいこうてん減算げんざんして等比数列とうひすうれつ帰着きちゃくする。
  • p=1場合ばあい定数差分ていすうさぶん総和そうわして等差数列とうさすうれつとして処理しょりする。

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