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数列の極限md ff31ea4
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数列すうれつ極限きょくげん

date2026-07-14document_iddoc_8d3f2023189c35c6496ecb66bccbdceadescription数列の収束を ε-N 論法で定義し、発散、等比数列、有理式、はさみうちによる極限判定を説明する。prerequisites数列の基本 / 不等式の基本type講義content_typelecturestatusactiverelateddata/lecture/math/sequence/sequences-portal.lecture.n.md / data/lecture/math/sequence/arithmetic-and-geometric-sequences.lecture.n.md / data/lecture/math/sequence/difference-equation-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/sequence/series-basics.lecture.n.md / data/lecture/math/calculus/limits-and-continuity.lecture.n.md
mathsequenceundergraduatelecture

1導入どうにゅう

この講義こうぎでは、数列すうれつがある実数じっすう収束しゅうそくすることを ε-N 論法ろんぽうによって定義ていぎし、有限個ゆうげんこ初項しょこうではなく、任意にんい精度せいどたいして十分大じゅうぶんおおきい添字以降そえじいこうのすべてのこうによって極限きょくげん判定はんていするという原則げんそく説明せつめいする。

差分方程式さぶんほうていしきからかい長期挙動ちょうききょどうや、つぎ講義こうぎあつか級数きゅうすう部分和ぶぶんわ解析かいせきするには、数列すうれつの「接近せっきん」を定量化ていりょうかする必要ひつようがある。以下いかでは実数列じっすうれつ (an)n1対象たいしょうとし、通常つうじょう絶対値ぜったいち性質せいしつ前提ぜんていとする。

2用語ようご定義ていぎ

数列すうれつ (an)LR収束しゅうそくconvergeするとは、

ε>0NNnN,|an-L|<ε

成立せいりつすることである。このとき limnan=L または anLしるす。ε要求ようきゅうする誤差ごさであり、N はその要求ようきゅうおうじて選択せんたくしてよいが、選択後せんたくごすべての nN同一どういつ評価ひょうか成立せいりつしなければならない。

有限ゆうげん実数じっすう L のいずれにも収束しゅうそくしない数列すうれつ発散はっさんdivergeするという。とくに、

MRNNnN,an>M

成立せいりつするとき an+しるす。同様どうように、十分大じゅうぶんおおきい添字以降そえじいこうのすべてのこう任意にんい実数じっすう M よりちいさくなるとき an-しるす。+-実数じっすう極限値きょくげんちではなく、特定とくてい発散様式はっさんようしきあらわ記号きごうである。たとえば (-1)n振動しんどうして発散はっさんするため、いずれの無限大発散むげんだいはっさんでもない。

3基本性質きほんせいしつ

極限きょくげん一意いちいである。実際じっさいanL かつ anK仮定かていし、LK とする。ε=|L-K|/3たいして両定義りょうていぎ同時どうじたす十分大じゅうぶんおおきい nえらぶと、三角不等式さんかくふとうしきから

|L-K||L-an|+|an-K|<2|L-K|/3

となり矛盾むじゅんする。

また、収束列しゅうそくれつ有界ゆうかいである。anLたいして ε=1えらべば、十分大じゅうぶんおおきいこう|an||L|+1たす。のこ有限個ゆうげんこ初項しょこうにも最大絶対値さいだいぜったいち存在そんざいするため、すべてのこう共通きょうつう定数ていすう評価ひょうかできる。したがって、非有界ひゆうかい数列すうれつ収束しゅうそくしない。ただし、有界性ゆうかいせいだけでは収束しゅうそく保証ほしょうせず、(-1)n反例はんれいとなる。

以下いかでは既知きち極限則きょくげんそく使用しようする。anAbnB なら、

an+bnA+B,anbnAB,anbnAB(B0)

である。最後さいご主張しゅちょうでは bn0十分大じゅうぶんおおきい n成立せいりつする。これらは各誤差かくごさ三角不等式さんかくふとうしき分割ぶんかつし、収束列しゅうそくれつ有界性ゆうかいせい利用りようすれば ε-N 定義ていぎから証明しょうめいできる。

4等比数列とうひすうれつ

an=arn-1 とする。a=0 なら恒等的こうとうてき0 である。以下いかでは a0 とする。

  • |r|<1 なら an0 である。0<|r|<1 のとき q=1/|r|>1 とおく。二項定理にこうていりから qm=(1+(q-1))m1+m(q-1) なので、任意にんいε>0たい1+m(q-1)>|a|/ε となる mえらぶ。N=m+1 とすれば、nNたいして |arn-1||arm|<ε となる。r=0直接確認ちょくせつかくにんできる。
  • r=1 なら an=a であり、a収束しゅうそくする。
  • r=-1 なら ana-a交互こうごにとる。かりanL なら、定義ていぎ偶数添字ぐうすうそえじ奇数添字きすうそえじ適用てきようして定数列ていすうれつ a-a がともに L収束しゅうそくすることになるが、極限きょくげん一意性いちいせいa0はんする。したがって発散はっさんする。
  • r>1 なら、うえ二項定理にこうていりによって rn-1任意にんい正数せいすう最終的さいしゅうてきえる。したがって a>0 なら an+a<0 なら an- である。
  • r-1 なら符号ふごう交替こうたいする。r<-1 では絶対値ぜったいち非有界ひゆうかいとなるため発散はっさんし、+ にも - にも発散はっさんしない。

したがって、非零ひれい実数じっすう aたいする有限極限ゆうげんきょくげん存在条件そんざいじょうけん|r|<1 または r=1 である。

5有理式ゆうりしき定義ていぎされた数列すうれつ

P,Q非零ひれい実係数多項式じつけいすうたこうしきQ(n)0十分大じゅうぶんおおきい n成立せいりつするとし、

an=P(n)Q(n)

かんがえる。p=[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"deg\")")]Pq=[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"deg\")")]Q とし、最高次係数さいこうじけいすうをそれぞれ c,d とする。pq場合ばあい分子ぶんし分母ぶんぼnq除算じょざんする。p>q場合ばあいan/np-q=P(n)/(np-qQ(n))分子ぶんし分母ぶんぼnp除算じょざんする。1/nk0極限則きょくげんそく適用てきようするとつぎる。

  • p<q なら an0
  • p=q なら anc/d
  • p>q なら、an/np-qc/d収束しゅうそくする。この十分大じゅうぶんおおきい添字以降そえじいこうc/d同符号どうふごうかつ絶対値ぜったいち|c/(2d)| 以上いじょうとなり、np-q任意にんい正数せいすうえる。したがって、c/d>0 なら +c/d<0 なら -発散はっさんする。

たとえば、

3n2+1n2-2n+5=3+n-21-2n-1+5n-23

である。ここで分母ぶんぼ極限きょくげん10 であるため、しょう極限則きょくげんそく適用てきようできる。

6はさみうちの定理ていり

十分大じゅうぶんおおきいすべての n について

bnancn

であり、bnL かつ cnL なら anL である。実際じっさい任意にんいε>0たいし、十分大じゅうぶんおおきい n では L-ε<bn かつ cn<L+ε となるため、|an-L|<ε である。

|sinn|11/n0 から

-1nsinnn1n

であり、はさみうちの定理ていりによって sinn/n0 となる。sinn 自体じたい収束しゅうそく仮定かていする必要ひつようはない。

7判定手順はんていてじゅん

  • まず有限極限ゆうげんきょくげん無限大発散むげんだいはっさん振動しんどうのいずれが候補こうほかを区別くべつする。
  • 等比因子とうひいんしがある場合ばあい|r|<1r=1r=-1|r|>1分離ぶんりする。
  • 有理式ゆうりしきでは分子ぶんし分母ぶんぼ次数じすうおよび最高次係数さいこうじけいすう比較ひかくする。
  • 絶対値ぜったいち収束しゅうそくする上界じょうかい評価ひょうかできる場合ばあいは、はさみうちを適用てきようする。
  • 極限きょくげん主張しゅちょうするさいは、使用しようする極限則きょくげんそく仮定かていとくしょう分母ぶんぼ非零性ひれいせい確認かくにんする。

8適用範囲てきようはんい

ε-N 定義ていぎでは添字そえじ自然数しぜんすう限定げんていされるため、関数極限かんすうきょくげんε-δ 定義ていぎにある入力距離にゅうりょくきょり δ不要ふようである。一方いっぽう数列すうれつ関数かんすう f(n)整数点上せいすうてんじょうあたいても、整数点間せいすうてんかんにおける f挙動きょどう数列すうれつ収束しゅうそくには影響えいきょうしない。

本講義ほんこうぎ実数列じっすうれつ対象たいしょうとする。複素数列ふくそすうれつでは絶対値ぜったいち複素絶対値ふくそぜったいち置換ちかんすれば収束しゅうそく同様どうよう定義ていぎできるが、+- による順序付じゅんじょづけきの発散分類はっさんぶんるいはそのまま適用てきようできない。

9基本公式きほんこうしき

[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]anLε>0NnN,|an-L|<ε
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]|r|<1rn0
[PARSE ERROR: Undefined("Command(\"boxed\")")]bnancn,bn,cnLanL

10要約ようやく

  • 数列すうれつ収束しゅうそくは、任意にんい誤差要求ごさようきゅう十分大じゅうぶんおおきい添字以降そえじいこうのすべてのこうたすことである。
  • 発散はっさんには無限大発散むげんだいはっさん振動しんどうなどがあり、±有限ゆうげん極限値きょくげんちではない。
  • 等比数列とうひすうれつ有理式ゆうりしき、はさみうちは、それぞれ絶対値ぜったいち最高次項さいこうじこう不等式ふとうしきによって長期挙動ちょうききょどう判定はんていする。

11関連講義かんれんこうぎ

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